「マックス・ヘッドルーム」について
「マックス・ヘッドルーム」とは、俳優マット・フルーワーの映像を加工したCGキャラクターであり、同名の映画およびTVシリーズの重要な登場人物(主人公の分身)である。
マックスのキャラクターは1984年にイギリスのチャンネル4でで誕生した――ただし映画(ドラマ)の主役ではなく音楽番組の「バーチャル司会者」として。当初は、音楽ビデオの合間に司会者マックスの誕生秘話が5分程度のビデオに編集されて流されるという予定だった。
しかし「司会者マックス」は結局、ブラウン管に現れることはなかった。理由は不明だが企画が変更され、マックスは独立した映画作品でスクリーンデビューを果たす。これが1984年にイギリスで制作された「マックス・ヘッドルーム」である(これについては、「イギリス版パイロット」の項目に記載)。
マックスはその後コーラのCMやトークショーのキャラクターなどに採用され、1987年にはアメリカのロリマー社が権利を買い取り、一連のTVシリーズ(14話)が作成された。日本ではキヤノンのCMキャラクターも務めている。
テレビシリーズの背景
20分後の未来――そこではTVネットワークが世界中を支配し、政治も経済もすべて、TVを介して運営されていた。テレビの電源を「オフ」にすることはできない(オフ・スイッチの設置は重罪である)。
都市部には、あらゆる場所にコンピュータとTVのネットワークがはりめぐらされている。そして都市の外には「外辺(フリンジ)」と呼ばれるスラム地帯が広がっていた。外辺では人身売買や非合法活動が公然と行われている。管理体制に反対し、コンピュータから自らの記録を削除した「ブランクス」と呼ばれる反体制分子もそこで活動している。
そのような社会で大手TV局「ネットワーク23」の人気レポーター、エディスン・カーターはハンディカメラを肩に日夜突撃取材に励んでいた――。