CSI - Season 3, Episode 8
#54 Snuff
- 邦題：「復讐する血痕」
- 脚本：Ann Donahue, Bob Harris
- 監督：Kenneth Fink
- 初回放映：2002-11-21
I guess she killed you back.
事件概要
殺人映画事件
キャサリン、ウォリック、サラ、スリク刑事担当。フィルム加工者が「これは本物の殺人ではないか」と16mmフィルムを持ち込んで来た。そこにはセックスの後、男が女の喉を切って殺害する様子が撮影されていた。加工者はフェイクの殺人映画をいくつも扱っているが、血の飛び散る様子から、これは本物と判断。送り主は私書箱を使い、現金払いなので、どこの誰かはわからない。
アーチーがデジタル化した画像を検証した結果、撮影に使われたホテルの位置と、男の首の後に特徴的なほくろがあることが判明。そのホテルは、倒産して建物は財産管理を受けてる物件だった。ホテルの警備員にはビデオと同じほくろがあったが、彼はビデオに出演しただけだと言う。さらに画像を分析してみると、ほくろが見えた時の後姿と、殺害後の後姿では、身長が違っていた。
キャサリンとサラは、フィルムのゴミの山からカットされたフィルムを探し出し、ホテルのロビーにあったランプが映っていることに気づく。そのランプには、熱い電球をはずした時に、指をなめたせいでカメラマンの唾液が付着していた。キャサリンはデータベースからそのDNAの主が、性犯罪歴のあるダグラス・サンプソンであることを発見。サンプソンは犯行を否定するが、彼の車には特徴的な色の泥が付いていた。その泥のある場所で、女優スーザン・ホーダップの遺体が発見される。彼女はHIV検査で2回陽性になったため、正規のポルノ映画に出演できなくなり、このような映画に出ざるを得なくなってしまったのだ。
サンプソンの血液を調べると、スーザンと同じHIVに感染していることが判明。動脈を切って血を浴びたときに、感染した血液が結膜から体内に入り感染したのだった。
蟻の巣になった白骨死体
グリッソム、ニック、ブラス警部担当。キャサリンとともにフィルムを調べていたグリッソムだが、現場に蟻の群れと聞き即行で現場へ。箱の中で、白骨化した遺体とフシアリの集団が発見されたのだ。遺体には鎖骨の折れた跡と、何か細いもので刺したような傷が2箇所あった。傷の間隔は18インチ（45センチ）。
グリッソムは、蛹の抜け殻と蟻の巣の様子から、遺体が捨てられてから約19ヶ月と推定。また、鼻腔にフンコロガシがいたことから、大型の動物がいるところ（動物園や牧場）で死んだものと思われた。ニックは、遺体が入っていた箱に、尖った形の金属片を見つける。端が歪んでいるところから元の形は円形、ノコギリの歯にしては鈍いところから、おそらく拍車だろうと推定。
テリーは白骨の顔面を復元。復元された顔には、ダウン症の特徴が見られた。ブラス警部が復元写真を元に問い合わせた結果、17ヶ月間行方不明のランディ・トラシェル（25歳）であると思われた。行方不明になる前は、ラスベガス牧場に雇われていた。同僚のエンリケが着けていた拍車は一部が欠けており、その部分と、箱で見つかった拍車の欠片が一致した。それはカウボーイたちが捨てた物とのこと。ロデオ協会では、尖った輪のついた拍車を70年代に禁止していた。牧場主に拍車を見せると、それはビリー・ラティスンのものだという。
グリッソムとニックは牧場を訪ねるが、19ヶ月前にラティスンはロデオ大会の練習のためカンザス州にいた。ランディの失踪届けは17ヶ月前。そこで、グリッソムは拍車の錆から精密な時間を割り出すことにする。破片を100マイクロンの層に分割し、錆の層と天候・湿度を照らし合わせ、死後17ヶ月という数値を導き出す。さらに、ラティスンの道具箱から間隔が18インチの尖った角を発見。ラティスンは、ランディのダウン症特有の表情を笑っていると誤解し、怒って彼を殺したのだった。
感想
フィルムを調べていたのに、蟻の群れと聞いてコロッと態度を変える主任。やはりポルノ映画より虫が好きなのね。でも、蟻まみれの白骨ってかなり……白骨だけだとあまり現実感もないんだけど、蟻の大群がいて、うじゃうじゃうじゃうじゃ動いているところが、何とも。
虫の発生具合から犯行時期を割り出す、というのはシーズン1「死者の悲鳴」にもあったけれど、相手は虫なのでそうそうきっちり時間どおりに動いてくれるわけでもない。あくまでも目安にすぎない……んだけどね、でも拍車のサビを調べるまでもなく、失踪届けが「17ヶ月前」であることで十分ではなかったのかなぁ。19ヶ月前にランディはちゃんと生きてたわけでしょ？
【追記】死亡して間もない遺体であれば、虫の様子からかなり正確に死亡時期を絞り込めるらしい（日付から、場合によっては時刻まで）。ただし死亡から時間が経てば経つほど特定は困難になる（発見までの気候や遺体の状態などさまざまな要素に左右される）。この場合、拍車のサビで時期を特定する必要があったのは、牧場の仲間が共謀して嘘をつき、加害者のアリバイを保証した場合に備えてのことであろうと思う。