通算122話「兄と妹」
警官隊がリムジンを包囲し、乗っていた男性を射殺する。警察は麻薬を運搬していたギャングを追い詰めたつもりだったが、乗っていたのは犯罪とは無関係の若者。同乗していた恋人が証言のために地方検事の所へ行く予定になっていたが……。
Without a Trace/FBI失踪者を追え! シーズン6
- 脚本:Diego Gutierrez, Jan Nash
- 監督:Scott White
- 初回放映:2007-10-25
失踪者:ロンダ・ブルーワー
警察による射殺事件で証言を行う予定だったロンダ・ブルーワーが自宅から失踪。
ロンダは数日前、恋人のケニヨン・ジェイムズとともにリムジンに乗っていたところを警官隊に取り囲まれ、ケニヨンが射殺されるという事件に巻き込まれていた。ケニヨンは犯罪とは関係がなく、銃も持っていなかったので、警官による発砲は正当ではないという抗議運動が起きていた。彼女はその証言のため、地方検事の所へ行く予定だったのだ。
車の主はロンダの兄ウォレス・ブルーワー。ウォレスはブルックリンのギャング団のボスで、ロンダも以前は組織に属していたが、その後距離を置くようになった。事件の日はロンダの誕生日だったので、ウォレスが車を貸したというのだ。
現場にいた警官や刑事に話を聞くと、彼らが追っていたのはウォレスで、事件当日もウォレスが大量のヘロインを積んで車に乗っているという情報を得ていた。ケニヨンが銃を手にしたかは判然としないが、「座席の下に銃を隠している」という情報を得ていた。
防犯カメラ映像から、ウォレスの手下エヴァンがロンダを無理矢理車に押し込めていることがわかる。エヴァンはかつてロンダと交際していたが、ロンダが組織を抜けた時に別れていた。エヴァンについて調べてみるが、過去の記録がまったくわからないことから、潜入捜査官ではないかと思われた。
もう一度刑事に情報源を確認したところ、エヴァンはやはり組織に潜入中の警官だったが、ロンダとの恋愛は捜査とは無関係だという。大勢の警官隊が取り囲んだのは、エヴァンから具体的な情報を得たため。だがそれはウォレスがエヴァンを疑い、わざとニセの情報を伝えていたのだった。ウォレスは銃撃事件になったことを知り、見張っていた手下に「銃が見えたと警察に言え」と指示していた。
マーティンはエヴァンの部屋に残されていたノートから隠れ家を発見。その場所へ向かうと、ウォレスの手下が死亡しており、エヴァンは血まみれで倒れていた。
エヴァンは病院へ運ばれ、ロンダと会って話したことを認める。ロンダは捜査が進まないことにいら立ち「自分でカタをつける」と言い、エヴァンが目を離したすきに姿を消したという。
ロンダは列車で移動して来たところをダニーとエレナに発見される。ロンダは隠しマイクを装着してウォレスに犯行を認めさせ、ウォレスは逮捕される。ロンダはエヴァンと隠れ家に行った後、兄に連絡したために居場所がばれてしまい、ウォレスの手下に襲われたのだった。
メインの事件は、冒頭が派手な銃撃戦。こういう始まり方はWaTでは珍しい気がする。だがその後は、二転三転しつつも最後はきちんとタイムラインが明かされるオーソドックスなWaTストーリーだった。
それより驚いたのはラストのサム!妊娠検査薬で陽性の反応が出た模様。そういえば、サム役のポッピー・モンゴメリーが実生活で妊娠し、それをドラマに取り入れたのだったと思い出した。そうか、このシーズンの時だったのね……。
となると「お相手」が誰なのかが気になるところだが、前シーズンでちらりと登場していたブライアンだっけ?その人だろうか。まさかマーティン、ましてマローンではないよなと思いつつちょっと不安……。
もうひとつ気になったのが、発砲した警官に対するダニーの言葉。アルコール依存症と今も戦い続けているダニーの心情とかつてのトラウマに思いをはせる。新人の頃、銃を見たと思って引き金を引いたら相手はオモチャを手にした子どもだった――この時は銃が不発で事なきを得たが、無辜の市民を誤射して殺してしまうというのは、一生消えないトラウマになるのだろうと思った。
2025-08-06