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Four Walls

小説版CSI:NY第4弾、今回の著者は初登場のキース・デカンディード。刑務所内で2件の殺人事件が発生し、マック、ダニー、ホークス、フラックの4人が捜査に向かう。そこではフラックの昔からの友人が看守として働いていた。一方、ステラ、リンジー、エンジェル刑事の3人はベーカリーカフェで従業員が殺害された事件を担当する。ドラマ本編のシーズン2、3の内容に関連する記述が多いので、未見の方はネタバレに注意。


書誌情報

Four Walls

  • 著者:Keith R. A. DeCandido
  • 発行:2008-04-29
  • ISBN:978-1416513438

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内容・感想

CSI:NYの小説は、スチュアート・M・カミンスキーの作品が既に3冊刊行されているが、今回はキース・デカンディードが執筆。CSI以外にもノヴェライズ作品の多い人だが、スーパーナチュラルやスタートレックなどSF系が多いようだ。そのせいかどうかわからないが、あまり「ミステリ」な感じはしなかった。基本的に、地道に証拠を調べて聞き込みをして条件を絞り込んで事件解決しました、みたいな。

その代わり(?)キャラ描写は多め。カミンスキーの作品はこのキャラ描写が弱く、Amazon等のレビューでもそこがマイナス点になっていたように記憶している。それを考慮しての著者交代なのだろうか。デカンディードはノヴェライズ作品の多い作家なので、経験から読者の読みたい物はちゃんと把握しているだろうから――という意図があったのかな? ただし、TVエピソードとリンクする部分が多いので、見る前に読んでしまうと「ネタバレ見ちゃった……:-(」になってしまう。というか、なってしまった。:-(

時期としては、シーズン3のフィナーレ「奪還」の直前のようだ。マックのドブソン事件のことや警察内部での政治闘争?みたいなことや、モンタナがモンタナに帰った事情などが語られているので、これはシーズン3を最後まで見た後に読むことをお勧めしたい。いや本当に、マジで。

事件は、上述したように男性陣4名で刑務所、女性陣3名でベーカリーの事件を担当。このように、刑事まで含めて男女で分かれるのって、TVではあまりないのでは。男性チームは、犯罪現場(刑務所)へ入る時の手続きでもめ、閉鎖的な場所ゆえの連帯意識に苦労し、女性チームは性別ゆえの偏見に悩まされ、とそれぞれに苦労しつつ事件を解決。ステラはちょっとラッキーすぎ?な気もしたが、何気ない会話の細部まで聞き逃さない注意力の描写でもあるので、私には納得ラインだった。

解決後、現場になったベーカリーに全員で集まってねぎらい合ったり、被害者の葬儀の描写があったりするのも面白かった。その場面だけじゃなく、関係者たちがその後どういう生活を送っているのかが細かく描写されており、これは小説ならではの面白さだろう。マックがエイデンのお葬式に制服姿で参列したことを思い出している場面で、ちょっとうるうる。あ~エイデン……中の人の事情が色々あったのはわかるけど、キャラとしては好きだったので、本当に残念。

Yoko (yoko221b) 2009-03-02

csi_ny/novels/04_four_walls.txt · Last modified: 2024-02-20 by Yoko