TV Crime Files

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====== #15 Silver Lake  ======

  *邦題：「シルバーレイク」／「極悪ボディーガード」
  *脚本：Peter Blauner
  *監督：Christopher Misiano
  *初回放映：2011-04-11

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===== 事件概要 =====

==== キャシー・アルヴィン他  ====

一家三人が住む民家に何者かが侵入し、父親を縛って浴室に監禁、幼い息子を殴り殺し、母親をレイプして殺害する。生き残ったドン・アルヴィンによると、犯人は全裸の白人で、ドンを監禁した後フラッシュを使って写真を撮っていたらしい。犯人は用意周到に準備し、家の間取りも把握していたようだった。ドンは「犯人の左足に何かシミのようなものがあった」と言う。

近隣で似たような被害がなかったか調べたところ、家宅侵入事件があり、娘の部屋に下着の写真が置かれていたことがわかる。似たような被害にあった家はすべて、家中で音楽を鳴らせるようなAVシステムを取り付けていた。業者は見積もりのために家中をくまなく調べている。犯人は業者として下見に訪れていたものと思われた。

「ノーラン・サウンド」という業者が怪しいとにらみ囮捜査を仕掛けてみるが、現れたのは別人。どうやら囮捜査に気づいて別の業者を頼んだらしい。調べてみると本物のノーランはすでに死亡しており、Webサイトや連絡先からも身元をたどれないよう巧妙ななりすまし工作がなされていた。

犯行がエスカレートすることは多いが、家宅侵入からレイプ殺人というのは凶暴化が急すぎる。他にも事件を起こしているのでは――と、さらに余罪を探したところ、他にもレイプされて写真を撮られたという被害者が見つかる。その女性アネット・ケイは「ノーラン・サウンド」とは無関係だが、勤め先の病院でカード情報への不正アクセス事件があり、シークレット・サービスに調べられたことがあるという。犯人の左足に傷跡があったことがわかり、同一犯の可能性が高まる。

刑事たちはシークレット・サービスを訪れ、捜査を担当したガーソン捜査官に目をつける。ガーソンは元海兵隊員で、左足に傷があった。ガーソンの行動を調べた結果、彼の滞在先でジョアン・ディクソンという女性が行方不明になり、現場にガーソンの車のタイヤ痕があったこともわかる。

モラレスはガーソンを署に呼び、協力を求めるふりをして話を始め、徐々に深く切り込んでいく。ガーソンはアネットと性交渉を持ったことは認めたものの、それは合意であり、ジョアンの居場所は「知っているが言えない」と言って弁護士を要求。

ガーソンの車からタマネギの皮が発見される。ジョアンの自宅付近にタマネギ畑があったことから、モラレスは、ジョアンはそこに埋められていると判断する。畑は広く、捜索には時間がかかると思われたが、モラレスは捜索隊を派遣を要請。モラレスとTJはガーソンを現場へ同行させ、ジョアンの遺体発掘を見守る。

ガーソンは起訴されるが、弁護人は「依頼人は弁護士を要求したのに強制的に現場へ連行された」と主張し、ジョアンの遺体を証拠から排除するよう求める。判事は、取り調べたのがモラレスであると知り「元検事のやり方としては大目に見るわけにはいかない」と遺体を証拠から排除する。弁護人はさらに、アネットのボンデージ写真を持ち出して信頼性をくずそうとする。それはアネットの元夫が撮影したもので、アネットはそれを知り「証言はしない」と言い出す。

残るのはキャシー・アルヴィンの事件のみ。ドンは証言台に立ち、ガーソンから襲われた時のことを証言するが、興奮して「私は反撃した」と言い出す。だがそれを示すような防御創などはなく、明らかに偽証。弁護側はそれを指摘し「本当は、ガーソンと妻の濡れ場を見て怒り、あなたが殺したのでしょう」と言い出す。

