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kqc:s01:003_a_family_affair

Kavanagh Q.C. - Series 1, Episode 3

#3 A Family Affair

  • 脚本:Adrian Hodges
  • 監督:Renny Rye
  • 初回放映:1995-01-17

事件概要

Crown v. Michael Duggan

マイケル・ダガンという男性が学校から自分の息子ピーターを誘拐した罪で逮捕され、カヴァナーが弁護人に就任。ダガンは妻のサマンサと離婚し、サマンサは再婚後に息子を引き取っていたが、マイケルはピーターが母親と新しい義父のもとで幸せに暮らしていないことを理由に息子を連れ去ったと主張する。

マイケルは8ヶ月の刑を言い渡される。出所後、フィッシャー夫妻はマイケルとピーターの接触を断とうとし、マイケルは親権を求めて争うためにカヴァナーを雇う。マイケルは、義父のテリー・フィッシャーがピーターを性的に虐待していたと主張し、フィッシャー夫妻に調査の手が入るが、調査の結果、虐待の証拠はなくフィッシャーの疑いは晴れる。

裁判が始まり、サマンサは現夫テリーに何の問題もないこと、逆にマイケルがピーターに悪影響を与えていることを証言する。マイケルは、フィッシャー夫妻が自分をピーターに会わせまいと画策したこと、「誘拐」事件の時に初めて性的虐待の件を聞かされたことなどを証言し、両者の言い分は真っ向から対立する。

判事はピーターと面会。ピーターは「テリーは嫌い。パパと暮らしたい」と明言する。だがその理由は「ママにはテリーがいるけど、パパには僕しかいないから」というもので、虐待についての話は「覚えていない」と言葉を濁す。

テリーは証言台に立ち、虐待はまったくの嘘でありピーターとの関係は良好だと主張する。カヴァナーはテリーとサマンサの関係を具体的に問い質し、テリーが本当は子どもを嫌い、サマンサに対しても常に自分を優先するよう強制していたのではないかという疑問を導く。さらに尋問により、サマンサがテリーとの子を中絶していたこともわかる。

その後カヴァナーはサマンサを尋問する。サマンサは次第に取り乱し、「ピーターは自分が何を言っているのか理解していないのよ」と言ってしまう。その後「マイケルと言うつもりだった」と言い繕うが失敗し、「ピーターから虐待を受けた話を聞かされた」と認めてしまう。テリーはその話を聞いて激昂したため、サマンサはそれを誰にも言わず一切を否定していたのだ。

判事はマイケルの言い分を認め、ピーターは父親と暮らすことになる。マイケルは喜び、法廷に来ていたピーターを見つけて連れ帰ろうとするが、ピーターは母親が一緒でないことを知り「パパの言うとおりに言えば、またママと一緒に暮らせるって言ったじゃないか! 嘘つき!」と泣き叫ぶ。マイケルは、ピーターがテリーを嫌っていることを利用して言葉巧みに指導し、虐待されたと嘘を言わせていたのだった。

マイケルは偽証罪で逮捕され、ピーターは再び母親の元へ戻るが、テリーは出て行ってしまう。

Crown v. Deborah Mary Drake

デボラ・ドレイクがポルノビデオを作成・頒布した罪で起訴され、カヴァナーは検察官を務める。弁護側は、ドレイクの作品は単なるポルノグラフィではなく、ポルノ的手法を用いて女性のエンパワーメントを進めるものであると主張。カヴァナーはそれに対して「フェミニズムの主張は、低俗なポルノを正当化するための煙幕ではないのか」と問いかける。カヴァナーの助手を務める女性アレックスは「社会はソフトポルノであふれているのに、女が行動しようとすると途端に潰される」と、事件を起訴したことに批判的。

評決は有罪。デボラは1年の実刑を言い渡され「誰も傷つけていないのに!」と叫ぶ。カヴァナーはアレックスの意見に同意しつつ「自分は弁論をしただけで、陪審員が時代遅れの性差別主義者だったことに責任はない」と言う。


感想

今回は事件が2つ。1件目は、息子の誘拐罪で逮捕された時に弁護人を務めた縁で、マイケル・ダガンの親権訴訟の代理人となる。このマイケルが、息子思いの父親と思いきや意外にクセモノだった。女性ソリシタとも個人的な関係だったようだし、外面だけは良いんだろうなぁ。

虐待疑惑について、テリーとサマンサ側の隠された事情がカヴァナーの尋問でボロボロ出てきたので、そのへんの事情が明らかになって終わりかなと思っていたら最後に思わぬどんでん返し。テリーは小児性愛者なのに子どもが嫌いなのか? と思っていたら、虐待は冤罪だったことを息子が暴露。皆の前であんなこと言ってしまったら全部台無しになるとわからない年齢でもないと思うのだが……。嘘をつかされたストレスがたまっていた所へ、母親が一緒に来ないとわかったショックが重なって爆発した、ということなのかな。判事さんに対してどっちつかずの曖昧な答え方をしたのも、嘘を言わされているという気持ちの葛藤があったせいなのだろうか。

結局、「虐待の事実なし」と判断した調査官は正しかったようだ。でもサマンサの態度はどうなんだろう……虐待なんてあり得ないわ、というのは結果的には正しかったのだけど、根拠があってそう判断したのではなく、息子より現夫が第一で、夫を失いたくないあまりに状況が見えなくなっていたようにしか見えない。そんな母親と2人きりになってピーターは大丈夫なのか。とはいえ、父親がアレでは仕方がない。

さて2件目はポルノビデオを製作していた女性の事件。こちらではカヴァナーは検察官を務める。カヴァナーの弁論に説得力があったのか、たまたま陪審員に保守的な人が多かったのか、評決は有罪。しかしカヴァナーは、個人的には被告側の主張が正しいと思っており、評決には不満な様子。自分の職務は訴追することなので、個人的な信条から弁論に手を加えることはしないらしい。それはそれで理解できるし評価すべきところなのだろうが、弁護人になれば悪質なレイプ犯を野に放ち、検察官になれば表現の自由を抑圧してしまう。すっきりいかないものだね。

カヴァナー家では、夫妻の寝室での物音を娘に聞かれていたり、娘の恋愛問題にやきもきしたり。娘ケイトはもうすぐ高校を卒業する年頃で、彼氏ともそれなりに真剣な交際をしている様子。恋人を家に泊めたいと言われ、カヴァナーパパは動揺を隠せない。ママの方は「まだ早いと言っても無駄だし、いかがわしい場所に行かれるよりは自宅の方がまだ安心」と落ち着いているようだ。

結局パパもOKを出すが、その夜彼氏が泊まって行くのかと思ったら帰ってしまった。親の許可が出たとなると、急ぐことはないという気持ちになるのか。あるいは親が承知しているとかえって気持ちが鈍ってしまうものなのだろうか。

事務所では、同僚QCのジェレミー・オルダーマーテンが選挙に出馬(下院議員かな)するという話が飛び出し、独身では不利だからと女性バリスタのジュリアさんに婚約者のふりをしてもらったりと色々やってみるものの、結局はボツ。このジェレミーさんはお笑い担当というか、そういう趣があるな。

Yoko (yoko221b) 2011-05-02

kqc/s01/003_a_family_affair.txt · Last modified: 2019-06-16 by Yoko