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csi:s12:267_csi_unplugged

CSI - Season 12, Episode 16

#267 CSI Unplugged

  • 邦題:「ラスベガス大停電」
  • 脚本:Gavin Harris
  • 監督:Jeffrey Hunt
  • 初回放映:2012-02-29

事件概要

ハーパー・リアダン、シェルビー・バレス、トレヴァー・レイモンド

資産家のT.C.リアダンの家から、5歳の息子ハーパーと子守のシェルビー・バレスが姿を消し、誘拐事件として捜査が開始される。子どもの寝室には少量の飛沫血痕があり、白い粉末と不審な金属片が発見される。D.B.とフィンが現場を調べ、血染めの指紋の画像を送信し、金属片はホッジスに預ける。だがその夜、ラスベガスは激しい雷雨に見舞われ、落雷の影響で大規模な停電が発生する。

非常用電源は冷凍庫や銃器庫の施錠に優先的に使用されるため、コンピュータを使ったDNAや指紋分析などは不可能。モーガンはグレッグとともにABO方式で現場の血液を調べ、さらに現場にあった粉末を分析。拉致する際に薬物を使ったのだろうと見当をつけ、署に展示されていたアンティーク顕微鏡で調べた結果、鎮静剤のケタミンであるとわかる。

証拠の金属片を運んでいたホッジスは、ヘンリーとともにエレベーターに閉じ込められてしまう。非常用脱出口も開かず、最後の手段として「ここにあるキットで分析しよう」と決断。

ニックとサラが現場に到着し、家の外を調べてシェルビーの遺体を発見する。遺体はナイフを刺されて絨毯にくるまれており、「子どもは預かった」というメッセージが添えられていた。

T.C.は以前サンフランシスコに住んでおり、妻のナタリーは自宅のプールで溺死している。SFの警察はT.C.を疑っていたが、結局証拠がなく起訴は見送られていた。さらに、ハーパーを生んだのはナタリーではなくシェルビーであるとわかる。

T.C.は誘拐に気づいた時「寝ていた」というが、服装はタキシード。最初は「出かける予定だったが気が変わった」と言っていたが、実は自宅で降霊会を開き、ナタリーの霊を呼んでいたという。出席していたのはT.C.とシェルビーの他、ナタリーの母パトリシアと霊媒師のカレン。どうやら会の最中にT.C.とカレンの間で一悶着あったようだ。

T.C.のもとへ犯人から連絡が入り、金庫の宝石を持ってホテルの駐車場へ来るよう指示される。T.C.は宝石を持って駐車場へ行き、犯人と接触してバンに乗り込む。警察がバンを監視して犯人を逮捕しようとするが、その時すでに犯人は逃亡し、T.C.が車を運転させられていた。犯人はその直後、別の車で射殺され、そばには宝石が残されていた。

射殺された男性の氏名はトレヴァー・レイモンドで、誘拐現場で発見された指紋は彼のものとわかる。しかしレイモンドがT.C.に「ハーパーの居場所」として伝えた場所はただの空き地だった。

レイモンドを射殺した犯人は宝石を箱ごと残していったが、事前に撮影した写真と比べた結果、ナタリーの結婚指輪だけがなくなっているとわかる。

血液型を調べた結果、シェルビーはAB型、ハーパーとT.C.はO型と判明。両親がABとOであれば、子どもの血液型はAかBのどちらかになるはず。その点を指摘されたT.C.は、シェルビーは代理母であり実母はナタリーだったと認める。ナタリーは死亡した日、T.C.と大喧嘩をして指輪をプールに投げ捨てていた。だがその後、仲直りをしてナタリーは指輪を取りに行ったが、まだ酔っており、その結果プールで溺死してしまったのだ。

レイモンドの部屋を捜索したところ、「ナタリー・リアダン」名義で大金を送金されていたことがわかる。その時電気が復旧し、ホッジスとヘンリーにより「金属片はマグホイールに使用するマグネシウム合金」であると伝えられる。マグホイールは特殊な素材であり、ベガスで扱っている場所は1ヶ所だけ。そのすぐ向かい側にカレンの自宅があった。カレンはレイモンドと組んでショーに出演していたマジシャンだったのだ。

カレンは霊媒師としてナタリーの霊を呼ぶため、ナタリーの私物を預かり、また徹底したリサーチを行っていた。その過程で自分をナタリーと思い込んでしまったものと思われる。ハーパーはその家の隠し部屋から発見され、カレン本人はナタリーと同じように、リアダン家のプールで溺死していた。


感想

久しぶりに見たような気がする「マクガイバリズム」なエピソード。ABO式血液型判定にアンティーク顕微鏡……思えば、DNA鑑定が導入される前は、血液鑑定はABOとMN型の組み合わせだったのだよね、確か。

その血液型鑑定で、生母であるはずのシェルビーとハーパーの型が合わない! となるわけだが、厳密に言うとAB型とO型の親からO型の子が生まれるケースもなくはない。ごく稀なケースではあるけど、AB型のAとBの遺伝子が同じ染色体に乗って、減数分裂で「AB」と「O」に別れてしまうことがあるためだ。

今回、犯人につながるカギとなる証拠はホッジスが持ち帰った金属片。それがカレンにつながり、指輪を取りに来た仲間のレイモンドとの関係もあっさり判明。ホッジスとヘンリーのラボコンビは、エレベーターに閉じ込められながらも果敢に分析を成功させた。そういえば今シーズン、ヘンリーがまだあまり活躍していないような気がしてきた。毎年あるような、ラボクルー中心のエピソードはあるのだろうか。

それにしても非常用電源があるわけだから、冷凍庫などを優先させるにしても、エレベーターくらいは最寄りの階に停止させてあげようよ、とは思ったけど……。

デイヴィッドがルミノールと何かの薬品で作った即席のランプは幻想的でキレイだった。

さて、一連の事件は結局、ナタリーに一体化してしまったカレンの妄想が生んだ誘拐劇だった、ということなのだろうか。カレンがハーパーを誘拐したのは、シェルビーとの間に息子をもうけた(本当は代理母だったけど)T.C.を恨んだこととともに、ナタリーの指輪を手に入れることが目的だったのだろう。ハーパーが実はナタリーの子であることを知らなかったので、指輪を手に入れたらもうハーパーはどうでも良くなってしまった――ということなのかな、と思った。


使用楽曲

  • Cocoon (Nocturnal Sunshine Remix) by Alpines (モーガンとグレッグがABO式の血液型を調べる場面)

Yoko (yoko221b) 2015-02-22

csi/s12/267_csi_unplugged.txt · Last modified: 2024-02-20 by 127.0.0.1