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csi_ny:s04:078_commuted_sentences

CSI: NY - Season 4, Episode 7

#78 Commuted Sentences

  • 邦題:「制裁」
  • 脚本:John Dove
  • 監督:Oz Scott
  • 初回放映:2007-11-07

事件概要

ミッチェル・ベントリー3世、ジョアンナ・モーガン

大富豪の息子、ミッチェル・ベントリー3世が公園で刺殺された遺体となって発見され、マック、ステラ、フラック刑事が担当する。その刺され方は、まるで闘牛の牛を殺すようだった。現場からは看護師のファーン・ラズローが血まみれで逃げ去るところが目撃されていた。ファーンは自宅に戻り、ミッチェルの血を洗い流していたところを逮捕される。ミッチェルは以前、ファーンに対するレイプと殺人未遂で起訴されていたが、無罪となっていた。動機も十分だが、ファーンは犯行を全面否定。刺されて倒れているミッチェルを見ただけだと主張する。凶器のナイフにもファーンの指紋はなく、別の女性の上皮細胞が検出される。

その後、ミッチェルが事件当夜、レストランでアンバー・スタントンという女性と食事をしたことがわかる。アンバーは出版社の経営者で、食事をしながら仕事の話をした後、何事もなく別れて帰宅したと主張。DNAも不一致だった。また、現場に落ちていた絆創膏から、イアン・バートンというブランドの靴を履いた人物が現場にいたことがわかる。靴の購入者リストには、ダニーらが担当するジョアンナ・モーガンの名前があった。

そのジョアンナ・モーガンは博物館の前で射殺されており、ダニー、リンジー、ホークスとエンジェル刑事が事件を担当していた。貫通銃創の傷口から、当初は背中から撃たれたと思われたが、傷口を精査した結果、至近距離で胸から背中へ向けて撃たれたものと判明。銃口が胸に押し当てられ、かつ背中の後に何かがぴったり密着していたことから、射入口と射出口が逆に見えたのだ。また、銃はジョアンナ自身が持っていた物。つまり、犯人はジョアンナともみ合った末、彼女の背後から銃をつかんで胸を撃つ。銃弾はジョアンナを貫通して犯人に命中したものと思われた。その仮説に基づいて再度現場を調べた結果、ジョアンナと身元不明男性のDNAが付着した銃弾が発見される。

マックらはジョアンナ、アンバー、ファーンが、個人的なつながりこそ見つからないものの、3人とも性犯罪の被害者であることに注目する。しかもアンバーの事件は犯人は不明のまま、ジョアンナの事件では手続きミスで容疑者が釈放されていた。

ホークスはジョアンナの胃の内容物から、食中毒の原因になるブルセラ・リステリア細菌体を発見。その細菌に感染すると、食細胞が変異してDNAの配列を変える可能性があった。アンバーのDNAがすでに変異後である可能性を考え、ダニーとリンジーは彼女の自宅を捜索し、ヘアブラシ等を押収する。

その一方で、病院のERには食中毒を起こしたスティーヴ・キャプランという若者が駆け込む。調べてみると、スティーヴは右肩を怪我していた。その点を追及されたスティーヴは、ジョアンナを撃ったことを認める。出会い系サイトで出会ってデートしたところ、ジョアンナに撃たれそうになり、抵抗するうちに撃ってしまった。スティーヴは以前にモデルを殺害した容疑で逮捕されたことがあった。結果的に無罪になったが、逮捕歴のある自分は信用してもらえないと思ってその場から逃げたのだという。

そして、ミッチェルの現場でロングアイランド鉄道の切符のパンチくずが発見されたことから、2人の交友関係が判明。アンバーとジョアンナは、同じ電車で通勤するうちに親しくなり、悩みを打ち明けあう間柄になった。2人はともに会社経営者で、離婚の経験があり、性犯罪の被害に遭いながら加害者が罰せられていないという共通点があった。犯罪者が次々に無罪になっていくことに業を煮やした2人は、自らの手で制裁を加えることにしたのだった。アンバーは被害者のファーンがいつも通る道でわざとミッチェルを殺し、ジョアンナは博物館の前でスティーヴを狙う。スティーヴが殺害したと言われるモデルは、博物館の警備主任の恋人だったのだ。ファーンは、刺されて倒れているミッチェルを見て、思わず看護師としての行動を取ってしまったにすぎなかった。


感想

犯罪を犯しておきながら、法の網の目をくぐって自由を満喫しながら犯行を重ねていく犯罪者たち。何年も苦しみ続けた彼女たちに対して、マックの「復讐は正義ではない」という言葉はあまりにも通りいっぺんすぎやしないか。確かにそれは正しいんだけどさ、何だか正しすぎて響くものがないというか。

しかしアンバーの方にも、たいして同情や共感を感じたわけではない。実際のところ、アンバーとジョアンナがどの程度「被害者のため」を考えていたかは、状況を考えればかなり疑わしいのではないか。ファーンに遺体を見せるために現場を選んだというが、動機がありすぎるほどあるファーンが現場で目撃されれば、疑われるのは必至。さらにアンバーは、ミッチェルとの食事に「フローレンス・ナイティンゲール」という看護師を連想させる偽名を使っている。アンバーが何か個人的な動機でミッチェルを殺し、ファーンに罪を着せようとしたと考えた方が、よっぽど納得できるような気がする。そういう狡猾さを感じさせる所が良くないのだろう。

食中毒の細菌をめぐる時系列もよくわからない。細菌が発見されたのはジョアンナの胃の内容物だし、食中毒を起こしてERに駆け込んだのはスティーヴ。だが、アンバーのDNAが変質していたということは、アンバーも(ミッチェルと会う前に)同じ店で食事をしていたのだろうか。で、アンバーはDNAが変質したけれど食中毒にはならなかった。まぁアンバーはああ見えて一流の闘牛士なので、普通の人よりタフなのかも。

面白かったのは、リンジーがパチンコで弾道を再現してみせる場面。前シーズンの彼女はあまり好きじゃなかったけど、最近の実験リンジーは面白くていいぞ。シーズン2で、ボウガンを撃ってはしゃいでいた姿を思い出す。

ところでフラックはエンジェル刑事に誘いをかけてる? あのセレブな彼女はどうしたの?


使用楽曲

  • “Cool It Vixen (version)” by Depth Charge (ジョアンナ事件の証拠を調べる場面)
  • “New Path” by Gabriel & Dresden (ミッチェルの検死場面)
  • “Second Guessing” by Tussle (リンジーのパチンコ実験)

Yoko (yoko221b) 2010-01-25

csi_ny/s04/078_commuted_sentences.txt · Last modified: 2024-02-26 by 127.0.0.1