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#3 Playa Vista


事件概要

クリスティン・ホルステッド

女子プロゴルファーのクリスティン・ホルステッドが自宅の中庭で撲殺される。犯人はクリスティンの帰宅を待ち伏せて殺害したものと思われた。頭部には変わった形の傷跡が残されていた。

事件前、クリスティンは同じくプロゴルファーのチップ・ジャローと何度もメールのやり取りをしていたため不倫が疑われるが、チップは「アドバイスをしていただけ」と関係を否定し、クリスティンはレズビアンだったと言う。

クリスティンの交友関係を調べてみると、カーリー・モリスという女性と親しかったことがわかる。カーリーは自称デザイン学生だったが、どの学校にも学生はなく、勤務先はストリップまがいのクラブラウンジ。そこで同僚とともにチップ・ジャローとも関係を持っていたことがわかる。クリスティンがチップに送ったメールは削除されていたが、令状を取ってプロバイダに復元させたところ、クリスティンがチップを脅迫していたらしいとわかる。

改めてチップの自宅を訪ねると、チップは妻のモニカと壮絶な夫婦喧嘩中。だが刑事たちの姿を見ると2人は取り繕い、「夫婦関係に問題はない。事件当日はずっと自宅にいた」とアリバイを主張する。

チップのキャディーを務めるダグも、チップの女癖の悪さは確かだが、それはモニカも知っていることだという。彼らは結婚後契約を結び、チップは浮気が判明するたびにモニカに100万ドル支払うことになっていたのだ。つまりクリスティンが脅迫していたとしても、モニカに告げるということではありえない。

だが、チップはゴルフの試合以外にCM出演などで大金を稼いでいる。クリスティンが三角関係でチップを恨み、CMのスポンサーに告げ口しようとした可能性が考えられた。アリバイも強固でないため、刑事たちは捜索令状を取って再びチップの自宅へ向かうが、チップ本人は不在。性依存症でリハビリ施設に入ったという。

捜索の結果、ビニールに包まれたタオルバーが発見される。血痕が付着し、先端の装飾はクリスティンの頭部の傷口と一致しており、凶器と断定される。だが包んでいたビニールに血痕はなく、発見現場ではない物置の床から血痕が発見される。つまり、凶器はいったん物置に隠され、その後わざわざ発見しやすい場所に移されたことになる。チップが経済基盤を脅かされたとすれば、それはモニカにとっても動機になる。モニカがクリスティンを殺し、夫に罪を着せようとしたのではないかという可能性が生じる。

2人にはルークという16歳の息子がいるため、刑事たちはスタントン検事(デッカーのセカンドチェア)とともに母親のアリバイを確認しに高校へ向かう。だが、話の途中でルークが口を滑らせ、実はルークが殺して父親のせいにしようとしているらしいとわかる。刑事たちはルークを追及しようとするが、スタントンは尋問を打ち切り弁護士を呼ぶ。ルークは未成年であるため、両親や弁護士の同席なしに何を聞いてもそれは証拠にできないのだ。

改めて令状を取って捜索した結果、クリスティンの住所を載せたリストが車から発見される。だがそのリストはモニカが運営に関わるチャリティイベントのものであり、モニカがルークに手渡した可能性があった。

デッカーはルークを成人として起訴すると決定するが、ルークが大人の影響を受けて行動したことがわかれば罪が軽減される可能性があった。ルークは母親の関与を否定し、クリスティを「金目当ての娼婦」と罵倒する。デッカーはモニカがまったく同じ表現を使っていたことを思い出し、片親引き離し症候群の可能性を考える。

片親引き離し症候群(PAS: Parental Alienation Syndrome)とは、一方の親が子どもにもう片方の親の悪口を吹き込み、憎ませるように仕向ける状態をいう。ルークは母親の言動に影響されて父親に反感を持っているが、父親を直接攻撃することができず、父親が大事にしている人や物に怒りを向けている。以前は父親の車をボコボコにしたこともあった。今回はクリスティンを父親の愛人と思い込んで彼女を殺害した――ということになる。

判事はPASについての証言を認め、専門家が証言を行う。モニカはPASを否定し「ルークの前では否定的なことを口にしないよう気をつけていた」と主張する。だがデッカーは巧みに挑発し、モニカは息子の前で夫を「汚らわしい豚」と罵ってしまう。

一連の証言を聞いた判事は、モニカの言動は犯罪に関連があるとはいえないと判断し、PASに関する一連の証拠を排除すると決める。それでルークの罪を軽減する材料がなくなったことを知ったチップは「私が殺害を指示した」と言い、息子の罪をかぶろうとする。だがデッカーが「ルークはあなたの愛を知るでしょう」と言うと、モニカは「いまさら英雄面しないで」といきり立ち、「ルークを唆したのはこの私。ルークは私の愛を知る」と自信たっぷりに述べる。デッカーは取引に応じ、モニカは故殺罪、そしてルークは少年として再起訴されることになった。


感想

性依存症のゴルフプレイヤーって、元ネタはタイガー・ウッズか?(殺人は起きてないけど)

第2回に続けてデッカー&スタントン組が登場。ただし本国初放送の時は放送順序が違って、休止に入る直前のエピソードがこれだったようだ。今回はスタントンの人物紹介、みたいな感じかな? 生真面目で、何事にも規則に従い、融通がきかなさそう。ルークの尋問を打ち切ったのは「規則どおり」だったのだろうが、刑事たちにしてみればボロを出したのは相手の方。そのまましゃべらせておけば自白が手に入ったのに……と不満を隠さない。デッカーは、刑事たちの前ではスタントンを庇うが、その一方で「相手が話したがっていれば自由に話させろ」とクギを刺す。人前で恥をかかせないところは、けっこう良いボスではないかな。供述内容が使えなくなったらどうするの? という疑問もなくはないが、そうなったらなったで何か方法を考え出しそう。(供述がなければそもそも何もできない)

法廷ではデッカーがモニカを挑発してみせるが、「片親引き離し症候群」の証言は不採用。結局デッカーがモニカを誘導して罪を認めさせたような感じの結末になってしまった。結果としてはまぁ、悪くないけど「何かちょっと物足りない」印象がぬぐえず。これは、まだどちらの検事からも最終弁論を聞いていないからではないか。次あたり西郷どんが何かやってくれるだろうか。

今回タイトルのプラヤビスタは、新興の高級住宅地。被害者の自宅がここにあったんだっけ?

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Yoko (yoko221b) 2013-11-09