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homicide:s04:058_prison_riot

Homicide - Season 4, Episode 3

#58 Prison Riot

  • 邦題:「暴動」
  • 脚本:Tom Fontana
  • 原案:Tom Fontana, Henry Bromell
  • 監督:Kenneth Fink
  • 初回放映:1996-10-18

Well, love conquers all.

事件概要

No.174 Claud Vetter, No.175 James Douglas

州刑務所で食事中に乱闘が始まり、囚人2名が死亡する。クロード・ヴェッターは心臓を一突きされたが、ジェームズ・ダグラスは背中や腹部に複数の刺し傷があった。状況から、ダグラスがヴェッターを刺したことは明らかだが、ダグラスを刺したのが誰かは不明。ハワード、ベイリス、ケラマン、ルイスの4名はその場にいた囚人ひとりひとりに事情を聞く。白人の囚人たちは、監房内での人種対立や、ダグラスの悪口を語る。

囚人のイライジャ・サンボーンは14年前、ドラッグディーラーの抗争に巻き込まれて妻を殺されていたが、事件は未解決。彼は自力で犯人を探し出し、殺害したのだった。ベイリスは彼の正義感に訴え「なぜ冷酷な殺人犯を殺した男をかばおうとするのか」と食い下がるが、イライジャは協力する様子を見せない。

ベイリスは、イライジャが何か知っているのではないかとにらみ、記録を調べてイライジャの息子キングストンが窃盗で逮捕されたことを知り、取引を持ちかけようとする。イライジャは怒って取引を断るが、ベイリスはケラマンとともにキングストンの姉マヤを訪ね「父親と話して欲しい」と頼み込む。

マヤは刑務所へ行き「刑事さんに知っていることを話して。お祖母ちゃんはアルツハイマーでもう長くない。私はもうすぐ18歳になるから、弟と一緒にフロリダへ行って仕事をする。弟を助けてくれないと、パパを憎んで一生呪い続ける」と言う。

イライジャはようやく情報提供に同意するが、その前に息子に会わせろと要求。キングストンは父親と面会するが、露骨に反感を見せる。イライジャは息子に「俺のようになるな。出て行け」と言い、ベイリスに「俺がダグラスを殺した」と告げる。

イライジャは供述書に署名し、検事は死刑を求刑しようとするが、ベイリスは彼の無実を信じ密かに捜査を続行。イライジャは死刑になるために敢えて嘘の自白をしたのだ。

そこへ、刑務所で再び騒ぎが起き、ジェームズの従弟のトレヴァー・ダグラスが殴られて昏睡状態に陥ったという。

囚人のトム・マランズが「自分がトレヴァーを殴った」と認める。トレヴァーはジェームズがタバコを盗んだと言って彼を殺害したが、タバコを盗んだのはジェームズではなくトムだった。トムはジェームズの「妻」であり、復讐のためにトレヴァーを殴ったのだった。


感想

“Previouisly…” の部分に前シーズンの場面がいくつも出てくると思ったら、その時逮捕された皆さんが今塀の中でどうしているか、というお話。殺人で収監されて、塀の中でもまだ殺し合いしてるのか……。メリーランド州の刑務所って、囚人も私服でOKなの?

冒頭で殺されたヴェッターはシーズン3「アディーナへの鎮魂歌」に出てきたはずだが、記憶にない。このエピソードはベイリスの悩みやペンブルトンとの対立がメインの事件で、ヴェッター事件はほんのちょっとしか描写がなかったと思う。夫が妻を射殺して、現場に来た警官にその場で自白した事件だから捜査もほとんどなかったのだろう。

そのヴェッターを刺し殺したジェームズ・ダグラス。これは覚えている。同じくシーズン3「オートフォーカス」で、面白半分に凶行を重ね、その一部始終をビデオで撮影して楽しんでいたというとんでもない2人組だった。ルイス&ケラマンの2人がコンビを組んだ初めての事件で、ブロディ初登場の回でもあった。この時は警察署でガス漏れ騒ぎがあって、古い銀行の建物に間借りしたんだったなぁ……。

そのジェームズを刺したのが、共犯だった従弟のトレヴァー。うーむ、収監されてからこの2人組の間に何があったのだろう。さらにその報復としてトレヴァーを殴ったのがジェームズの「妻」だったトム・マランズ。トム・マランズはエリカ・チルトン事件の犯人だが、この事件はクロセッティが抱えていた中でも一番の難事件だったため、解決率100%を誇るハワードの担当になり(シーズン2「女性刑事の意地」)、ずっと未解決のままだったが、ひょんなことからルイスとケラマンが解決した(シーズン3「偏見」)。ベイリスの台詞にあるように、恋人のエリカを殺した時も、現恋人ジェームズの仇を討った今回も、マランズの犯行動機は「愛」だった。

刑務所の中、しかも食事中の混乱の中での事件ということで、捜査といっても囚人に1人ずつ話を聞くぐらいしか方法がない。というわけで、捜査パートは「捜査」よりも囚人ひとりひとりの人間ドラマが中心になる。今回のメインキャラともいえるイライジャさんは初登場(事件が14年前なら担当刑事ももういないだろう)。奥さんの仇を討って刑務所に入ったということだが、娘と息子は反感を持っている様子。彼らにしてみれば、母親に続いて父親まで失ったことで相当辛い思いをしたのだろうと思う。正義よりも自分たちのそばにいてほしかったのではないかと思うと、恨みたくなるのもわかるような……。

捜査以外の部分では、まずペンブルトンが薬を服用していないことに、ブロディが気づいている。そしてベイリスは政治活動で逮捕され、二晩ほど留置された経験があるらしい。パパが保釈させてくれなかったというが、ベイリスとパパの間には何か軋轢があったみたいだなぁ。


使用楽曲

  • “Bleed” by Collective Soul (冒頭)
  • “Sometimes I Don't Wanna Go Home” by Joan Armatrading (イライジャの回想シーン)
  • “Down to Zero” by Joan Armatrading (ラスト)

Yoko (yoko221b) 2013-01-14

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