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Law & Order - Season 2, Episode 6

#28 Misconception


But wrong should not win by technicalities.

事件概要

People vs. David M. Alcott (判事:Hollis Burton)

法律事務所で秘書をしているエイミー・ニューハウスが路上で襲われ、流産した。バッグを奪い、その後で腹部を蹴ったことから、強盗ではなく個人的な動機があると思われた。まず同居している恋人クリスの犯行が疑われる。クリスは以前にエイミーを殴ったことがあったが、それはエイミーが職場の上司オルコットと浮気したことが原因だった。赤ん坊はオルコットの子だという。さらに、クリスとエイミーはそれをネタにオルコットに金銭を要求していた。

ニューヨーク州では、受胎後24週間未満の胎児はヒトとはみなされないため、流産しても殺人ではなく暴行罪になる。エイミーの胎児は、確証はないものの約25週間と診断された。オルコットは第2級謀殺および第1級暴行罪で起訴される。だが、診断の誤差範囲が2~3週間であることから、受胎後22週間という可能性もあることが証言され、弁護側は殺人は不適当だと申し立て、判事もそれを認める。

殺人罪が却下されたことから、流産につながるすべての証拠が排除される可能性がでたが、クリスとエイミーはオルコットを相手に1000万ドルの訴訟を提起する。しかも、弁護士を雇ったのはエイミーが退院した翌日だった。

さらに2人の周辺を調べてみると、エイミーは12月19日に医師の診断を受け、妊娠を知ったことがわかる。だがオルコットがエイミーと関係したのはその後のこと。つまり本当の父親はクリスだった。さらに、クリスは現在タクシーの運転手をしているが、ウィスコンシンで弁護士資格を剥奪されていたこともわかる。

検事は離婚訴訟を提起したオルコット夫人にはたらきかけ、クリスとエイミーに訴訟を取り下げるよう取引させる。オルコットの資産は200万ドル程度で、夫人の弁護士はすでに資産の凍結を申し立てていた。クリスとエイミーが100万ドルを受け取って訴訟を取り下げ、夫人は離婚訴訟を取り下げて残った資産を得、オルコットは牢獄へ――という筋書きで双方は合意する。事件のすべてがクリスとエイミーの筋書きであり、最初から金が目的だったらしいことに気づき、刑事も検事も愕然とする。

People vs. Christopher Baylor & Amy Newhouse (判事:Robert Gillion)

改めてクリスのアリバイを確認すると、賃金とオドメーターの値が合っていなかった。つまりエイミーを襲ったのはオルコットではなくクリス。彼は空港まで客を乗せたことにして、その金を自分で払ってアリバイを作っていたのだ。

24週の規定から、殺人で立件できる見込みはなかった。ストーン検事は2人がそれを知らなかった可能性を考え、殺人未遂での起訴を決定。だが2人は、24週未満では殺人にならないことも、エイミーが受胎後24週未満であることも知っていた。ストーンはそれでも、「専門的な技巧によって悪が勝つべきではない」と陪審に判断を委ねるため起訴する。

陪審の評決は、第2級謀殺の未遂で有罪。


感想

Law & Order では珍しく、事件が二転三転して後半になってやっと真相が明らかになる。オーソドックスなミステリ的展開だと思っていたら、元ネタの記載が見当たらない(脚本家のオリジナルストーリーなのだろう。今回はすべて虚構であってほしい)。結局オルコットは利用されて罪を着せられたうえに民事訴訟を起こされるという、最初から最後までカモにされっぱなしだったわけね。

ストーン検事がエイミーとクリスを「殺人未遂」で起訴するという根拠が少々わかりにくかったのだが、結局は犯罪の意思(guilty mind)があるかどうか、ということが重要なようだ。相手が眠っていると思って心臓を撃ち抜いたところ、相手はその前に実は死んでいた。あるいは、麻薬だと思って白い粉末を購入したら実は砂糖だった。この場合、殺人や麻薬売買で有罪にはならない(実際に行われていないから)。また、相手がすでに死んでいること、その粉末が砂糖であることを知っていたら、まったく犯罪にはならない。しかし、それを知らなかった場合、「相手を殺害する」「麻薬を購入する」というguilty mindがあったことになり、その場合は「未遂罪」が成立する――のだそうです。へー。

それを今回の事件に当てはめると、クリスとエイミーが「24週の規定」を知らなければ殺人未遂、知っていれば無罪ということになる。う~~~~~ん。

クリスとエイミーは、24週の規定を知っていたはず。そして、今ならエイミーが流産しても殺人にはならないと知っていて犯行に及んだのだろうと思う。人としての行いで言うなら「知っていてやった」方がはるかに冷酷で悪い印象があると思う。だが刑法上では無罪。

ストーン検事は判断を陪審員に委ねるために、無理を承知で起訴。そして陪審員は、2人が規定を知っていたと思いつつ、彼らなりの倫理観に従って2人を有罪にしたのではないだろうか――ちょっと割り切れない結末ではあるけれど、2人がまったく処罰されないとしたら、それはそれで、もっと割り切れない結末になったのだろうなぁ。う~ん。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2007-06-17