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Law & Order: UK - Season 1, Episode 13
#13 Honour Bound
- 邦題:「面目にかけて」
- 脚本:Chris Chibnall
- 原案:Gardner Stern, René Balcer
- 監督:Andy Goddard
- 初回放映:2009-08-28
事件概要
Crown v. Jimmy Valentine
ブルックスとデヴリンは他の署の刑事2人と合同で麻薬密売の囮捜査を行う。その2人とは、昔からブルックスと親しかったジミー・バレンタインとパートナーのアンナ・モイニハン。
ブルックスとバレンタインが売人に近づくが、そこで争いになり、バレンタインが売人を射殺。バレンタインは「相手が銃を出したので奪おうとして争い、暴発した」と言う。
内部調査では「問題なし」と判断されたが、デヴリンは何か釈然としないものを感じていた。そこで調べてみると、現場に来ていた売人のシャヒド・ナフールは前の週に逮捕されていたが、起訴されずに釈放されていたとわかる。シャヒドの弟のオマールは「兄は警察に協力していたのがバレて殺された。黒幕はメイソンだ」と言う。
デヴリンは、バレンタインがメイソンと通じていたのではないかと疑い、ブルックスと対立。だがブルックス自身もバレンタインの態度に不審なものを感じ、パートナーのモイニハンに話を聞く。モイニハンは囮捜査の時に監視映像をわざと妨害したことを認め「お金を受け取っていたので何も言えなかった」と言う。バレンタインはナフール殺害容疑で逮捕される。
警察上部は、ずっと追い続けてきた犯罪者、メイソンを逮捕するためにバレンタインと取引するよう検察に要求。スティールは「罪状を故殺に落とす」という条件で取引を切り出すが、弁護側は一笑に付し「全面免責と証人保護」を要求したため、取引は決裂。
フィリップスはバレンタインの私生活を調べ、愛人を発見。メイソンと面会していた監視カメラの映像も入手するが、バレンタインはなおも取引を断り、事件は公判に持ち込まれる。フィリップスは、スティールが取引に消極的だったと言って非難する。
公判でバレンタインは自ら証言。メイソンからナフール殺しを依頼されたと認め、「最初は断ったが、メイソンに家族を殺すと脅された」と主張する。
メイソンは6年前に麻薬事件で逮捕されていたが、証拠品の麻薬が紛失したため起訴されていなかった。バレンタインはその時、「ブルックス刑事が麻薬を盗み、自分と山分けした。今回の囮捜査にブルックスの協力を頼んだのも、彼ならうまく協力してくれるからだ」と、ブルックスが共犯だったと証言する。
ブルックスはまったく身に覚えのないことだと否定するが、ではその時どこにいたのかと問われると答えられない。実はその当時、ブルックスは既婚の女性刑事と不倫していたのだ。当時の不倫相手、リズ・ウェイクマンは「自分と一緒にいた」と証言するが、弁護側の容赦ない反対尋問で信頼性を崩される。実際に麻薬を盗んだのはバレンタインの部下だったスペクター刑事と思われたが、スペクターはすでに故人。
ブルックスはバレンタインと会い、「自分は無関係で、麻薬はバレンタインがスペクターに命じて盗ませた」という言質をとる。バレンタインはブルックスがワイヤーマイクを着けていることに気づいてマイクを捨て、安心して自分の犯行を口にするが、実は小型のワイヤレスマイクが別の場所に隠されていた。
感想
(今回は本家エピのネタバレが強めなので、未見の方はご注意ください。)
シーズンフィナーレ(英国ではシリーズ2のフィナーレだが、当初の予定ではシリーズ1がここまで続くはずだった)に来たエピソードは何かというと、ブリスコー……じゃなかったブルックス刑事個人に大きく関わるエピソード。展開は本家の元エピである「腐敗」で、ブリスコーの過去の私生活に大きく踏み込んだエピソードだった。
前半では4話でスティール、7話でフィリップスの個人エピソードがあり、11話では本家になかったキャッスルの話を創作して新しく加えている。シーズン2ではデヴリン刑事の個人エピソードも登場予定。本家のエピは、半レギュラーだったオリベットを除くと、いずれも登場から3シーズン以上経過した時点の物で、しかも1シーズンは22話。比べると、UKでの個人ストーリーはものすごく早い段階で登場していると言える。うーん、UKは「事件よりも人物重視」という印象は当たっているのかもしれない。でも考えてみると、大抵のドラマは人物が中心だよね。
さて、その重要な「人物」のひとりであるブルックス。本家と同じ展開なので、過去にアルコールの問題を抱えており、既婚の同僚と不倫していたという境遇もブリスコーと同じ。ブルックスさんも離婚歴あったんだっけ……ブリスコーに関しては辛いエピが他にもあるので、それはリメイクしないであげて! と今から思っている。
ブルックスもブリスコーも、品行方正な優等生刑事とはお世辞にも言えないが、それでも踏み越えてはいけない一線はしっかりと守っている。しかしバレンタインの行動は決して他人事ではなく、それだけに複雑な葛藤があったと思う。
そのバレンタイン刑事を演じているのがロバート・グレニスター(弟のフィリップ・グレニスターは「ライフ・オン・マーズ」などでお馴染み)。俳優として出演するのは初めてだが、実はオープニングナレーション “In criminal justice system…” 担当で、声は毎回聞いていることになる。そういう人を悪徳刑事にキャスティングして良いものなのだろうか。
ラストは本家がアレだったので警戒していたが、バレンタインさん無事逮捕でほっとした。
— Yoko (yoko221b) 2015-09-18