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homicide:s04:061_white_lies

Homicide - Season 4, Episode 6

#61 White Lies

  • 邦題:「嘘をつく人たち」
  • 脚本:Anya Epstein
  • 原案:Tom Fontana, James Yoshimura
  • 監督:Peter Weller
  • 初回放映:1996-11-08

I'm a Homicide Detective. The only time I wonder why is when they tell the truth.

事件概要

No.182 Nina Josephson-Engle

ニーナ・ジョセフソン=エングルが自宅で死亡。夫は商用でサンフランシスコへ行っており、早朝に帰宅。最初妻が眠っていると思い、朝食を用意したが呼んでも起きてこず、見ると死んでいたという。外傷はなくコックスは現場では死因を判断しかねたが、メーキャップをしていることを不審に思う。夫に質問していたマンチも、相手が嘘をついていると思う。

マンチは夫を署に呼んで取り調べる。彼の話には少々整合性のない部分があったが、コックスは「毒物検査が済むまで死因は特定できないし、それまで殺人があったとは言えない」と主張しマンチと対立する。

マンチは夫の帰宅を許すが、再度訪ねて行って問い詰めると、夫は泣き崩れて「僕のせいだ、僕が悪かった」と言い出す。マンチは夫の犯行を確信するが、毒物検査の結果、死因はヘロインの過剰摂取。状況から判断して他人が強制的に摂取させることは不可能で、コックスは「殺人ではなかった」と結論付ける。

夫が帰宅した時、ニーナは寝室ではなく浴室に裸で倒れており、ひどい有様だった。夫は妻の名誉を守るために服を着せて寝室へ運び、薬をトイレに流して眠ったまま死んだように見せかけた。彼は妻の薬物使用を知りながら「止める」という言葉だけを信じて彼女を一人にしたことで自分を責めて、自分が殺したと告白したのだった。コックスは「彼女の秘密を永遠に隠し通すことはできないのですよ」と言う。

No.093 Alison Lambert

ペンブルトンはベイリスの未解決事件のファイルを調べ、射殺されたアリソン・ランバートの車でソーダの缶が発見されていたことに注目。指紋はあったが身元不明。ペンブルトンは「飲み口の唾液からDNAが取れるはず」だとして証拠保管室へ向かう。結局DNAは取れなかったが、ハンドルの指紋を再度調べたところ、今回は該当者サミュエル・コルビーが見つかる(前回調べた時点では登録されていなかった)。

だがベイリスは尋問に失敗しコルビーの自白を取れなかった。部分的な指紋だけでは決め手にならない。ペンブルトンは彼がどこで失敗したかを指摘する。


感想

コックス先生のケンカ列伝、第2弾はマンチ相手。マンチは被害者の夫が「何か隠している」ということにすぐ気づき、その線でガンガン取り調べるわけだが、コックス先生は「死因が特定できるまでは殺人とはいえない」と言って対立。それは確かに正しいんだけど、「まだわからないから」と言って初動捜査を怠ると、殺人だった場合に悪影響があるのではないか。結果的に殺人でなかったとはいえ、夫が現場に細工をして嘘をついたことは確かだったのだし……。

夫が嘘をついたことを不思議に思わないのか、と聞かれたマンチ、「俺は殺人課の刑事だ。不思議に思うのは本当のことを言われた時だけだね」と返す。ここはいつものマンチ節だった。

内勤居残り組のペンブルトンは、ベイリスの事件のお手伝い。指紋やDNAは、犯行当時該当者がなかったといっても、その後別の事件で登録されている可能性もあるので、定期的なチェックが必要なのね。で、容疑者は見つかったものの自白は取れず。ペンブルトンが担当していれば自白は取れたのだろうか。ペンブルトンのもとから独立してしっかりやっているように見えたベイリスだけど、やはりまだまだ……ということなのかな。

もう一人の内勤組、ケラマンは新聞の一面に写真入りで記事が載ってしまい、もうすっかり汚職警官扱いだ。ケラマンはまだ降板しないはずだし、私は無実を信じているが、この展開では大陪審がどうなるのか、無事に復帰できるのか心配になってきた。

そもそもこれはどういう事件だったのかというと、ミッチ・ローランドという地主が保険金目当に自分の地所に放火して、放火課の刑事を買収して罪を逃れたという経緯。刑事3人は買収に応じたけれど、ケラマンだけは拒否。拒否はしたが、だからと言って仲間を突き出すようなこともできない。警察内の仲間意識からくる、よくある庇い合いだ。前シーズンの「犯行現場」、そして前回「新任監察医」でも同じ図式が見られたことを思い出す。その庇い合いに対してメスを入れてきたのがラッサートやコックス、それに今回登場した連邦検事のゲイル・イングラムと全員女性であることも偶然ではないような気がする。でもケラマン自身も前シーズンの「正義(Part2)」では警官の犯罪をちゃんと捜査していたんだけどね。

さて、ケラマンは買収を拒否したものの、仕掛け人だったローランドは「ケラマンも金を受け取った」と言い、検察と取引をして自由の身(今はまだ保釈中かな?)になっている。取引するからには、できるだけ多くの材料、つまり「汚職警官」を検察に売り渡した方が有利、ということでケラマンも一緒くたにされてしまったのだろう。どうせ身内を庇っているのだから同罪だ、という意識か、あるいは「一人だけいい子になりやがって」的な反感もあったのかもしれない。ケラマンはポリグラフを受けてパスするが、ローランドもパスしたため、どちらが本当のことを言っているかはわからなくなってしまう。「ローランドが買収しようとして自分は断った、それなのにローランドは自由の身で自分は停職なのか、それのどこが正義なんだ!」と言いたくなるのも当然だろう。

殺人課メンバーの自宅を渡り歩いているブロディは、ケラマンのボートの後行く所がなくなり、ケイに招待されるが、結局断る。ケイは「何? 私が変なことするとでも思ってる?」と言うが、それに対してブロディは「いや、しないことが問題なんだ」と応じる。結局「貴女は巡査部長として、自分の体面を守るべき」だと言って最後まで拒否。ブロディはケイを好きなはずだが、だからこそ誘いに乗れない、という古風な騎士道精神を見せる。これがブロディなんだなぁ。

ところで今回の監督はロボコップことピーター・ウェラー。「ホミサイド」シリーズでの監督作品は、シーズン3「偏見」に続いて2作目。


使用楽曲

  • “Tell Me What's Wrong” by Subdudes (冒頭)
  • “I'm Only Happy When It Rains” by Garbage (ラスト)

Yoko (yoko221b) 2013-01-20

homicide/s04/061_white_lies.txt · Last modified: 2024-03-02 by 127.0.0.1