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csi:s13:289_last_woman_standing

CSI - Season 13, Episode 16

#289 Last Woman Standing

  • 邦題:「ポーカーフェイス」
  • 脚本:Gavin Harris
  • 監督:Brad Tanenbaum
  • 初回放映:2013-02-27

事件概要

ピーター・コウ、トレント・アルドリッジ他

ポーカーの世界大会「パレルモ・ポーカー・クラシック」の準決勝の夜。勝負に敗れたプレイヤーのピーター・コウがマンションのエレベーターで殺害される。頸動脈を切断されたことによる失血死だが、エレベーター内に他の人物がいた痕跡はない。マンションの入り口までは、同じ大会に出場していたエヴァ・レンデルと一緒だったことがわかるが、レンデルは「借金取りに追われていて心配だったので送って行っただけ」だという。コウは数々のポーカー大会で優勝していたが、「ポーカーフェイス」を保つための顔面手術に金をかけ、また女性関係も派手で金銭的には困窮していたらしい。

コウの傷口を分析した結果、凶器はプラスチック製と判明。ホッジスは根気強く実験を繰り返し、ようやく「凶器はトランプ」と結論付ける。犯人はエレベーターの外から勢いよくトランプを飛ばしてコウの首を切り裂いたのだ。その仮説に基づいてエレベーターのシャフトを調べたヘンリーは、血に染まったスペードエースのカードを発見する。

トランプを投げて首を切るというショーを得意とするマジシャン、ジミー・ネファーロに話を聞くが、彼は「ピーターはポーカー仲間であり、自分は出資もしていた。殺す理由がない」と主張し、それを覆す証拠もなかった。

一方、ホテルの一室ではトレント・アルドリッジがベッドに手足を縛りつけられた状態で死亡しているところを発見される。口の中には鶏の生肉が入れられていた。室内に女性がいたこともわかり、SMプレイの最中に本当に窒息してしまった可能性が考えられた。

アルドリッジは鶏の心臓を合計7個、無理に食べさせられていた。7個のハート(心臓)はトランプの「ハートの7」に通じる。また、コウ事件で使われたトランプに鶏の血が付着していたことからも、連続殺人の可能性が高まる。アルドリッジ自身もポーカープレイヤーだった。

連続殺人ならば他にも被害者がいるかも――ということで過去の事案を調べなおした結果、エド・フィチェリの事件が浮上。フィチェリはかつてパレルモのポーカーテーブルを管理していたピットボスであり、死因は薬物の過剰摂取。だが、体内からは毒性のあるクローバーの成分が検出され、注射痕を拡大してみたところ、トランプの「4」の形になっていることがわかる。つまり、毒と合わせて「クラブの4」が作られる。

アルドリッジの部屋で使われたポーカーチップからエヴァ・レンデルの指紋が検出されるが、事情を聞こうとした時には、彼女はすでに殺害されていた。今回は斧のような凶器で首をはねるという手口で、「斧を持つ」ダイヤのキングが示されていると思われた。

傷口の分析結果から、凶器は16世紀ごろに作られたアンティークの斧であろうと判明。カードの使用履歴から、ジミー・ネファーロが同じような斧を購入していたことがわかるが、劇場に急行したところネファーロの姿はなかった。助手の話から斧が発見され、レンデル殺しの凶器と断定される。

コウの事件に使われたトランプを調べたところ、彼が優勝した1997年の「パレルモ・ポーカー・クラシック」で使われたものと判明。その試合のビデオ映像を調べてみると、3回戦のプレイヤーはトレント・アルドリッジ、ピーター・コウ、ボウ・マティソンだった。場にあるカードはスペードのエース、ハートの7、クラブの4、ダイヤのキングだった。マティソンはフルハウスで勝負しようとしたが、アルドリッジが降り、コウがフォーカードで勝ち優勝。マティソンはその1週間後、失意のうちに自殺していた。

だが映像を精査した結果、97年の試合はイカサマだったことがわかる。おそらくピットボスだったフィチェリが発案者で、マティソン以外の全員がグルになり、合図を送り合い、ディーラーも配る札を細工していた。そのディーラーがレンデルの父親であることもわかる。

だがそこにジミー・ネファーロはどのように関係してくるのか。今回コウに参加費用を提供していたが、97年にも同じように資金提供をしていたとすると、ネファーロは犯人ではなく5人目の標的である可能性が高い。レンデルを殺害した凶器の斧に付着した上皮細胞のDNAを比較した結果、その人物はボウ・マティソンの近親者である女性――ネファーロの助手、ケイティ・ヒルだった。

マティソンが自殺したトレッサーパークでネファーロの車が発見され、急行したモーガンはヒルを発見。車内にネファーロの姿はなく、「スロープレイ」を得意とした父と同じように、時間稼ぎをしているものと思われた。モーガンは、ヒルを説得しようとするが、ネファーロが無事に救出されたと知ったヒルは銃を出し、モーガンに射殺される。


感想

3組の「父と娘」の対比が印象的なエピソード。父親と同じ道を進んだエヴァがモーガンに対して「あなたもでしょ?」と言った場面は少々わざとらしさがあったけれど、それが娘同士の殺人につながり、最後にモーガンがケイティを射殺する場面につながっていった。

しかしエヴァ本人は何も悪いことをしていないのだから、何も殺さなくても……とは思った。エヴァが殺されなければ、タイトルの “Last Woman Standing” にはならないけど、それにしても。しかも斧で首をはねるという残酷な殺し方。手口だけ見ればエヴァがいちばん恨まれているのか?と思ってしまいそうだが、「父の娘」として何か思うところがあったのだろうか。そのへんの心理描写がもう少しあっても良かったように思う。


使用楽曲

  • Young Girl (Re-Recorded) by Gary Puckett & The Union Gap (冒頭)
  • Bad Mood by The Vaccines (ラボで凶器の実験)

Yoko (yoko221b) 2020-08-29

csi/s13/289_last_woman_standing.txt · Last modified: 2024-02-20 by 127.0.0.1