• 邦題：「闇の守護神」
• 脚本：Tim Schlattmann
• 監督：Keith Gordon
• 初回放映：2007-10-28

デクスターは、玩具屋の店員が殺害された事件を担当し、そこで「闇の守護神（Dark Defender）」というヒーローコミックのポスターを見つける。どうやら、「悪人だけを殺害している」というBHBから着想を得たものらしい。

その後、デクスターはNAのミーティングへ行き、居眠りをして夢を見る。母親がコンテナの中で惨殺されそうになるのだが、その直前、闇の守護神になったデクスターが悪人を倒し母を救う。目を覚ましたデクスターは、ライラに母親のことを話す。ライラは、「お母さんを殺した犯人を探して会いに行き、過去にケリをつけるべきだ」と主張。

母親の事件では、犯人3名のうち1人は死亡、もう1人は終身刑、残る1人は司法取引で罪を逃れ、証人保護プログラムを受けて現在はネープルズでバーを経営していた。資料とともにテープがあることを知り、それを聞いたデクスターは、母親のローラが何とハリーの情報提供者であったことを知り驚く。

ライラは「犯人が釈放されているなら、すぐにでも会いに行くべき」と主張し、その夜2人はリタに内緒でドライブ。デクスターは1人でバーへ向かい、ビールを飲みながら閉店まで待ち、犯人と対峙して思いを吐露する。そのうちに衝動が高まり、デクスターは男を殴打。男は「ローラは担当刑事の愛人だった」と言い出す。衝撃を受けたデクスターは相手を殺そうとするが、そこにライラから電話が入り、思いとどまる。ライラはデクスターが「衝動を抑えられない」と言うのを聞き、「とにかくヤクはダメ。すぐ帰って来て」と懇願する。

デクスターはモーテルへ戻り、ライラの腕の中で眠る。翌朝、ライラは自分の過去を告白する――彼女は、自分を薬漬けにした男を恨み、家に火をつけたことがあった。男が家の中にいることは知らなかったが、後になって自分が焼き殺したことを知ったのだという。

藻の分析結果がわかり、同じ藻が生息する場所として3箇所のマリーナが挙げられる。そのうちのひとつは、デクスターが使っているコーラルコーブ。デボラとランディはコーラルコーブへ行き、場所を調べる。ランディは「まずは昼飯だ」と暢気に食事を始めるが、その間も周囲の状況を鋭く観察。

コーラルコーブが捜査対象になったと聞いたデクスターは、夜中にこっそりマリーナへ行き、ボートに何か証拠が残っていないかを入念にチェックする。その行動はすべて、新しく設置された監視カメラに録画されていた――。

デボラはジムで出会ったガブリエルと交際を続けていたが、メールを盗み見て、彼が “Ice Princess” という本を書いていることを知る。これはアイストラック・キラーのことで、この本を書くために自分に近づいたのか、と瞬時に判断したデボラは、怒りに任せて一方的に別れを言い渡す。

だがその後、ガブリエルのことを調べていたランディから「彼は児童文学の作家だ」と知らされる。“Ice Princess” はアイストラック・キラーとは無関係で、デボラの誤解だったのだ。

リタの母ゲイルは、デクスターがNAに参加していることを知り、リタから離れろと言っていたが、それを知ったリタは怒って抗議。ゲイルも折れてデクスターとの交際を認めるが、その代わり、教師の仕事は辞めて同居すると宣言。

デクスターの実母ローラと養父ハリーの意外な関係。シーズン1では、事件現場に最初に駆けつけた警官がハリーだった、ということになっていたのだが、今回それは違うということになってしまった。ローラはハリー・モーガン刑事の情報提供者で、しかも愛人関係だった――？

S1には、デクスターの実父のことで「ハリーが嘘をついていた」という場面があったが、今シーズンでは実母のことで新たな嘘がわかる。

あの「コンテナの惨劇」の回想シーンで幼いデクスターを抱きかかえているハリーは制服警官なのだが、テープでは “Detective Harry Morgan” と言っていた。実はこの時ハリーは刑事だったのか？ あの制服姿はデクスターの記憶に残る姿なので正確ではないのかもしれない――と思っておくべきだろうか。実際は設定変更っぽいけど。

しかし、ハリーがローラの協力を得ていて、守りきれずに死なせてしまい、その罪悪感からデクスターを引き取ったのだとするなら、ハリーがブライアンを助けなかったのが納得いかなくなるんだな。当時のブライアンは素人の手に負えないほどのトラウマを負ってしまったかもしれないけど、弟と扱いが違いすぎ……。

こういう展開だと「実はデクスターの父親はハリー？」みたいな疑問もわいてくるのだが、S1でマスオカさんが故ジョセフ・ドリスコルのDNAを調べてデクスターのBio Dadだと確認しているので、それはないだろう。デクスターに輸血したのも彼だったみたいだし。

それにしても面白いのは、デクスターの「父親」は養父のハリーで、「母親」は実母のローラなのね。養母のモーガン夫人はもう名前すら思い出せないほど影が薄いし、ドリスコルさんのエピソードもデクスター親子というよりルディ（ブライアン）とデクスターの場面を作るためのきっかけ、みたいな扱いだった。

いやそんなことより、ラスト！ 監視カメラにデクスターの姿が～！

— Yoko (yoko221b) 2009-05-19