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Right to Die

小説版CSI:マイアミ第8弾、今回の著者は初登場のジェフ・マリオッテ。ビスケイン湾の公園でヒスパニックの若者が射殺される。状況からギャング間の抗争事件と思われた。また、有名プロゴルファーの妻が車内で喉を切られて殺害される。その2件の殺人事件の捜査中、FBIの捜査官がホレイショを訪ねて来る。「ベビーブーマー」と名乗り、中絶医を次々に殺害している連続爆弾犯が、このマイアミに来ているというのだ。


書誌情報

Right to Die

  • 著者:Jeff Mariotte
  • 発行:2008-08-26
  • ISBN:978-0743499545

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内容・感想

今回執筆している Jeff Mariotte もノベライズ作品を多く手がけているが、ほとんどは「エンジェル」「バフィー」、最近では「スーパーナチュラル」のようなSF系作品で、こういう犯罪捜査系は珍しい。まぁ、マイアミも「SFか?」と思うエピがたまにあったりするけど……でもこの作品はちゃんと犯罪小説になっているし、ホレイショも鑑識チーフに見える。

事件は3件。しかも1件は連続爆破事件なので何だか忙しい。冒頭に登場したヒスパニック青年の事件は、その後ほとんど触れられなくなり、中盤あたりで申し訳程度に出てきたなと思ったら、爆破事件と意外な接点が見えてきたので、これはこれで重要な事件ではあったのね、とやや安堵。

有名プロゴルファーの奥さんが殺害される事件は、最初の方こそ high profile 事件! と思ったが、結局奥さんの浮気が原因の単純な事件で、犯人もあっさり逮捕されてしまった。うーん、この事件は敢えて入れる意味があったのかな? 夫をもう少し怪しく描いても良かったような気がするけど……それをやっていると長くなりすぎてしまうのかな。

メインの事件はやはり「ベビーブーマー」の連続爆破事件かな。この犯人は中絶医を狙って爆殺するはずなのに、マイアミで狙ったのは脳外科医と弁護士。何でだ? と思ったら、どうやらキューバ出身の政治家が事故で脳死した事件と関わりがあるらしい。妻と娘は、回復の可能性がないと知って生命維持装置を外すことに同意したが、息子はそれに反対し、事件は法廷に持ち込まれていた。この政治家の処置をした外科医と、妻と娘の代理人を務めた弁護士が今回の被害者。つまり、胎児の生命だけでなく、より幅広く「生命維持」を主張する犯人だったらしい。

この事件では、FBIの捜査官が露骨に怪しいと思っていたら本当に犯人だったので、ちょっとガッカリ。でも、爆弾にふっ飛ばされるホレイショとか、犯人と格闘するホレイショとか、TVでは絶対に見られない貴重な場面が見られたのは良かった! TVだとどんなに近くで爆発があっても、びくともしないもんなー、ホレイショ。シーズン7だっけ、一緒にいたデルコが爆風に倒されているのにHは変わらず仁王立ち、という場面があったの。(あれはデルコが驚いて腰を抜かしただけかい?)

爆弾が爆発したといっても、犯人が逃げるために時間を稼ぐのが目的だったので、死ぬほどの火薬量ではなくホレイショは命拾い。そのまま病院にも行かず捜査を続けるが、実際はひどい耳鳴りに悩まされている(病院に行けばいいのに……)。

そして終盤では犯人と格闘して首を絞められ、何とホレイショの視界がぼやけ始める! 何とか体勢を立て直して犯人から銃を奪うが、そこへSWAT部隊が突入。しかしデイド署管内ではないため、SWATもどちらが犯人だかわからない様子。ちょうどホレイショが武器を奪った直後だったため、何とこのSWATは命知らずにもホレイショに銃を向けて「武器を降ろせ!」と命令。いいのか、相手はケイン警部補だぞ、とちょっと心配になってしまったが、事態はその後無事に収拾され一件落着。

さて、事件の合間にカリーとホレイショは以前の事件で面倒を見た元証人の少女ニーナと再会。事件当時は10歳くらいだったが、今はもう18歳だったかな。恋人の子を妊娠し、学業を取るか赤ん坊を産むかで悩んでいるという。という状況なので、てっきり彼女が中絶を決意してベビーブーマーの事件に巻き込まれるのかと思っていたら、結局は学業をいったん中断して産むことを決意。しかもカリーもホレイショも事件で忙しいので、あまりじっくり話し合う時間もなかった様子。うーん、何のために登場させたのか。ニーナ関連では、もうちょっとキャラ描写が欲しかったような気がする。

Yoko (yoko221b) 2011-04-24

csi_miami/novels/08_right_to_die.txt · Last modified: 2024-02-20 by Yoko