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CSI: Miami - Season 7, Episode 11
#153 Tipping Point
- 邦題：「負け犬の家」
- 脚本：Brian Davidson
- 監督：Marco Black
- 初回放映：2008-12-15
事件概要
マイク・オルベラ
工事現場に生き埋めにされていた男性が、工事のドリルに貫かれて死亡する。被害者は銃で撃たれて後に現場に運ばれて木の箱に入れて埋められ、息を吹き返したが結局ドリルで死亡したのだ。使用していたペースメーカーから、身元は牧師のマイク・オルベラと判明。マイクは自分の家を「聖ユダの家」と名付け、ギャングに染まっていた若者たちに技能を身に着けさせ、更生させていた。マイクの家にいた若者フレディ・グラナダは自分も更生した一人だと言う。
チラシ配りのアルバイトをしているヨランダが「市民情報ライン」に牧師銃撃事件の目撃情報を通報。事件の後すぐに逃げたので犯人は見ていないというが、ヨランダが示した場所でマイクを撃った銃弾と聖ユダのペンダントが発見される。銃弾は、地元ギャング「クラネオス」の元ボス、ヘクター・サラザールの事件と一致する。ヘクターは10年前に逮捕され、最近出所したばかりだったが、ヘクターはもうギャングとは関わっていないと無関係を主張する。
ペンダントからは、「クラネオス」の幹部ラファエル・バルガスのDNAが検出されるが、バルガスは牧師とトラブルになって胸倉をつかんだだけだと主張。ホレイショはヨランダから新たな情報を得て埠頭へ向かい、クラネオスが爆薬を盗んだことを知る。
爆薬を盗んだ犯人の特徴がヘクターと一致したため、改めて取り調べたところ、ヘクターは「ヨランダに情報を流させたのは自分だ」と言い出す。ヘクターは刑務所に面会に来た牧師の力でギャングから抜けることを決意し、いったん戻ったふりをして警察にギャングたちを引き渡すつもりだという。ヘクターは、ホレイショが過去に拘置所内の事件を扱った経緯を知り、信頼できると思ったのだ。
ナタリアは聞き込み中に知り合った女性グロリアを訪ねるが、そこで銃声が響く。グロリアの息子のマテオがなぜか銃を持っていたのだ。その銃はマイクを撃ったものと確認されるが、指紋から、撃ったのはフレディとわかる。フレディは立ち直ろうとしたものの、結局まともな仕事に就くことができず、牧師殺害を条件にギャングに戻ろうとしたのだった。
その後、ヘクターからホレイショに連絡が入り、牧師の家に爆弾が仕掛けられたという。ホレイショとデルコは現場へ急行し、家の中にヨランダが拘束されていることを知る。爆弾が爆発して家は吹き飛ばされるが、ホレイショは間一髪、ヨランダの救出に成功する。ヨランダは報奨金目当てに情報を探ろうとして、クラネオスに襲われたのだ。
爆発前に撮影した映像から、爆弾を仕掛けたのはバルガスと判明。バルガスの家へ行ってみると、彼はヘクターとにらみ合っていた。バルガスが銃を離さないため、ホレイショはバルガスを射殺。しかしその直前にバルガスが発砲し、ヘクターは死亡する。クラネオスの面々は逮捕され、「聖ユダの家」はヨランダたちによって再建が進んでいる。
感想
硬派なテーマ、ホレイショの勇姿、弱者に寄り添うような優しさの表現といった要素で、シーズン4「危険な集団」などを思い出すエピソード。マイアミにはこういうエピソードがもっと必要だと思う。最近出番の少なかったナタリアが久しぶりに活躍した点も良かった。「私たちの仕事はこのためにある」――彼らが守っているのは、まさにこういう人たちなのだという強烈なメッセージ。その思いは牧師やヘクターも同じだったはず。2人は死んでも、彼らの思いは確実に受け継がれている。
……という、良い話ではあったのだが、爆発シーンはやはり入れないとダメなのかな。確かに、「良い話」すぎない程度に隙というかツッコミどころがあった方が良いのかもしれない。爆発まであと30秒しかないというのに、優雅に救出するホレイショ。爆風を受けてデルコはひっくり返っているのに、それより近くにいたはずのホレイショは何事もなく無事。デルコは驚いて腰を抜かしただけだったのか。
ヘクター・サラザールを演じたのは「ホミサイド」のファルゾン刑事ことジョン・セダ。ヘクターが死ぬ場面は感動的で良かったのだが、「この場面を作りたいっ」という気持ちが先行して、そのためにヘクターを強引に死なせたような印象を受けてしまったのが残念。
ヘクターが口にした「トビー・ホリンズの事件」とは、シーズン4「獄中48時間の真実」のこと。