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csi_ny:s08:171_means_to_an_end

CSI: NY - Season 8, Episode 9

#171 Means to an End

  • 邦題:「最後の手段」
  • 脚本:Zachary Reiter, Christopher Silber
  • 監督:Marshall Adams
  • 初回放映:2011-12-02

事件概要

アリー・ランド

アリー・ランドのレイプ容疑で逮捕されたカーティスだが、リンジーの証言で弁護側の主張に疑義が生じたため、保釈金が減額され、いったん釈放となる。ジョーは、FBI時代にカーティスを取り逃がす原因になったミスを犯した元捜査官、フランク・ウォーターズの姿を見かける。

ジョーは捜査から外されているが、我慢できずアリー事件の証拠を調べようとする。見かねたマックは、DCでFBIが担当した当時の資料を調べ直すよう指示し、ジョーの名前が公にならないようダニーと組むよう言い渡す。

リンジーはアリーの傷のサンプルを調べ直し、傷口の証拠から犯行を立証しようとするが、こちらでもアリーの供述の嘘が証明されてしまう。アリーが殴られて傷を負ったのは、警察へ来るほんの2時間前のことだった。リンジーは自作自演を疑うが、その傷は、自分で自分を殴って付けられる物ではない。つまり、自作自演だとしても共犯者がいたことになる。

アリーは動揺を隠せず「訴えを取り下げる」と言うが、今更それはできない。そしてその後、アリーは公園で撲殺された遺体となって発見される。

アリーのコートに付着していたカケラは、フランクが現在勤務している製薬会社に結びつく。ジョーとフラックはフランクの自宅へ向かい、そこにカーティスの写真や資料が大量にあるのを見て驚く。フランクは製薬会社に勤務しながら、空いた時間にカーティスを監視し、追い詰めようとしていたらしい。キッチンにはGHBを合成していた様子もあった。だがフランクは、ジョーに電話して謝罪の言葉を述べると、車道に飛び出して自殺してしまう。

フランクとアリーが手を組んでカーティスを罠にはめようとしていたのかと思われたが、フランクの携帯電話にはアリーとの会話が残されており、それを聞いてみると、フランクとアリーはそれまで接触がなく、予備審問の日に初めて出会ったようだった。さらに、フランクの自宅にあったGHBの容器からは、カーティスの指紋が検出される。カーティスを監視し、彼が捨てたゴミを持ち帰ったものと思われた。

リンジーは、アリーの頭部の傷口から、ピンク・アイボリーという木の破片を採取。それを聞いたマックは、マシューズ議員が同じ素材で作った傘を持っていたことを思い出す。調べてみると、マシューズは何度も旅行し、それにアリーを同伴させていた。マシューズは、カーティスを陥れるためにアリーを雇い、嘘を暴かれたアリーが「もう手を引く」と言い出したために、思わず殴り殺してしまったのだった。

ジョーはフランクが残した資料から、アマンダ・タナーという女性がカーティスにレイプされているらしいと判断。アマンダを呼んで話を聞くと、彼女は自宅でレイプされたことを認め、その時の服やシーツなどをまだそのまま保管しているという。ジョーはアマンダとともに自宅へ向かうが、カーティスがすでに先回りしていた。カーティスはアマンダを、続けてジョーを殴り倒し、ジョーの拳銃を奪って弾倉を空にする。カーティスは、意識を取り戻したジョーが必死に銃を取り戻すのを嘲りながら見ていたが、薬室に残っている銃弾に気づかず、ジョーに撃たれて倒れる。ジョーはさらに、床に落ちた弾を拾って装填し、カーティスに止めを刺す。


感想

ジョーが襲われる所から始めて時間をさかのぼる必要はあったのかな……。通常は「いったいなぜこんな状況に!?」と思わせるショッキングな場面で視聴者の注意を引きつけるためだと思うが、今回は単にネタバレにしかならなかったような気がする。しかし、あのタイミングでカーティスが現れたということは、ジョーとアマンダが警察を出るところを監視して尾行していたということか。保釈中なのによくやるな。それにしても、アマンダは寝室で頭を殴られたはずなのに(後のシーンで頭を押さえていた)、ジョーが物音に気付かないというのは、ちょっと不自然。

リンジーは薬の量やら殴られた傷の様子を調べ、どうやらレイプの訴えは狂言らしいとわかる。時間くらい合わせておけば良いのにと思わなくもないが、2人とも薬物に関する知識がなくて思いつかなかったのだろう。カーティスにアリバイがあっては元も子もないので、しっかり行動を確認したうえで犯行に及んだはず。そのため、時間を合わせる余裕がなかったのかもしれない。

さて……3回にわたってジョー対ジョン・カーティスの対決を見てきたわけだが、どうもイマイチ面白くないなぁと思った。理由はおそらく、シーズン2の最初と最後にあったエイデンの話、あれに似すぎているからではないかと思う。

女性を何人も襲う性犯罪者、物的証拠は残さない、証拠の扱いをめぐる葛藤、道を踏み外して職を失う捜査官、罪を逃れた犯罪者に対する執拗な監視と追及、相手からの反撃、元捜査官の死。こうして見るとフランク・ウォーターズが死んだのは、まるで「エイデンの運命」を再現したかのようだ。襲われたのはジョーだが、ジョーを死なせるわけにはいかないので、その身代わりに彼が死んだ、みたいな。

だって、フランクは結局アリー殺しの犯人ではなかったのだ。警察に提供してカーティスを追い詰められる材料も持っていた。なのに、なぜ死ぬ必要があったのか。ジョーには絶対見られたくない何かを部屋の中に隠してでもいたのか(何を)?

結局のところ、捜査を始めるためにフランクが何かする必要があり、フランクがアリー殺しの犯人ではないかというミスリードのために自殺させ、後からつじつまを合わせられなかったという脚本の手抜きのようにも見える。こういう細部のツメがきちっとしていないことも、面白くなかった理由かもしれない。

ホークス先生が恋人の事件のことを最後まで口にしなかったのは良かった。


使用楽曲

  • “Move Like A Sinner” by What Now (カーティスが取調室を出る)
  • “Never Let Me Go” by Florence and The Machine (ラスト)

Yoko (yoko221b) 2014-07-15

csi_ny/s08/171_means_to_an_end.txt · Last modified: 2024-03-02 by 127.0.0.1