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lao:s03:064_securitate

Law & Order - Season 3, Episode 20

#64 Securitate

  • 邦題:「秘密警察」
  • 監督:James Hayman
  • 脚本:Matt Kiene, Joe Reinkemeyer>Joseph Reinkemeyer
  • 初回放映:1993-05-05

事件概要

People vs. Alexei Iliescu (判事:Kleinfeldt)

家具店の店主ニコラス・イリエスクが殺害される。高速で走る車に引きずられた挙句、路上に投げ出されたが、死因は交通事故ではなく頭部を銃で撃たれたこと。ニコラスはルーマニアの出身で、妻カレン・甥レオンとともに暮らしていた。

その後、車は座席を取り外された状態で発見され、座席は中古部品屋で発見される。座席を持ち込んだ男たちが逮捕され、凶器の銃も発見されるが、彼らは乗り捨てられた車と銃を見つけて座席を売り飛ばしただけだと主張。アリバイも確認される。彼らはさらに、車内に偽造のクレジットカードを見つけていた。

そのカードを発行した銀行では、過去半年以内にカードの不正使用の訴えを12件も受けており、そのうちの4名がイリエスクの店で家具を買っていたことがわかる。イリエスクの店は現在、ニコラスの兄アレックスが運営し、やはりルーマニアから移住して来た従業員のトミー・ザネスクが働いていた。店の金庫からはトミーがサインを偽造した証拠が見つかる。

トミーはアレックスとともにカードを偽造し、ニコラスにそれを知られたため、アレックスがニコラスを殺害したと認める。トミーの供述から、ニコラスの車にぶつけたトラックが貸し車庫で発見され、アレックスは起訴される。

だが、車庫で発見された証拠に対し排除の申立がなされる。車庫の捜索はトミーが同意して鍵を渡したため令状が取られていなかったが、車庫を借りたのはアレックスなので同意を得たことにならないという主張であった。判事は弁護側の主張を認め、車庫で発見された証拠をすべて排除し事件を棄却。

People vs. Leon Iliescu

その後、背中を何箇所も刺されたアレックスの遺体が自宅で発見され、カレンが逮捕される。弁護人は正当防衛を主張。切迫した危険がある状況でこそなかったが、アレックスは元ルーマニアの秘密警察の一員で、母国では大勢の人々を拷問し処刑してきたという経歴の持ち主であるため、身の危険を感じたという主張であった。

しかしその後の調べで、現場の血痕が自供内容と一致しないことがわかる。アレックスを刺したのはカレンではなく甥のレオンだった。レオンはアレックスの息子だが、父より一足先に母国から呼び寄せられて以来、ニコラスとカレンから息子同然に育てられていた。弁護人は、冷酷で粗暴な父により、レオンが幼少期からトラウマを受けていたことを理由に「責任能力なし」と主張。

オリヴェットはレオンに面会し、少年時代に父親が囚人の拷問や処刑を行うのを見たという話を聞く。少年時代のレオンは、それらの暴力は誇るべき行為であり、いずれ自分が後を継ぐのだと教え込まれていた。オリヴェットは、その過去は確かに現在の彼に影響を与えていたと言えるが、善悪の判断はつけられる状態であると判断する。

カレンは「ルーマニアから父親が来て以来、レオンは悪夢にうなされ眠れないようになった。『自分は呪われており神に望まれていない』と言い教会にも来なかった」などと証言する。弁護人はオリヴェットにルーマニア人や大量殺人者の息子を鑑定した経験がないことを尋問で指摘し、主張の信頼性を崩そうとする。

ストーンとロビネットは、ブカレスト時代もアレックスの腹心だったトミー・ザネスクから、減刑と引き換えに事情を聞く。トミーの話はレオンの話とはまったく異なっていた。アレックスはレオンを「弱虫」だと関心を示さず、養育は使用人任せ。あげく、厄介払いのように弟に世話を押し付けたのだという。牢獄に連れて行って拷問や処刑を見せたというのは、レオンの作り話だった。レオンは幼少時からずっと父親の歓心を買おうとしており、カード詐欺の件を「ニコラスが知っている」とアレックスに知らせたのも彼だった。であれば、ニコラスの殺害もトラウマではなく予期されたことであり、弁護側の主張は崩れることになる。

レオンは、ニコラスが死んだ後に初めてアレックスが自分を「息子のように」扱ってくれたことを話す。だがそれも、事件が棄却されるまでのこと。アレックスは再びレオンを「臆病者」と呼ぶようになった。レオンがナイフを手にしても彼はまだ笑っていた。レオンは夢中でアレックスを刺したことを語る。


感想

いったん「責任能力あり」と判断されたものの、その根拠が実は虚偽であるとわかり、その後被告人が本心から事実を述べると、それこそがExtreme emotional disturbance(極端な情緒障害?)と判断されてしまうという結末。減刑だけが目的なら嘘なんか言う必要はなかったのに。でもレオンにとって(自分に有利なはずの)現実は耐え難いものだったのだろう。

カレンの弁護士が言った “Texas, The Burning Bed” は、フェイス・マクノルティのノンフィクションで、夫の虐待に耐えかねた妻が、ある夜寝室に火を放ち、その直後に自首したという事件。ファラ・フォーセット主演でドラマ化もされている。事件が起きたのはどうもミシガン州らしいのだけど。

ところでこのエピソードには、CSIのサラことJorja Foxがゲスト出演しているのだが、全然気がつかなかった。IMDbで役名を見ても「誰だっけ?」な状態。どうやら、冒頭に登場した発見者のうちの1人らしい。そう言われて見てみれば確かにジョージャだわ。例によってOP前の数分しか登場しない役。

Yoko (yoko221b) 2008-09-10

lao/s03/064_securitate.txt · Last modified: 2024-03-04 by 127.0.0.1