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csi_miami:s08:191_all_fall_down

CSI: Miami - Season 8, Episode 24

#191 All Fall Down

  • 邦題:「皆殺しのメッセージ」
  • 脚本:Barry O'Brien, Marc Dube
  • 監督:Joe Chappelle
  • 初回放映:2010-05-24

事件概要

ジャニス・ポッター、ニール・ブルサッティ、スティーヴン・マドセン

CSIのメンバー5人に差出人不明の封書が届く。中には細かく切られたシートが入っており、ジグソーパズルの要領でつなぎ合わせてみると、ライフルの照準と女性のシルエットを描いた絵になる。四隅に住所らしき記載があったため、その場所へ警官を派遣するが、そこではすでに住人の女性が射殺されていた。

殺害されたのは、幼い娘のいる主婦ジャニス・ポッターで、夫は離婚弁護士。デイド大学から小切手を受け取っていることがわかり、事情を聞いてみると、メリッサ・ウォールズという大学院生の心理学実験に協力しており、その謝礼だという。

狙撃現場を調べたところ、ライフルを遠隔操作したものとわかる。通信の発信元は突き止められない。

その後、ジャニスの夫宛にメッセージが届く。ポッター家に投函されているが、宛名はデイド署のCSI。拡張現実のタグが仕込まれており、Webカメラに移すとプールの立体画像が浮かび上がる。回転させてみるとデイド大学であるとわかる。

警察がすぐに現場へ急行するが、プールには男性の遺体が浮かんでいた。泳いでいる途中にプールカバーをかぶせられ、水の中に閉じ込められて溺死したと思われた。カバーはすでに巻き取られていたが、広げてみるとユリの紋章が燃えている図柄が描かれていた。

死亡していたのは心理学科の教授ニール・ブルサッティ。同僚のスティーヴン・マドセンとボブ・スターリングに話を聞いたところ、容疑者としてメリッサ・ウォールズの名を挙げる。メリッサはジャニスの協力を得て、ミルグラムの服従実験を応用した実験を行っていたが、自分の仮設に合わせて実験結果を改ざんしていたという。それをジャニスに知らされ、彼らはメリッサの実験を止めさせ、別の大学へ移るように言い渡していた。メリッサはそれに対し、強硬に抗議したという。

マドセンには警備が付けられるが、シャワーを浴びた後にコロンを付けたところ、コロンが発火。ナタリアが一緒にいたため、マドセンは火傷を負っただけで済む。調べてみると、コロンには水に反応して発火するカリウムが混ぜられていた。そのコロンの紋章は、プールのカバーに描かれていたユリの花。

パターンから考えると、今回の現場に次の犯行を予告するものがあるはず。見ると、コロンの瓶にはスターリングが書いた論文の一節が書き込まれていた。犯人が細工した可能性を考え、スターリングの研究室内の物はすべてラボに運ばれて検査を受ける。

ウォルターは、ブルサッティが発見された時、プールカバーに描かれた紋章の絵の具がまだ完全に乾いていなかったことに注目し、実験から絵が描かれた時刻を割り出す。するとメリッサは、その時刻の完璧なアリバイを提示してみせ、「第一印象は誤認であり、警察は誤った印象に基づいて証拠を選んで解釈するという私の仮設が証明された」と言う。

一方、ラボではスターリングの荷物が検査されていたが、その中に、最初に届けられた封書と同じ切手のシートが発見される。切手には偽造防止用の透かしが入っており、それを比較した所、封書に貼られた切手とスターリングが持っている切手は同じシートのものだとわかる。スターリングは終身教授ではなかったが、審査を行ったのはブルサッティとマドセン。スターリングはメリッサの指導教官であり、審査に落ちたのはジャニスがメリッサの不正を告発したことがきっかけだった。

ホレイショとトリップはデイド大学へ向かい、スターリングを逮捕。スターリングは連行されるが、ホレイショ宛てのメッセージを残していた。そこには「THEY ALL FALL DOWN(皆倒れる)」と書かれていた。


感想

シーズンフィナーレ。ずいぶん短く感じた今シーズンだったが、ジェシー、ウォルター、ローマンの3人が仲間に加わり、デルコが辞めたと思ったらまた戻り、初期シーズンからいたサブキャラが2人も退場し、ホレイショはLAへ出張し、といろいろ盛り沢山のシーズンだった。盛り沢山だったから短く感じたのかな。

前回ホレイショの元カノが殺されてしまったことで「フィナーレに登場するのか?」と思っていたのはイェリーナだったが、彼女の出演はなかった。イェリーナを再登場させる時は、その前にホレイショの周囲にいる「別の女性」を退場させることが多いのだ。シーズン7では、ジュリアが入院して退場した次の回のフィナーレでイェリーナ登場。シーズン4の最後にマリソルが死亡した後、5のプレミア(ブラジル編)でも登場。なので今回もそのパターンかなと思ったら違った。やはり今もマイアミで私立探偵を続けているのだろうか。

それはともかく、事件は連続殺人で、犯人から暗号で予告が届くという、まるでNYみたいな事件。マイアミでは珍しい展開だが、遠隔操作で発射するライフルという仕掛けは、シーズン5~6あたりでよくあったマイアミらしいハイテクギミック。

メリッサが行っていた服従実験とは、1960年代にイェール大学のミルグラム博士が行った有名な実験。別名アイヒマン実験とも呼ばれ、「人は権威のある人に命じられると、残酷なことでも実行してしまう」ということを実証したと言われているが、やり方に批判もあったように記憶している。

ただし、メリッサはデータを改ざんして望む結果を出していたわけなので、これはやり方以前の問題だ。後半では「警察は第一印象に基づいて誤った捜査をする」という仮説を立てていたが、動機も機会もある人間が怪しい態度を見せれば捜査対象になるのは当たり前。自分の望む結果(=容疑者になること)がまずありきで、それを導くための状況を自分から積極的にお膳立てしているわけだ。データの改ざんもやりかねないと思わせる。

その後、どうやら犯人はメリッサではなく、当初ターゲットと思われていたスターリング博士らしいとわかる。しかし、CSIは絵の具の実験でようやく犯行時刻を割り出したのに、その時刻のアリバイをあらかじめ準備していたということは、犯行が行われることとその時刻を最初から知っていたということだ。共犯か、少なくとも情報は得ていたことになる。

ホレイショとトリップが逮捕に向かうと、スターリングは “They all fall down.” という不気味なメッセージを残して連行されていく。その頃デイド署のラボでは皆が次々と咳き込んでばたばたと倒れ、そこでクリフハンガー。

ラボが襲われるのはこれで何度目か忘れたが、今シーズン2度目なのは確か。

だから、ラボの警備を強化しておけとあれほど(略

フィナーレらしく、事件や構成も凝っていたし力が入っていたのはわかるが、私としてはそれほど……って感じだったかなぁ。それより、宇宙船の話とカイル再登場の話が良かったと思う。

今回エリックは正式にCSI復帰。そして今回限りでジェシー役エディ・シブリアンが降板することもわかっている。今シーズンは原点に回帰すると同時に新鮮味が増した印象があり、それにはエリックからジェシーへの交代が大きく貢献したと思っているので、来シーズンまでついて行けるかわからないが、とりあえず、また来年!


使用楽曲

  • The Creeper by Pelican

Yoko (yoko221b) 2011-10-31, 改訂 2015-03-03

csi_miami/s08/191_all_fall_down.txt · Last modified: 2024-02-23 by 127.0.0.1