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homicide:s04:067_betrayal

Homicide - Season 4, Episode 12

#67 Betrayal

  • 邦題:「裏切り」
  • 脚本:Gay Walch
  • 原案:Tom Fontana, Julie Martin
  • 監督:Clark Johnson
  • 初回放映:1997-01-10

事件概要

No.024 Tanya Thomson

ベイリス、ペンブルトン担当。12~13歳の少女の遺体が道路わきに投げ出されているところを州警察の警官が発見。少女は、殴られるか蹴られるかして、折れた肋骨が肺に刺さって窒息死していた。被害者の身体には他にも多数の傷や痣があり、長期間にわたって虐待され続けていたことがわかる。また、被害者が発見される前、現場付近で「男女2人組が遺体を遺棄した」という匿名の通報があったこともわかる。

被害者は身元不明だったが、その日の朝に捜索願が出ていたターニャ・トムソンと判明。ベイリスはターニャの母リネットやソーシャルワーカーを感情的に問い詰め、ジャデーロらはベイリスが事件にうまく対処できるか心配する。

隣人たちは事件の夜、ターニャが自宅で「止めて」と泣き叫ぶ声を聞いていたが、電話がなく通報はできなかった。

ペンブルトンは、親としての共感を見せながらリネットに話しかけて供述を得る。事件の夜、ターニャは台所でスパゲッティの鍋を落としてソースを飛び散らせてしまったため、リネットの婚約者であるネルソンが怒ってターニャをベルトで何度も打った。リネットはターニャを寝室へ連れて行って寝かせたが、翌朝様子を見るとターニャは息をしていなかったという。リネットはターニャを失い、ネルソンだけが頼り。ペンブルトンには事実を告げたが、他の誰にも言うつもりはないと明言する。

ネルソンのベルトのバックルはターニャの傷跡と一致。しかし隣人の証言や匿名の通報と合わせても、殺人で有罪にできるだけの物的証拠とはならない。リネットの証言が得られない以上、故殺罪で取引するしかなかった。リネットはネルソンの子を妊娠中であり、「この子は実子だから大丈夫」と信じているのだった。

事件解決後、ベイリスはペンブルトンに、子どもの頃叔父から虐待を受けていたことを打ち明ける。


感想

前回、番外編のような息抜きエピソードがあったと思ったら、その反動のように重苦しいエピが来た! シリーズ物の配置としては、ありがちな順番かな(CSIとかでも多いよね、こういうの)。被害者が被虐待児で担当がベイリスという組み合わせ。アディーナ・ワトソン以来のトラウマが……と思ったら、実はそれよりずっと以前に遡るトラウマの記憶があった。……というこのへんは、いささか後付けくさい印象がなきにしもあらずだが、それほど違和感はなかった。

叔父からの性的虐待、父親に打ち明けても信じてもらえなかった絶望。それが、ネルソンの行為を目にしていながら心を閉ざしてしまったリネットや、もう一歩踏み込んで手を差し伸べなかったソーシャルワーカーに対して爆発してしまったのだろうか。

さらにそれだけでなく、ペンブルトンとの突然の別れ話、じゃない、パートナー解消宣言! 何だ、いったい何があった?

復帰後、確かにちょっと上手くいっていない雰囲気はあった。それは、ペンブルトンの発作を目の当たりにしたトラウマがまだベイリスを苦しめているということでもあり、ペンブルトンの不在中に単独で事件を担当していたベイリスの刑事としての成長と、まだまだペンブルトンの域に達していないという自覚の相克でもあり――それに追い討ちをかけたのが今回の事件だったのではないか。過去のトラウマが甦って「親」的な存在への反発が急激に芽生えてしまったように見えなくもない。いずれにしても、今までのパートナー関係にそのまま戻ることはもう、できないんだろうなぁ。今後パートナーに戻ることはあってもちょっと変わった関係になるのだと思う。そのために必要な、これは一種の通過儀礼なのかもしれない。

そして、もうひとつのストーリーアークだったケラマンの疑惑も、今回で一応、一件落着ということになるのかな。大陪審が開かれ、ケラマンはどうやら不起訴ということになったようだ。取引をしたミッチ・ローランドは18ヶ月の実刑。

ケラマンは、仲間を売るような真似はしたくないからと、最初は自己負罪拒否特権を行使して証言を拒否するつもりだった。だが、一緒に告発された3名の刑事のうち1人が「家族のために」自分に不利な証言をしたと知って翻意。「警官を辞めても良いから事実をすべて証言する」と検事に告げる。

自分は仲間への義理を果たそうと思ったのに、その仲間が裏切るんじゃ、そりゃ怒るよね。ケラマンを売った元同僚は、前々回ジャデーロに対して「検察のほしがる材料を(ウソでもいいから)できるだけ多く渡して、刑期を短縮してもらわなければ」と言った刑事だ。この刑事、偽証罪でも告発されればいいのに。

証言台に立ったケラマンは、ローランドから金銭を受け取ったことはないと名言する。次に他の刑事たちのことを質問すると思ったら、そこで終了。検事はケラマンが仲間を売らなくて済むよう、わざと質問をしなかったのだ。検事は、身内同士で庇い合う心情を「わからないけれど、私は法律家であってお仲間じゃないからわかる必要はない」と言い、ケラマンには「警官を続けなさい」と言う。「嘘をつく人たち」で述べたように、男同士の庇い合いに対して女性がメスを入れる、という図式が繰り返されてきたわけだが、この検事さんの場合は直接の上司でも同僚でもないからか、いちばんソフトに終わった感じ。

というわけで、ケラマンは現場に復帰できることになった。でも感情的にはまだしこりが残っていそうだ。シーズン後半はケラマンが仲間との間で信頼を取り戻す過程が描かれることになるのだろうか。ケラマンは前シーズンで加わったばかりだし、ルイス以外のキャラとあまり絡んでいないので、他のメンバーとの信頼関係はあまり強いとは言えないみたいだったんだなぁ。今後どうなっていくのだろう。

本当にめでたく終わったアークは、ブロディの家探しだけかもしれない。無事にルームメイトが見つかったようだが、これが女性で、しかも美人。マジか!?

Yoko (yoko221b) 2013-02-03

homicide/s04/067_betrayal.txt · Last modified: 2020-04-29 by Yoko