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Homicide - Season 4, Episode 7

#62 The Heart of a Saturday Night


We're trapped by this thing that happened to us and won't let us go.

グループセラピーに集まった数名の男女が、それぞれに自分の経験と思いを語る。彼らは皆、殺人事件で家族を失ったばかりだった。途中で、検死医のジュリアナ・コックスが現れる。彼女も交通事故で父親を亡くしたことで、このセラピーに参加していたのだ。

事件概要

No.193 Natalie Silvio

ジュード・シルヴィオ: 妻が幼い娘を車に乗せている時にカージャックに遭い、妻のナタリーが射殺され、3歳の娘は連れ去られる。ルイスとマンチが担当。しばらくして車は発見されるが娘の姿はない。大々的に捜索・聞き込みが行われ、娘はその後発見されて無事に保護されるが、殺人事件はまだ未解決。

No.194 Jack Widmer

キャロライン・ウィドマー: 夫がバーの乱闘騒ぎに巻き込まれ、割れたビール瓶で刺されて死亡。現場がウォーターフロントのため、ジャデーロが担当。目撃者は大勢いたが、皆酔っており何も覚えていなかった。ジャデーロは留置場から1人ずつ呼び出して事情を聞く。そのうちの1人が「女性と踊っていると、別の男が彼女に言い寄ろうとしたので、ビール瓶でやっつけた」と自供。

ジャデーロは以前に現場で容疑者を射殺したことを思い出す。「この事件の犯人も自分もミスをしたのに、彼だけが裁かれるのか」と悩む。妻のキャロラインは夫の飲酒や女癖に愛想をつかし、まさにその日出て行こうと決心したという。

NO.195 Lila Rath

ラース夫妻: 娘のライラが殺害される。ライラは殴られ、首を絞められて殺され、両手を後ろ手に縛られてゴミとともに捨てられていた。その日はライラの16歳の誕生日で、母親はケーキを焼いて待っていた。母親はライラを良い子だと信じていたが、父親は「あばずれだった」と言う。

事件はベイリスが担当。発見者の2人組がクラック常用者らしいとわかり、きびしく取り調べていたが、途中で被害者の身元がわかったためベイリスは取調べを中断して被害者の自宅へ向かう。見張りを頼まれたペンブルトンは2人組に話しかけ、暴力犯罪の前歴があるゲイリー・スワーンを見かけたという情報を聞き出していた。


感想

ちょっと変わった構成のエピソード。被害者の遺族たちがグループセラピーに集まって、自分たちの視点から事件について語り、その間に殺人課の場面が交互に挿入されるという形で話が進んで行く。いつもの殺人課視点の場面もあるけれど、被害者視点の場面が多いので、何というかカメラと刑事たちの間が「不意に遠くなる」感じ。普段の視線が「事件の現場に出かけて行く」向きなのに対して、今回は「刑事たちが捜査のため訪ねて来る」向きになっていると言えば良いのかな。

殺人事件の遺族といっても、亡くなった人との関係も事件の受け止め方もそれぞれに違う。事件は解決していたり未解決だったり。遺族同士の間で対立や批判もある。検死医のコックス先生が、今回はそのあたりをうまく和らげていたように思う。コックス先生、初登場の時にいきなりモルグにお父上が運ばれてくるという驚きの展開があったが、どうやらひき逃げに遭って、事件はまだ未解決らしい。未解決ということは、車を特定できるほどの痕跡や目撃証言がなかったということなのだろう。となると、今後解決する見込みは薄いかもしれない。

ペンブルトンとケラマンは相変わらず居残り組みだが、居残りでもペンブルトンは冴えている。シーズン開始の頃はまだ心配だったが、調子が戻って来たか?


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2013-01-22