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Dexter - Season 1, Episode 8

#8 Shrink Wrap

  • 邦題:「危険なカウンセリング」
  • 監督:Tony Goldwyn
  • 脚本:Lauren Gussis
  • 初回放映:2006-11-19

概要

ストーリー

バスタブの中で女性の遺体が発見される。凶器の拳銃がすぐ近くに落ちていたので自殺と思われたが、女性が拳銃で自殺することは珍しい。だがマイアミでは今回の被害者と同じように、アグレッシブで裕福な女性が拳銃で自殺するという事件が過去に2回起きていた。さらに調べると、3人とも同じセラピスト、エメット・メリディアンの診療を受けていたことがわかる。

デクスターは偽名でメリディアンのセラピーを受け、メリディアンが優秀なセラピストであることを知る。セラピーの失敗で自殺したとは考えにくい。また、メリディアンには被害者の死亡当時のアリバイもあった。だがメリディアンのオフィスに忍び込み、死亡した女性たちのセッションの記録を見てみると、医師が薬物を処方して自殺するように仕向けていたことがわかる。つまり自分の手を汚さない間接的な殺人だ。

メリディアンの犯行を確信し、彼を次の標的に決めたデクスターは、リタの呼び出しに応じて彼女の家へ。リタは前夫ポールに会うためにデクスターとのデートをドタキャンしたことを気にしていた。リタはポールと一緒に過ごすことで、自分が恐怖を乗り越えたことを確信したのだった。思わぬリタの積極性にデクスターはたじろぎ、その場は何とかごまかしてもう一度メリディアン医師のセラピーを受けることにする――今度は本来の目的で。

一方、ラグェルタはまだニール・ペリーの取調べを続けていたが、記者会見などマスコミの脚光を浴びるところはマシューズ警部にさらわれてしまい、内心は不満たらたらだった。ペリーはペリーで、雑誌記者の取材を受けたいなどと言い出す。取調べの過程で、ペリーはラグェルタが昇進した理由を知っていると言い出す。ラグェルタはかつてドークスのパートナーだったが、ある事件で大物のドラッグ・ディーラーを逮捕して警部補に昇進した。本来はドークスの事件だったのだが、ほんの偶然から棚ぼた式に手柄を得てしまったのだ。ドークスにしてもカッコ悪い話なので、その話は誰にも秘密のはずだった。

不審に思ったラグェルタは、「専門家として意見を聞かせて」と、ペリーの前にどんと生首を置き、恐怖にパニックを起こすペリーの反応を見て無実を確信。ペリーは警察のコンピュータシステムに侵入して様々な情報を得ていた、連続殺人犯として注目を浴びたい「ワナビー」に過ぎなかったのだ。母親の遺体も、病死したのを庭に埋めただけと思われた。

ラグェルタはマシューズ警部と地方検事にそれを報告するが「今さら止められん」と却下される。

デクスターは再びメリディアン医師のセラピーを受け、ディープ・リラクゼーションで昔のことを思い出す。血まみれで泣き叫ぶ幼児のフラッシュバックが頭をよぎった刹那、デクスターはがばと跳ね起きてリタの元へ走り、2人はそのまま一夜を共にする。その後、デクスターはメリディアン医師のオフィスへ行き、満足したことを告白。その少し前に、彼はアイストラック・キラーがメッセージを寄こさないことに苛立ち、インターネットに「ケンを探しているフローズン・バービー」としてメッセージを残していたが、「他人の行動はコントロールできない」のだと納得した様子。そのまま続けて「実は自分はシリアルキラーなんです」とストレートに告白、メリディアンはデクスターの犠牲となった。

その頃、デボラの新しい恋人ルディは自宅でパソコンに向かっていた。その横には首のないバービー人形。ルディはフローズン・バービーからのメッセージに「焦らないで」と返事を書き、その後奥にある冷凍倉庫のような部屋へ。そこにはバラバラの人体と血液が保存されていた――アイストラック・キラーの正体は、このルディだったのだ。

マイアミ警察事件ファイル

  • アイストラック・キラー事件: ニール・ペリーの起訴を準備。ただしラグェルタはニール・ペリー犯人説に異を唱えている。
  • ヴァネッサ・ゲイル: バスタブの中で拳銃自殺。火薬残渣は被害者の手のみに付着しており、周囲の状況から自殺として捜査終了。
  • ??殺人事件: ラグェルタがモルグから生首を借り出していたので、別口の猟奇殺人事件が起きていた、ということなのだろうか。それとも、事故で首が切れた遺体だったのだろうか。

デクスター被害者ファイル

  • No.10 エメット・メリディアン: 精神科医。クライアントをセラピーと薬物でコントロールし、じわじわと自殺へ追い込むという間接的な殺人を行っていたため、デクスターの標的となった。

感想

シリアルキラーもセラピーを受けるんだ。でも、リタとの悩みがあるうちは殺せなくて、うまくいった途端に「用済み」とばかりに殺してしまうなんて、ひどいわ。さすが殺人鬼。

ともあれ、デクスターはジェレミーを失いアイストラック・キラーからも無視されるという状況から、何とか立ち直ってきた。ヴァレリー殺しがバレる心配はまずないし、リタとの仲も進展し、殺人もうまくいき、アイストラック・キラーのことも何とか吹っ切れるようになり大満足。デボラも恋人とラブラブ。ドークスから「どこへ行っていた?」と聞かれて「彼氏のオフィスでf**kしてきたわ!」と大声で答えて周囲からヒューヒューされていた(この職場って……)。しかし実はこの恋人こそがアイストラック・キラーの正体だったわけで、この幸せそうな様子も、次回エピソードからだんだんボロボロになっていくのでは……。

今回わかったこととしては、まずルディがアイストラック・キラーだったこと。ラグェルタが偶然のような幸運で現在の地位を手に入れたこと(それでも、口先だけで出世した原作のラグェルタよりは立派かも)。ペリーが殺人鬼でないことはそのうち明らかになるので、その時にマシューズ警部とラグェルタの間で政治的なバトルが起きそうなこと。そしてデクスターの記憶にフラッシュバックのように現れる、血まみれの幼児の姿。

この幼児の姿が現れた瞬間、デクスターがリタと関係を持てるようになった、というのは何を意味しているのだろう。デクスターが女性と大人の関係を保てないのは「自分が空っぽなこと」を相手に気づかれてしまうからだという。あの子どもの記憶は、デクスターの「空き箱」の中に新しく入った(あるいは、戻って来た?)何かの象徴なのだろうか。

Yoko (yoko221b) 2007-10-14

dexter/s01/008_shrink_wrap.txt · Last modified: 2019-09-11 by Yoko