• 邦題：「君のいない人生」
• 脚本：Krystal Houghton
• 監督：Joe Chappelle
• 初回放映：2009-02-02

腐敗臭がするという通報を受け、カリーとウルフが空き家に調べに入り、屋根裏で男性の遺体を発見。しかし、突然階下から銃撃を受けたかと思うと爆発音がして火災が発生。2人は屋根裏に閉じ込められてしまい、床を破壊して遺体を運び出す。

現場には、不動産業者ジェフ・ペラルタの名刺が落ちていた。ペラルタは、物件の様子を見るために中に入っただけだと主張する。

被害者の爪から、コリン・アスターのDNAが検出されるが、コリンは「一緒にバスケをやっただけで本名も知らない」と主張。カリーはコリンの取り調べ中、煙を吸い込んだ後遺症で呼吸困難に陥り、病院に運ばれる。その病院では、検視局を辞めたアレックスが勤務していた。

火災前の銃撃で撃たれた弾丸が被害者に命中しており、そこから強盗事件の容疑者、リッキー・ゲノンが浮上する。リッキーはその空き家をドラッグ倉庫として使用しており、停車しているハマーを見て「警察にばれた」と思って銃撃した上に火をつけたことを認める。

リッキーは被害者の殺害は否定するが、被害者の身元については客の一人である通称「ドクター」だという。被害者はデイド病院に勤務する外科医のドン・フェルプスで、薬物の代金代わりに新薬を横流ししていたらしい。

フェルプスの住所へ行ってみると、そこには倉庫のような場所があり、ヤミの臓器移植が行われたと思しき痕跡があった。腎臓を入れた運搬容器の指紋から、コリン・アスターが関わっているとわかる。コリンはヤミの臓器移植の仲介をしており、フェルプスが薬物依存症に陥り手術中に患者を死なせてしまったため、遺体を埋めたことを認めるが、フェルプスの殺害は否定する。

埋められていた患者は、エクアドル出身のモリシオ・コレオという男性で、ずさんな移植手術が原因で死亡したことがわかる。遺体の腹部はホチキスで縫合されており、ウルフは屋根裏にホチキスの針が手に刺さったことを思い出す。移植を受けた患者かドナーが空き家に出入りしていた可能性が考えられた。

移植された腎臓のDNAを調べた結果、不動産業者のペラルタと一致。ペラルタは不況で資金繰りに困って腎臓を売ったことを認める。その後体調が悪くなり、フェルプスを尾行して空き家で問い詰め、口論中に逆上して殺害してしまったのだった。

カリーは無事に意識を取り戻し、アレックスはホレイショを食事に招く。

デルコのトラウマが蒸し返されたと思ったら、カリーとの距離がまた接近してイヤな予感。マイアミもこのまま恋愛ドラマになってしまうのだろうか。シーズン初期のデルコファイル、あれワザと読ませたのか？

……という予感はどうやらアタリのようで。

メインキャラに恋愛させるなとは言わないが、どうもCSIシリーズどれを見ても、恋愛描写が上手くない（という言い方が良くなければ、私の好みではない）気がして……恋愛をし出すと突然ウザキャラになったり色ボケになったりするのはどうにかしてほしい。

それに、恋愛となるとかならず女性の側に怪我や病気や過去のトラウマなどのダメージを与えて弱らせるというパターンが、これも全CSIに共通して蔓延していて食傷気味。弱っている女性を優しくいたわる男性、という場面を描きたいんだろうなー、というのはわかるのだけど、やりすぎ。マリソルの時もそのパターンだったし、ジュリアにもその兆候が見えてきているし……。それでも、ホレイショ自身のキャラが壊れていないのは、さすがというか何というか。

しかし、このエピソードではそれよりも何よりもアレックスの再登場！ ブライアンもようやく落ち着いてきたので、週に2日パートタイムで病院に来ているらしい。煙の影響で意識を失い、病院に運ばれたカリーに対して、てきぱきと処置をしていた（でもこの場面はデルコがウザかった……）。最後の、ホレイショとのシーンがまた良いんだ。

男女でもベタベタしない、それでいて信頼関係のある2人のシーンは良い。カリーとライアンの、息の合った姉弟コンビも結構好き。

ベタベタといえば今回の邦題はベタベタでどうも好きになれない。原題はナット・キング・コールの「煙が目にしみる(Smoke Gets in Your Eyes)」のもじりで、文字だけ見ていると気づきにくいが、“CSIs” の Is の部分が元ネタの “Eyes” と同じ発音なのだな。倒れたのはカリー1人だけど、煙を吸ったのはライアンもだから複数形で良いのだろう。

• “Amateur Cartography” by Obfusc （分析シーン）

— Yoko (yoko221b) 2010-09-12, 改訂 2014-06-09