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Dexter - Season 3, Episode 12

#36 Do You Take Dexter Morgan?


概要

首を絞められ、皮膚を剥ぎ取られたミゲル・プラドの遺体が発見される。手口からも、ミゲルがフリーボを追っていたことからも、キングの犯行は疑いがないと思われた。ジョージ・キングは本名をホルヘ・オロスコといい、ニカラグアでは尋問部隊で拷問を担当していた。

弔問に行ったデクスターはラモンから「出て行け」と追い出される。その直後、デクスターの自宅は何者かに荒らされ、ラモンに似た男が目撃されていた。警察と鑑識が帰った後、デクスターは血液サンプルとエレンの指輪が無事であることを確認する。

リタの母親は式には出席しないがカードを寄越す。その言葉が気にかかったデクスターはリタの過去を調べ、ポールの前にも夫がいたことを知る――リタは16歳で結婚し、半年で離婚していた。

ラグェルタはミゲルによるエレン殺しを公表しようとするが、デクスターは「そんなことをしても家族やキューバ系社会を傷つけるだけであるし、何も証明できないかもしれない」と説得。ラグェルタは秘密を守ることに同意する。

エンジェルはデボラの刑事昇格をラグェルタに推薦。だがその後で、エンジェルはミゲルがアントンの行動記録を調べていたことを知り、そこからアントンとデボラのことを知る。デボラは思わず、エンジェルがジアナ刑事と出会った経緯を挙げて言い返してしまう。エンジェルはすぐさまラグェルタにすべてを打ち明け、デボラとアントンの件も報告する。

デクスターはアスターとコーディを迎えに行き、帰る途中で誰かに尾行されていることを知る。デクスターはわざと加速し、尾行していた車は事故を起こす。デクスターはラモンが尾行していたと思い込むが、トラフィックカメラに映っていたのはジョージ・キングだった。

ラモンはその後もデクスターを付け狙い、ディナーパーティに現れてデクスターに銃を向ける。だが、あっという間にエンジェルらに取り押さえられ、再び逮捕。デクスターはラモンと対話し、ミゲルが「父親を階段から落として喜んだ」という話が嘘であったことを知る。父親を階段から落としたのはラモンだったのだ。デクスターは、実はラモンの方が自分を危険に晒してミゲルを守っていたことを知り、「父親の罪は息子たちへ、代々受け継がれていく。それを断ち切り終わらせろ」と忠告する。ラモンはそれを受け入れ、デクスターはエレンの指輪を使わずに済んだ。

デクスターは結婚式に着るスーツを受け取り帰ろうとするが、そこでキングに襲われ、今度こそ本当に拉致される。キングに捕らえられたデクスターは、改めてハリーの幻覚と対話し、同じく親になる者としてハリーを許し和解する。一方デボラとマスオカはその頃、事故車に残る痕跡からキングが以前に勤務していた葉巻工場を発見していた。

デクスターはキングに「フリーボを殺した。お前はミゲルに利用されただけだ」と言って挑発。隙を見て縄を解くと、キングと格闘し、首を折って殺害。ちょうどそこへパトカーが駆けつけたため、デクスターはキングをパトカーのすぐ前に投げ落として逃亡。デボラはキングが自殺したものと判断する。

デクスターは右手を骨折するが、結婚式には間に合い無事にリタと式を挙げる。


感想

前回でミゲルとの対決が終わってしまったので「フィナーレで何やるの?」と思っていたら、キングの件がまだ残っていた! そうか、キングはデクスターがフリーボの居所を知っていると思っているわけで(実際知っているのだが)、ミゲルの件なんか知ったこっちゃないんだった。

でも、キングとの対決は蛇足っぽいというかデクスターらしくないというか、デボラに任せておいて良かったんじゃないの? という印象。今までデクスターは皮剥ぎストーリーには殆ど絡んでいなかったのだから、何もデクスターが始末する必要はなかったように思う。殺し方も格闘して首を折り、パトカーの前に投げ落とすという、やっつけ仕事みたいなやり方だったし。あの場でデボラに助けられても良かったんじゃないかと思う(シーズン1の逆パターン)。

キングと対決する意味があったのは、デクスターが腕を怪我する所ぐらいかな。それがきっかけで、デボラとハリーとデクスター、モーガン家の3人が共有していた生活が何となく垣間見られたし、リタのウェディングドレスに血が滴り落ちるビジュアルも効果的。白に赤というのは、ドラマ「デクスター」だけでなく放送しているケーブル局SHOWTIMEのブランドカラーでもあったはず。

ともあれデクスターはようやくハリーを理解して受け入れることができ、リタとも無事に式を挙げて、めでたしめでたし。ラストにはキャストメンバーたちが勢揃い――こういう場面だと、無理なく全員集合できていいね。これでグランドフィナーレでもいいんじゃないの? と思うくらい。まだ続くけど。

デボラは、アントンとの件でいろいろあったものの、無事によりが戻って刑事にも昇格。エンジェルがデボラを叱責するのは、言われてみれば確かに変だ。デボラが情報提供者と寝たのは倫理規定違反だが、エンジェルの行為は(未遂だったけど)買春であって法律違反。人肌が恋しくて――という言い訳が通るならデボラも許されなくてはおかしい。デボラに「私生活を大切に」と忠告し、エンジェルには「秘密は秘密のままに」と言うラグェルタは、自身も秘密を抱える身。最近は政治的に狡猾に立ち回ることもなく、管理者として良い感じになってきた。

次シーズンに向けて気になる点といえば、まずデクスターの「裏稼業」の今後だが、それ以外のところではまず、リタの最初の結婚のこと。それからデボラが調べているハリーのCIのこと。ローラ・モーサーとブライアン・モーサーの関係に気づくか? そしてラグェルタは本当にドークスの件を忘れるのか(ワンシーズン置いて蒸し返すってのもよくある話)。クインはまだちょっと怪しいところがあるけど、次シーズンまで引っ張るかは微妙かなぁ。

そんなこんなで、今シーズンを振り返ってみると、ミゲルのキャラが素晴らしかったと思う。味方から仲間へ、そして敵へと変貌していくジミー・スミッツの演じ方がお見事。存在感もすごい。キングも単独で見れば、木の剪定業者の顔と皮剥ぎ犯の顔が全然違って面白いのだが、いかんせんミゲルのそばでは存在感がいまいち発揮できない感じ。ミゲルとの関係の中で、改めてハリーの記憶と「掟」の意味を問い直していくデクスターも良かったと思う。

「デクスター」のラストはいつも、「次」へと引っ張る要素は残しつつも「ここで終わっても満足かな」と思える結末で、今シーズンも例外ではない。でも次もやはり見ちゃうだろうな~。シーズン4はいつ頃見られるのだろう。1年後くらい? きっとまたデクスターがピンチに陥っては都合よく切り抜けるパターンなのだろうけど、デクスターの過去が明らかになり、彼なりに立ち位置を定めたところでの活躍を楽しみにしておこう。

Yoko (yoko221b) 2009-12-07