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Chapter Nine


概要

People v. Rickey Latrell (6)

リッキーの事件では陪審員の選定が始まり、選定をめぐってアーロンとクリスの対立が少しずつ深まっていく。2人は事務所で口論を始め、ワイラーに叱責される。

クリスは、アフリカ系人権運動の活動家であるオトウェルを陪審員として採用させることに成功する。オトウェルは「裁判が長引くと経済的に困難な状況になる」と辞退しようとするが、判事は相当な理由と認めず、オトウェルは陪審員に加わる。

陪審員が12名選出され、公判が開始される。スコット検事、続けてクリスが冒頭陳述を行う。証人尋問が始まり、まず担当刑事が凶器について証言。凶器の拳銃は、リッキーが利用したバンナイズ空港のゴミ捨て場を巡回したゴミ収集車から発見されており、登録所有者はリッキーだった。クリスは反対尋問で、犯行当日にリッキーが拳銃を持ち発砲したという直接的な証拠はないという証言を得る。

次に、ビルの警備員のヴォパリルが、犯行当日にリッキーを見たと証言。クリスは、ヴォパリルが警察官や検察の調査員として何度も応募しながら不採用になっていることを指摘し、「証人として良いところを見せれば職を得られると期待しているのでは?」と印象付ける。

リッキーの広報係ジェニファー・フリーランドが、インタビューの調整をしたいと言うが、クリスもワイラーも「裁判が終わってからだ」と反対する。その裏にはリッキーのエージェントの座を狙うケン・ヒックスの姿があった。ワイラーの事務所がこの事件を引き受けたのは、リーとワイラーが友人だったからだが、ワイラーは「我々の仕事はリッキーを無罪にすることだけだ」と言い、エージェントの争いからは距離を置くと宣言。

ジャスティーンは、事務所のメンテナンス作業員のジョエルが廃棄書類をあさっているところを発見。ジョエルは「リサイクル用に分別しているんだ」と反論するが、グウェンは彼を追い出す。ジョエルは有名人グッズのコレクターなのだった。

リー・マイケルソンが証言する。契約に関する交渉のためにリッキーと2人で被害者に会いに行った。リッキーはサンディの言うことを聞くタイプだがリーは強硬に要求を述べる。サンディの望みでリッキーはリーに席を外すよう言い、リーは立ち去った。数時間後に戻って来たリーはサンディの遺体を発見して通報した。リーは「その場に残っていれば、リッキーが殺人を犯していない目撃証人になれたのに」と後悔する。

ヒックスはその後もワイラーに近づき情報を提供する。それは、検察側の証人リストと、その証人に不利な情報を持つ人間の電話番号だった。その中には、リー・マイケルソンも含まれていた。マイケルソンは以前に横領したことがあり、その事実をつかんだフォータスがそれを公開しようとしていたというのだ。ワイラーは悩む。


感想

前回でシャロンの事件が終わり、ようやくリッキー事件がメインになる。前シーズンは全23話を通して1つの事件の経過を追い、その合間に小さな事件の描写をはさむという構成であり、その試み自体は面白かったものの、構造的にダレ場を免れない面があったと思う。今シーズンは、ちょうどダレ場にさしかかる位置にもう片方の事件のクライマックスを持ってくるという手法で退屈さを回避している。前シーズンに比べていささか評価の低い今シーズンだが、こういう所はきちんと工夫されて良くなったと思う。

さて、リッキー事件はシャロン事件よりもゆっくりめのペースで始まり、ようやく陪審員選びが始まる。今回の判事は前シーズンでアヴァドン事件を担当したボーンステイン判事。でもこの事件はO.J.シンプソン事件からヒントを得ているらしいので、いっそのこと判事も日系にすれば良かったのに。

陪審員選びというのも、何だかゲームみたいだ。手続きとしてはまず有権者名簿から無作為に選び、その中から不適切な人をふるい落とし、その後で検察と弁護側がいろいろ質問をして、選びたくない人は異議を申し立てて(チャレンジ)排除していき、最終的に補充要員と合わせて16名前後を選ぶことになっている。チャレンジする時は理由を付けても付けなくても良いが、理由付きでチャレンジしても認められるとは限らないし、理由なしのチャレンジには人数制限がある。今回のように人種がからむ事件の場合は、できるだけ人種配分を有利に持っていきたい所だが、人種はもちろん理由として認められない(理由なしでも完全に自由にはならないはず)。チャレンジカードをいつ、誰に対して行使するか、相手の出方をみながら駆け引きしていく様子はまさにゲーム。

事件以外のところでは、前々回でローラにふられたジミーとジャスティーンが急接近。ここでも金髪ロングヘアの部下と恋仲になるのかジャック……じゃなくてジミー。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2009-06-17