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csi:s05:113_committed

CSI - Season 5, Episode 21

#113 Committed

  • 邦題:「禁断の味」
  • 脚本:Sarah Goldfinger, Richard J. Lewis
  • 監督:Richard J. Lewis
  • 初回放映:2005-04-28

- Adam's work is very provocative.
- Yeah. It speaks to me.

事件概要

ロビー・ガーソン殺害事件

グレイヴヤードシフト/ブラス警部担当。州立の精神病院で、患者のロビー・ガーソンが殺害された。頭を床に打ちつけられ、部屋は血の海だった。その病院の患者は性犯罪などで2回以上有罪になった者ばかりだった。個室に鍵をかけると自傷行為にはしる患者がいるため、部屋は施錠せず誰でも出入りすることができた。

被害者のベッドには精液の跡があったが、ロビーは薬物で去勢された状態になっており、射精はしないはずだった。つまりそれは他人のものということになり、職員を含め男性全員からDNAを採取。

ロビーは異食症で、胃の中には食べ物とは程遠い絆創膏や木片、髪の毛などが入っていた。死因は殴られた傷ではなく窒息。頭の傷は、死後2時間以上経過したものだった。手首と足首には拘束した形跡があったが、それはグループセラピーの途中でロビーが逆上して拘束室に入れられたためだった。ビデオの記録によると、ロビーが午後5時過ぎに拘束室に入り、7時過ぎに退出。看護師のジョアン・マッケイが最後に確認したのは午後9時半だった。そして遺体発見が真夜中、12時10分。セッションで逆上して暴れたのは、禁じられている私物(少年の写真)を持ち込んで没収されたことが原因だった。

枕の唾液はすべてロビーのものだが、両端には強くつかんで爪を立てたような破れ目があった。顔に枕を押し付けて殺害したのだ。

シーツの精液は、患者アダム・トレントの物だった。アダムの部屋の通風孔の中には、何通もの手紙が隠されていた。消印はすべて1年以上前。手紙は母親からの物だが、内容はまるで恋文のようだった。アダムの母は夫を亡くし、その身代わりを年若い息子に求めた。アダムは他者と親密な関係を築くことができなくなり、女性をレイプするようになった。だがそれは、ロビーのベッドにアダムの精液があったことと矛盾する。母親から手紙が届くたびにアダムはうつ状態になり自殺しようとしたりするので、医師は手紙を送り返すようになった。とうとう彼女は手紙を送らなくなった。

アダムは、ロビーが自分に迫って同性愛関係を持ったため、床に頭を打ちつけて殺したと言う。だが窒息のことは何も言わなかった。また、爪を噛むクセがあるため枕カバーを裂くこともないと思われた。

グリッソムとサラは看護師のオフィスを捜索。引き出しの鍵を取りにグリッソムがその場を離れた数分の間に、アダムが忍び込み、サラを羽交い絞めにして焼き物の破片を首に突きつける。マッケイが駆けつけた時、サラは一瞬の隙をついて逃げ出し、アダムはマッケイの目の前で自らの首を傷つける。サラは、自分の母が父を殺した後、精神鑑定のため同じような施設に収容されたことを話す。

アダムが持っていた焼き物の破片は、彼が自分でろくろを回して制作していた壷の一部だった。制作の途中でマッケイが来て口論になったため、焼かないままになっていた。その壷には細かい溝が掘られており、レコードの原理で制作時の会話が録音されていた。音を抽出して増幅してみると、「ロビー」とともに「私の天使」という言葉が再生された。グリッソムは、アダムの母親からの手紙に同じ言葉が書かれていたことを思い出す。

ジョアン・マッケイはアダムの母親で、証明書を旧姓のままにしていた。手紙が送り返されるようになったので、看護師として病院に職を得たのだ。だが愛するアダムはロビーと関係を持ち、マッケイは手を切るよう言ったが、アダムは従わなかった。そのためマッケイは、ロビーがアダムの写真をセッションに持ち込むよう仕向け、写真を没収した。計算どおりにロビーは暴れて拘束され、マッケイはその後ロビーを枕で殺害したのだった。相手の弱さにつけこみ利用する、それはアダムに対して彼女が20年以上続けてきたことだった。殺人に関して彼女の犯行を証明することはできないが、近親相姦は10年以下の収監刑を科せられる重罪だった。


