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CSI: Miami - Season 8, Episode 8

#175 Point of Impact


事件概要

カレン・バラード、グレッグ・バラード、リリー・バラード、ヴィクトル・エンパロ

母子3人を乗せたSUVとベントレーが衝突。SUVに乗っていたカレン・バラードは死亡、息子のグレッグは比較的軽傷で意識があり、娘のリリーは衝撃で車外に投げ出されており重傷。ベントレーは無人で誰が運転していたのかわからなかったが、その後、通報したヴィクトルが運転していたことがわかる。車はヴィクトルの妹の恋人の持ち物で、持ち主に返すために運転していたという。彼はビデオゲーム会社を経営しており、訴えられることを恐れて通行人のふりをしたのだった。

ヴィクトルは署に連行されるが、その直後に突然倒れて死亡する。事故の際にびまん性軸索損傷を起こしており、外見は無傷だったが脳が損傷していたのだ。

現場の痕跡を調べた結果、SUVが蛇行してベントレーに突っ込んでいたことが判明する。血液検査の結果、カレンの血中アルコール濃度は法定限度よりかなり高い値。事故の前にカレンがバーに立ち寄っていたこともわかる。しかし詳しく話を聞くと、カレンは謎の男性と親密そうにしていたものの、彼女自身はほとんど飲酒していなかったという。死後の血液を採取したため、バクテリアが増殖して偽陽性になった可能性が考えられた。

そこで、バクテリアの影響を受けない眼球を調べる必要が生じるが、カレンの片目は事故の衝撃でとびだして行方不明、もう片方は損傷がひどく検査ができない。カリーは現場に戻って眼球を捜索し、ようやく発見してラボへ持ち帰る。その結果、やはり飲酒はしていなかったことが確認される。

SUVのブレーキペダルに残っていた靴跡はカレンの靴と一致しないことがわかる。だがグレッグは2週間前から免停中でリリーはまだ14歳。靴跡はグレッグのものと一致するが、靴の材質から2週間前の靴跡である可能性もあった。

そこで、車内に残る証拠を改めて調べ直した結果、ハンドルの下にはさまっていた繊維から、運転していたのはリリーであるとわかる。昏睡状態だったリリーは意識を取り戻し「母がバーに眼鏡を置き忘れたので、父に電話したけれど応答がないので、代わりに自分が運転した」と認める。ワニを避けようとしてハンドルを切った後、ハンドルが急に重くなって制御できなくなったという。

ハンドルが重くなった原因を調べてみると、ハンドルからつながっているチューブが切られていることがわかる。カレンの夫が妻の浮気に腹を立てて事故を仕組んだ――という可能性が考えられたため、バラード家のガレージから工具を押収し、工具痕を調べることする。すると、検査ライトの熱の影響でマリファナの匂いがし始め、車のボンネットに隠された大量のマリファナが発見される。グレッグは免許停止になった時、マリファナを所持していた――。

グレッグはマリファナを隠したことを認める。その時にナイフを使ったため、チューブに傷がついたのだ。カレンが眼鏡を忘れたことや、父親に連絡がつかなかったこと、たまたまワニが飛び出してきたことなど、さまざまな不運が重なって起きた事故だった。


感想

CSIの原点に帰ったようなエピソードだった。現場で証拠を集め、仮説を立てて検証し、違っていたことがわかればまた調べ直し、「その場でその時に何があったのか」を明らかにするまでそれを続ける。それこそがCSIだ、といえばそうなのだが、仮説を立てるたびに疑いをかけられ、「違ってましたすいません」と言われてまた別の疑いをかけられるのも大変だなと思ってしまった。

このエピソードに限らず、今シーズンはそういう「原点回帰」の試みが随所に見られる気がする。ホレイショが白衣を着たり、被害者に寄り添うように優しくハグしたり。そういったマイアミ的世界を構成する要素を新加入のジェシーがしっかり支えているのも頼もしいし、ライアンとウォルターのお笑いコンビもすっかり定着した感がある(今回はカリーも悪戯していた)。

ホレイショとカリーのツーショットが多いのも良い。この2人はここ数年同じ場面にいることが滅多になく、あっても別撮りっぽい感じの画面構成ばかりだったが(撮影スケジュールの関係だったのだろう)、最近は2人同時に顔が映る場面が多い! その代わりナタリアが空気だけど。

本家ベガスのシーズン9を「らせん階段を上って元の地点の1階上に来た感じ」と表現したが、今シーズンのマイアミもまさにそういう感じだ。メンバー入れ替えは今のところうまく作用しているようなので、この調子でどんどん行ってほしいと思う。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2011-09-29, 改訂 2015-02-15