ドンが偽証したのは、「男のくせに妻子を守れない臆病者」と罵るメールが何通も送られてきたためだった。デッカーはその中に、マスコミに発表していない事実があることに気づく。拘置所のガーソンの房を捜索したところ、持ち込み禁止のスマートホンが発見される。

ガーソンは自ら証言し、金のために身元を偽ってステレオ設置の副業をしたこと、その仕事で知り合った妻たちと合意でSMプレイをしたことを認めるが、殺人とレイプは否定する。デッカーはドンに送られたメールを示し、それがガーソンのスマホから送られたこと、アルヴィン家に侵入して会話を聞いていなければ知らないはずの事実が書かれていたことを指摘する。ガーソンは罪を認め、仮釈放なしの終身刑を受け入れる。

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===== 感想 =====

「モラレス刑事」の最初の事件。今回から本格的に「新体制」に移行し、オープニングが変更。デッカーの下にはNYから来たコニー・ルビローサが付き、TJは口ひげを剃っている。もう「西郷さん」とか呼ばずに「モラレス」と正しく表記すべきだろうか。それにしても、モラレス、コニー、警部補でキャストのラテン率がかなり上がったなぁ。

モラレスが刑事としてどんな捜査手法を使うのかなと思ったら、案外強引。「どのみち見つかる」からすぐに場面が切り替わったので描写が少々不親切だったが、ガーソンがあの場で遺体を埋めた場所を述べ、モラレスは弁護士の同席について確認を取らなかったということだろう。本人の同意を得ずに弁護士抜きで尋問することが憲法違反であり、その結果得られた証拠が排除されるおそれがあることを、モラレスは十分に承知していた。証拠は遺体という重大なもので、埋めた場所は犯人しか知り得ない事実。これは賭けだったのだろう。判事も、普通の警官なら大目に見るというようなことを言っていたので、検事時代に似たような状況で認められたことがあるのかもしれない。

だが結果は不採用。元検事が率先して被疑者の権利を侵すようではしめしがつかない、とモラレスの経歴が不利になってしまった。ここでデッカーもあっさり引き下がりすぎではないか？ 遺体がタマネギ畑に埋められているというのは、ガーソンの車から採取した証拠から導かれている。その捜索が合法なら、タマネギ畑を捜索すれば時間はかかっても不可避的に発見されたはずではないのか。CSIなら遺体捜索犬やハイテク兵器で見つかりそうな状況だ。

証拠が排除され、証人も出廷を嫌がり、最後に残った証人もメール攻撃で変な証言をしてしまい、信頼性を崩される。だが、そのメール攻撃によって事態が逆転して有罪確定。発信元をたどられるとはハイテクに通じていたガーソンにしてはお粗末だが、拘置所内ではスマホの持ち込みがやっとなので仕方ないか。これも、前言撤回してもう少し言い逃れができるかなと思ったのだが、あっさり取引。有罪になれば死刑の可能性が高そうだから変に悪あがきしない方が良いということかもしれない。それに、言い訳させても間延びするだけでドラマ的に面白くならないような気がするので、これはこれで良かったのかな。

そんなこんなで少々のモヤモヤがなくもない新体制スタートだが、今後に期待……という所かな。って、1～2話あたりの感想を繰り返しているような。

事件の元ネタは、カナダの空軍大佐ラッセル・ウィリアムズが起こしたレイプや殺人などの一連の事件。この事件は "An Officer & A Murderer" という実録TV映画にもなっている。

  * [[https://en.wikipedia.org/wiki/Russell_Williams_(criminal)|Russell Williams (criminal)]]
  * [[https://amzn.to/3IAYX5b|"Camouflaged Killer: The Shocking Double Life Colonel Russell Williams" David A. Gibb]]

タイトルのシルバーレイクは中心部の地名。冒頭の犯行現場だったかなぁとは思うものの、何か印象が薄い。単なる地名ではなく何か一工夫が必要ではないか。

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--- //Yoko (yoko221b) 2014-01-05//
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