感想

ベガスには珍しい雷雨の夜、何重にも施錠された、ものものしい警戒の病棟――という、ホラーっぽい雰囲気で始まったエピソード。全体の暗いトーン、異常な空気にのまれそうになる捜査官。こういう話自体は決して嫌いではない。むしろCSI:NYの初期はそういう暗さが好きだったくらいだ。全体として、とても雰囲気のある印象深い話だったと思う。時折挿入される外の映像が、雷雨の夜から始まり、途中で雨が止んで空が少し明るくなったりしていることも象徴的に感じられた。

だが、雰囲気重視のあまり……かどうかわからないが、ストーリー構成の基本部分が甘かったかな、という感想は否めないところだ。

暴力的な傾向のある犯罪者ばかりを収容している病院なのに、個室に施錠しないという所がまず信じられない。施錠すれば自傷行動にはしるからという理由は言われていたが、だからといって開けっ放しにするかなぁ。その方がよっぽど危険ということはないんだろうか? それに、監視カメラはどうなっていたのだろう? 途中、「ビデオの記録」から被害者の行動をチェックする場面があったけど、加害者とアダムが部屋に入ったことが確認されていないのはなぜ? 鍵をかけないなら、なおさらカメラでがっちり監視しておかなければダメだろう。

冒頭で看護師が建物に入る場面では、何重にも鍵をかけたものものしい警備が映されているのだが、外側の警備が厳しく、いったん中に入ればゆるゆるという状況は、内部の人間にはかえって危険ではないのだろうか。そういうセキュリティの甘い場所でレイプ常習犯がウロウロしているというのに、若い女性の捜査員(しかも警官ではない)を一人きりにするというのはどうなんだろう。病院の警備員も制服警官も一人もいないなんて、これまた信じられない。

そもそもサラとグリッソムが患者のDNAまで採取したのはなぜ? 性犯罪で有罪になった患者ばかりなら、DNAはすでに採取されているはずでは…?

壷に刻まれた溝に音が録音されている、というアイデアはすごいと思う。でも音を再生してわかったことが、アダムの母親のこととロビーとの三角関係って……そんなの苦労して音を再生しなくても、吸殻のDNAとか他の証拠でわかることばかりではないだろうか。もっと「これを聞いて初めてわかった」というものがほしかったなぁ。せっかくの大技なのだから。

最後に、マッケイの犯行(殺人)を証明できないと言っていたが、枕カバーに上皮細胞は残っていなかったのだろうか。爪を立ててカバーが裂けたくらいだから、当然素手だったと思うのだが。これの少し前に見たマイアミのエピソードにも同じような手口があったので、気になってしまった。

そんなこんなで、細部にはツッコミどころの多いストーリーではあったけど、サラが襲われるシーンなどの緊迫した雰囲気は良かった。全体を覆う空気の描き方が味わい深く、「物語として」の完成度は高かったように思う(だから余計に、細かい 欠点が目につくのかもしれない)。

アダム役のジェームズ・バッジ・デールもすごい存在感があった。というか、この人「24」のチェイスじゃないですか! 最初に見た時は全然気がつかなかった。アレがアレしたトラウマでこんなことになってしまったのねチェイス!(違)

並べてみると、確かに同じ顔なんだけど、でも別人なのよ。すごい。


単語帳

  • lorazepam:ロラゼパム(精神安定剤)
  • olanzapine:オランザピン(抗精神病薬)。
  • pica:異食症
  • schizo-affective disorder:分裂情動障害(精神分裂症と情緒障害が同時に発生する)
  • You've come a long way, Baby:バージニア・スリムの広告コピー。40~50年代には女性が公然と喫煙することが禁じられており、堂々と煙草をすえるようになった喜びを表したものだが、昨今の嫌煙傾向でなくなってしまったらしい(TV.comより)。
  • Little Lord Fauntleroy:『小公子』の主人公
  • N'est-ce pas? :そうじゃないか?

Yoko (yoko221b) 2006-09-17

csi/s05/113_committed.txt · Last modified: 2020-03-22 by Yoko