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Harm for the Holidays: Heart Attack

小説版CSI:マイアミ第6弾、著者は今回もドン・コルテス。クリスマスの翌日、地元のマフィアの武器取引において、死者9名を出す襲撃事件が発生。またショッピングモールではアイルランドからの旅行者が射殺される。どちらの事件にも、イスラム原理主義のテロリスト、通称 “The Hare” が関与している疑いがあった。ホレイショは国土安全保障省の職員の協力を得て “The Hare” を追い詰めようとするが……。


書誌情報

Harm for the Holidays: Heart Attack

  • 著者:Donn Cortez
  • 発行:2007-01-30
  • ISBN:978-0743499521

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内容・感想

“Harm for the Holidays: Misgivings” の続編で、ドン・コルテスのマイアミ小説としては4冊目。コルテスの小説は、科学捜査や分析に関する薀蓄がすごいという印象があったのだが、前作あたりからちょっと変わってきたように思う。アクションとストーリーが多くなり、薀蓄が少なくなってきた感じ。それだけTV版に近づいてきたとも言えるが、TV版と比べると皆「ちゃんと仕事している」描写があるし、何より職場のゴタゴタもマリソル関連も「ない」という所が素晴らしい。

前回も少し言及されていたイスラム原理主義のグループの話が、今回で具体的になってくる。その筋では有名なテロリスト “The Hare” の正体が、どうやら前回の容疑者Abdusではないか――という疑いが生じる。The Hare(ウサギ)というのは、地面の穴に飛び込んで姿を消すような神出鬼没ぶりからそう呼ばれているらしい。だがAbdusのアリバイは完璧。さらに彼はマジシャン、つまり「騙し」のプロでもある。

小説版のライアン・ウルフは健気でいい奴だなぁ。ナタリアのことでデルコとちくちく言い合ったり他人の金でデートしたりしないし、本当にボス思いなのよ。前作(Misgivings)でホレイショが命を狙われたと知って、いても立ってもいられなくなってしまう所が可愛い。ホレイショがThe Hareに狙われ危うし!という時には真っ先に駆けつけるし(いちばん近くにいたからなんだけど)。

結局それでライアンは重傷を負ってしまうのだが、ホレイショもアレックスも皆ライアンのことを心配していて、良い仲間なんだなぁ……としみじみ思った。canonがどうであれ、この小説の世界にはスパイ疑惑なんて存在しないと思う。しないでいてほしい。

デルコはダンサーのマリーと「真剣に」交際しており、マリーが “Brilliant Batin” ことAbdusと同じ客船でパフォーマンスをやると聞き、心配でたまらなくなり一緒に船に乗ることにする。一応その前に船は大捜索してシロと判断されているので、仕事ではなく個人的に乗船し、その結果船を乗っ取ったAbdusの人質になってしまうのだ。なので、後半の方はかなりデルコの活躍が多い。CSIというより「MDPDテロ対策特捜班」みたいな感じになっちゃったけど、皆よくやった!

結末はちょっとあっけない気もしたんだけど、Abdusとの対決やThe Hareの計画などをじっくり描写していたら、もう1冊くらいいきそうな気もするなぁ。いや、それでもいいかも!

Yoko (yoko221b) 2007-05-26

csi_miami/novels/06_harm_for_the_holidays_heart_attack.txt · Last modified: 2024-02-20 by Yoko