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csi:s10:225_worlds_end

CSI - Season 10, Episode 19

#225 World's End

  • 邦題:「憎悪の連鎖」
  • 脚本:Evan Dunsky
  • 監督:Alec Smight
  • 初回放映:2010-04-22

事件概要

ショーン・ベッカー

大雨の夜、高校のそばの排水溝で少年の遺体が発見される。遺体はその高校の生徒ショーン・ベッカーで、キャサリンの娘リンゼイもその高校に通っていた。リンゼイによると、ショーンはゲイや黒人を差別する暴力的な少年で、皆に嫌われていたらしい。ニックとグレッグは水路の中でショーンたちのたまり場を発見。そこにはヒトラーやスターリンの写真や、ネオナチに関する資料が並べられていた。しかしショーンの持ち物からは、若い黒人女性2人の写真が発見される。

ショーンがネオナチに傾倒したのは家庭環境が原因と思われた。父親は妻子を虐待した挙句、ゲイをカミングアウトして男と去り、母親は精神を病み入院。ショーンは祖母と2人で暮らしていたが、祖母にはアルツハイマーの症状が見られた。

死因は溺死ではなく肺を刺されたこと。傷口の形状が十字型だったため、凶器はプラスドライバーと思われた。ドライバーは、遺体を遺棄したと思しきマンホールの下から発見される。遺体にはそれ以外にも骨折や打撲の跡が多数見られ、殺害される数日前にも誰かとケンカをしていた。

高校の校長アンダーソンの話から、高校で用務員をしているルワンダ出身のローラン・セニヤブが暴行を受けたらしいとわかる。ブラス警部が話を聞こうとすると、ローランはショーンの関与を否定し「彼は庇ってくれたのです」と言う。実は、ショーンはひそかにローランを訪ね、ルワンダでの虐殺の話を聞き、親交を深めていたのだという。ショーンが持っていた写真を見せると、ローランは「私の妹たちです」と言う。

ショーンの怪我は、ネオナチ仲間とのけんかによる物だった。ショーンと交際していたモリーが、ショーンとローランが親しくしているところを見てショックを受け、彼を試そうとしてわざとローランに暴力を振るった。ショーンはローランを庇って仲間と争ったのだ。

サラは、リンゼイが母親の捜査資料を見ていることに気づいて声をかける。ショーンはリンゼイの母親がCSIであることを知って「指紋のデータベースにアクセスできないか」と聞いてきたという。そこでショーンの部屋を調べ直してみると、彼は誰かの指紋を保存していた。

その指紋を調べてみると、国際指名手配犯、マシュー・ババジデと一致する。だが顔写真を見るとローラン。彼はルワンダ虐殺の生き残りなどではなく、実は虐殺を指揮したかどで追われていたのだ。ショーンはおそらく偶然にババジデの写真を見てローランの素性に疑いを抱いたものと思われた。そして、正体を知られたと知ったローランが口封じに彼を殺したのだった。ドライバーを握って誰かを刺すと自分の手にも傷がついてしまう。ラングストンは、ローランの手に同じ傷があることを指摘する。ローラン=ババジデは「自分はずっと過去を償おうとしてきた。神に許されないとしても、もしショーン1人だけでも救えたら、少しは楽になれるかと思った。傷つけるつもりはなかった」と言う。


感想

軽いコメディタッチのエピソードが来ると、その後はかなりの高確率で鬱エピが来る。

被害者は差別主義者のネオナチだと思われ、嫌われていたが(実際に一時期はそうだったようだが)、そう単純な話ではなかった。父親のことがあって一時は本気でゲイを恨んだのだろうが、実は内心の怒りや世の中の理不尽さに苦しむ聡明な少年だったようだ。そしてルワンダ虐殺を生き延びてアメリカに逃げてきたと思われていた男が、実は虐殺者として追われる側だったという逆転の真相。加害者が被害者を装っていたというのは、ホロコーストを扱ったNYのエピにもあった。

校長が「24」のグラハムだったので、何か関わっているだろうと思ったら、そうでもなかった。ポール・マクレーンの使い方としてはちょっともったいないような気もする。ローラン役は “The Wire” のオマーで、けっこう豪華ゲストの回だった。

ラストはリンゼイの舞台。「キャバレー」は1966年にブロードウェイで初演されたミュージカルで、1972年にはライザ・ミネリ主演で映画化、90年代にリバイバル上演。日本でも80年代以降何度も上演されている(今年もあるみたい)。リンゼイの歌はお世辞にも上手いとは言えなかったが、まぁ高校生らしいと言えなくもない(苦しい)。

Yoko (yoko221b) 2012-05-13

csi/s10/225_worlds_end.txt · Last modified: 2024-02-19 by 127.0.0.1