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Homicide - Season 3, Episode 17

#50 Map of the Heart


事件概要

No.123 Edward Cliford

離婚弁護士のエドワード・クリフォードが自宅のプールで死亡する。被害者は71歳だが水泳の達人で身体は頑健。ベイリスとペンブルトンが担当になるが、事件性があるかどうかはまだわからない。

そのすぐ後、リチャード・ローマーと名乗る男がベイリスを訪れ、エドワード・クリフォードは自分の実父であり、彼は殺されたと言う。ローマーは「殺したのは自分ではないが、事実を知りたい」と言って、自分のDNAサンプルとビデオテープをベイリスに預けて立ち去る。

ビデオテープは、ローマーの法律上の父であるモーリス・ローマーによる遺言テープで、モーリスは「自分の信託財産は、死後1年凍結した後にエドワード・クリフォードに譲る。自分が死んだ後、1年経つ前にクリフォードが死亡した場合、財産は息子のリチャードの物になる」と述べていた。そしてモーリスが死亡したのは約1年前だという。

ベイリスはローマーと連絡を取ろうとするが、彼は「地図を作る仕事で世界中を渡り歩いている」と言って電話番号を渡しただけ。その番号では連絡がつかず、ペンブルトンは検死を急がせる。

NSAのフェリシティ・フェンウィックと名乗る女性がギャフニー警部を訪れ、「この人を探している」とリチャード・ローマーの写真を見せる。フェンウィックは「ローマーはクリフォードの死とは何ら関わりがなく、自分はただ友人として彼を見つけたい」と言う。ジャデーロは軍隊経験のあるラッサートにフェンウィックのことを調べるよう頼む。

検死の結果、クリフォードは前立腺癌を患っていたが死因は心臓発作とわかる。しかし肩と腰の部分に注射痕があり、毒物検査の結果ステロイドが検出される。癌患者がステロイドを打つと、その作用で心臓発作を引き起こすことがある。注射痕の場所から考えて、本人が自分で打つのは困難と思われた。

その後、クリフォードの水泳コーチだったバスター・シモンズが「自分がクリフォードを殺した」と自首。水泳のタイムを上げるために、少しずつステロイドを打っていたという。


感想

メインの事件は、いまいちピンと来なかったかな。CSI でもそうだったが、諜報組織(CIAやNSA)のからむ話はどうもあまり面白くない。ポリス・プロセジュラルとエスピオナージは相性が悪いのではないかな。権限でも組織としての力でも、相手の方が数段強力で「無敵・暗躍」な印象が強く、一介の地方警察のかなう相手ではないせいだろうか。

ローマーは何をしたかったのか、結局最後までよくわからなかった。クリフォード殺しの真犯人はローマーだったのか? フェンウィックの正体は? ラッサートが身元を照会しようとして、電話たらい回しの刑にあった1時間後にコーチが出頭したのは誰かの差し金? 封筒に入れたDNAサンプルは本当にローマーの物? ローマーはお金持ちになってNSAから逃げようとしたのか? そもそもローマー父の遺言は本当の話なのか?

うーん、やはり考えてもよくわからないので考えるだけ無駄かも。

今回はメインの事件より、刑事さんたちの小ネタの方が面白かった。

ケラマンはランチを盗まれ、2年ほど前から署内に Lunch Bandit と呼ばれる悪者がいることを聞かされる。で、そいつを捕まえてやる! と、ワナを仕掛けることにする。普通に考えて、Lunch Bandit というのは特定の誰かじゃなくて、お互いに隙あらばランチを奪い合っており(だから2年間ずっと捕まっていない)、皆して新人のケラマンをからかっているのだと思うのだけど、同じく新顔のブロディがあっさりワナにかかってしまったようだ。少し前にはベイリスとペンブルトンのランチ騒動もあったし、洋の東西を問わず食べ物の恨みは深いのだなぁ。

あとは、ケラマンがマンチに売ったビデオデッキが、実は放火課の備品だったのでは……? という疑惑があり、こちらもブロディを巻き込んでちょっとした騒動になる。こちらもあまりはっきりした描写はなかったが、ともかくビデオデッキが放火課に返却されたところで何となく終わりになったみたい。トイレでブロディから事情を聞かされたマンチは、個室の中からペーパーを投げつけて後で困ったことになるし。ブロディといえば刑事ごっこもおかしかった! でも殺人課刑事の靴を全部把握しているなんて(だから個室にいるのがマンチだとすぐわかった)、刑事顔負けじゃないか! 素晴らしい。

ついでに、今回脚本のMichael Whaleyが CSI:Miami のバーンスタイン刑事だったことにもびっくりだ。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2012-05-11