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bones:s01:007_a_man_on_death_row

BONES - Season 1

#7 A Man on Death Row

  • 邦題:「32時間の命」
  • 脚本:Noah Hawley
  • 監督:David Jones
  • 初回放映:2005-11-22

事件概要

エイプリル・ライト事件

ブースは死刑囚ハワード・エップスの弁護人エイミー・モートンの訪問を受ける。32時間後に処刑を控えたエップスの証拠をもう一度調べてほしいというのだ。エップスは7年前、17歳の少女エイプリルを殺害した罪でブースに逮捕されたのだった。ブースは「個人的に」とブレナンに資料の再鑑定を依頼する。

ブレナンらはX線写真を調べ、被害者の手に異物があることに気づく。また、発見現場は芝生なのに衣服には砂利が付着していた。事件現場を再度訪れたザックは、被害者のメモに残されていた謎の数字の意味を解読し、被害者に待ち合わせの相手がいたことを知る。不審点が多いとして、ブレナンはエイミーとともに被害者の遺体を掘り起こす許可を申請。エイプリルの両親から「どういうことか」と事情を聞かれたブースは、同席していた弁護士のロスこそが被害者の相手だったことに気づく。

ブレナンは掘り起こされた遺体の手を調べ、砂利を発見。被害者は別の場所で殺害され、砂利の上を引きずられたのだ。エップスの有罪には疑問が生じるが、判事が執行を停止するほど有力な証拠ではない。ブレナンはさらに頭蓋骨に残る証拠を調べ、ブースはロスを取り調べる。ロスは殺害を否定し続ける。

ブレナンらは頭蓋骨から検出した物質から場所を絞り込み、地中探知レーダーを使って該当する地域を大々的に捜索。やがて凶器らしきタイヤレバーが発見されるが、その付近には別の何かが埋まっていた。掘り出してみると、それは若い女性の白骨――しかも2名。エイプリルと同じように頭部を殴打されて殺害されたと思われた。犯行の様態から判断して、加害者はロスではない。エップスの犯行だ。他にも余罪があるとなればそれを調べるために処刑は中断されることになる。裁判はこれから何年もかかり、その間に死刑が廃止される可能性もある。それこそが彼の目的だった。


感想

死刑執行の直前に捜査に疑問が生じ――というネタは、けっこうよく見かけるパターン。……って、前回のDJ事件についても書いたような気が。同じネタを各シリーズがそれぞれ違う方法で料理するのを見ていると、何だかchallengeみたいだ。やはり真犯人と確認できたり、疑問が出たまま結論は見せなかったり、とそれぞれに違った結末を迎えさせているところが面白い。

結末の<グロテスク>さでいうと、このエピがダントツかもしれない。腐乱死体も焼け焦げた身体もそれほど「グロ」と感じさせなかったこのシリーズ、真犯人エップスのこのやり方が最もグロテスクであると感じた。シロと出れば勝ち、出なくても余罪を明らかにすれば、少なくとも数年間は「負けない」。

ここで、ブースとブレナンは事件の真相を明らかにしようと強引に無理を通すが、彼らは死刑廃止論者ではない。「誤判の可能性」は確かに死刑廃止論の主たる根拠であるが、死刑存置論の側にも、むしろ死刑を肯定するからこそ誤判は絶対に許されない、とする考えはあって当然だろうと思う。

このエピのタイトル “A Man on Death Row”(死刑囚監房の男)は言うまでもなくエップスのこと。今までのタイトルは1話の“Pilot”以外は「壁の中の男」「茂みの中の少年」などすべて被害者を指すものであり、彼らが誰で、その身に何が起きたかを解き明かしていくのがブレナンの役割だった。それに対して、今回初めてタイトルが加害者になった。確かに、エイプリルの遺体を掘り起こして再鑑定する場面はあったものの、彼女の身元にも死因にもそれほど謎は残っていなかったものなぁ。

Yoko (yoko221b) 2008-09-15

bones/s01/007_a_man_on_death_row.txt · Last modified: 2019-09-11 by Yoko