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Without a Trace - Season 1

#19 Victory for Humanity


事件概要

失踪者:ジョシュ・エイブラムズ(26歳、高校教師)

ブロンクスの高校で理科を教えているジョシュ・エイブラムズが授業の後に失踪。ジョシュは大学卒業後にITで一財産を築き、自分の住むアパートを建物ごと所有していた。父親は教師、母親はソーシャルワーカーという教育者の家庭に育ったジョシュは、教育熱心で生徒たちからも慕われていたが、最近は生徒との間に何らかのトラブルを抱えていた様子も見せていたという。

ジョシュの預金からは、失踪前に10万ドルが現金で引き出されていた。また、ジョシュの所有するボートが無人で発見されるが、そのボートは事故に見せかけようとしてか、故意に壊された形跡があった。

ジョシュの生徒で問題児のカルヴァン・フラーを訪ねると、その家には見るからに粗暴な父親のゲイリーと、顔にあざをつくっている妹のテリーがいた。サマンサがテリーを問い質すと、テリーは「父に殴られた」と認めた。ジョシュはテリーのあざを見て2人の家を訪れ、ゲイリーと争いになったという。テリーは「先生が失踪した前夜、父は遅くまで帰らなかった」と言って脅えた様子を見せる。

ゲイリー・フラーは暴行容疑で逮捕され、カルヴァンとテリーのもとへはソーシャルサービスの職員が派遣されるが、テリーは隙をみて家出。カルヴァンの部屋には、テリーとジョシュが抱き合いキスしている写真が残されていた。テリーとジョシュが駆け落ちしたのではないかと言うヴィヴィアンと、彼女は脅えているのだと思うサマンサの主張が対立する。

だが、ウェスマー教頭とテリーが共謀していたらしいことがわかり、事情が変わる。ウェスマーはテリーから色仕掛けで迫られたことがあり、その時にジョシュを陥れる計画を思いついた。テリーがジョシュを誘惑し、ウェスマーが2人のラブシーンを写真に撮り、恐喝するはずだった。だがウェスマンが金を受け取らないうちにジョシュが失踪し、続けてテリーまで消えてしまったのだ。

ボートに細工をしたのは兄のカルヴァンだった。カルヴァンは写真を見て逆上し、テリーを殴ったが「先生のお金があれば2人でパパから逃げられる」と唆されて協力を了承したのだった。

カルヴァンの携帯電話にテリーから電話がかかる。逆探知で場所を絞り込み、オルバニーのモーテルが判明するが、中ではジョシュが1人で気を失って倒れていた。テリーはジョシュを睡眠薬入りのシャンパンで眠らせ、一人で金を持って逃げてしまったのだ。

失踪者:テリー・フラー(16歳、高校生)

ジョシュはテリーと「二人でカナダへ逃げよう」と話していた。急遽国境の警察に手配がなされるが、カナダとの国境線は長く、テリーが見つかる見込みは薄かった。サマンサは「行方不明者」のホワイトボードに貼ったジョシュの写真をはずし、テリーの写真と取り替える。


感想

失踪者を知ることでその人の行動を理解し、仮説を立てる。今までジャックもダニーも失踪者の内面に迫り、時に自らも傷つきながら事件を解決してきた。そして今回はサマンサが――と思ったら、ものの見事にだまされてしまった。罠に落ちたのはジョシュだけでなく、サマンサでもあった。今回サマンサが深く同調していったのは失踪者の内面ではなく、テリーですらなく、過去の自分自身だったのだろう。

しかしサマンサママ、ボギーファンが高じてというが、娘を「サム・スペード」にするか。

カルヴァンがジャックから「見たことあるか」と聞かれていた『深夜の告白』は、ビリー・ワイルダー監督のフィルムノワール。ジェームズ・M・ケインの『殺人保険(Double Indemnity)』が原作とのこと。カルヴァンはともかく、テリーは見たかも。

それはそうと、今回ひそかに楽しみにしていたのは実は事件ではなく、ジョシュの父親を演じたロバート・ジョイ。CSI:NYのシーズン2から登場した個性的な検死官の人なので、どんな人かと思ったら、面白みのなさそうな堅物パパ風だった。いや~別にシド先生的なキャラを期待していたわけじゃないけどさ~、でもつまんないの。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2008-04-05