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lao:s05:094_competence

Law & Order - Season 5, Episode 6

#94 Competence

  • 邦題:「愛の力」
  • 脚本:Michael Chernuchin, Mark B. Perry
  • 監督:Fred Gerber
  • 初回放映:1994-11-02

事件概要

People v. Zachary Michael Rowland (判事:Grace Larkin)

警部補のアニタ・ヴァン・ビューレンがATMの前で2人の黒人少年に襲われそうになり、1人を射殺。もう1人は現場から逃亡する。

死亡した少年は精神遅滞障害を持つジェイムズ・ゴードン。その後、現場から逃げた少年は14歳のザック・ローランドと判明。ジェイムズが背中を撃たれていたため、ヴァン・ビューレンの供述に疑問が生じるが、彼女の撃った弾は、ザックを貫通して後にいたジェイムズに命中したとわかる。

ザックは「お金をねだろうとしただけで、銃は持っていなかった」と主張する。大陪審はヴァン・ビューレンの言い分を認め、彼女の罪を問わないことを決定するが、ヴァン・ビューレンはザックが「銃を持っていない」と嘘をついたこと、ジェイムズのガールフレンドに言及したことに注目する。ジェイムズは同じ障害を持つ少女グウェンと親しく、彼女の誕生日にブレスレットをプレゼントすると約束していたらしい。。グウェンの供述からザックが隠していた拳銃が発見され、その銃はザックの兄トニーが盗んだものらしいとわかる。

マッコイは、ザックが重罪を犯している時にジェイムズが死亡したことから、ジェイムズをfelony murder (重罪謀殺/重罪致死)で起訴することを決定。felony murderは本来、共犯者が死亡した場合には適用されないが、ジェイムズは精神遅滞障害があり、共謀して犯行に及ぶことは不可能であるため、共犯に該当しないと判断する。

さらにマッコイは「ジェイムズがプレゼントを買うお金をほしがっていた」というグウェンの供述を弁護側に通知しないことにする。この供述は「ジェイムズに強盗をする動機があった」というザックに有利な事実を証明する可能性があり、そうであれば弁護側に通知する義務がある。しかしマッコイは「何をしようとしたか(intent)は犯罪の一部であるが、目的は何だったか(motive)はそうではないし、どちらにしてもジェイムズに犯罪を意図する(to form the intent to commit a crime)ことが可能だったかどうかという判断とは無関係だ」と主張する。

だがザックの弁護人はそのことを知り、TVで大々的に「検察は人種差別を行い証拠を隠している」と批判を展開する。判事の判断でグウェンは証人となり、「ジェイムズからブレスレットをあげると言われた」が、「そのためにお金を盗むとは言っていなかった」と証言する。マッコイは、ジェイムズが買おうとしていたものが「名前の入ったブレスレット」であることに着目し、ジェイムズがグウェンの名前の綴りを教師から教わっていたことを思い出す。もしジェイムズがすでにブレスレットを買っていたとすれば、意思も動機もあり得なかったことになる。

ヴァン・ビューレンはジェイムズの母親を訪ねて必死に彼女を説得。ゴードン夫人はついに、ヴァン・ビューレンを自宅に入れ、ブレスレットを見せる。ジェイムズは野球のカードを何枚もコレクションしており、中には値打ちのある物もあった。ジェイムズはそれを売ってプレゼントを買ったのだった。

ザックは罪を認め、取引に応じる。


感想

前シーズンでレギュラー入りした警部補のヴァン・ビューレン姐さんが強盗の被害に遭ってしまう。知的障害のある少年を、しかも背中から撃ったということで、一時はどうなるかと思ったが、結局警部補の行動に問題はなかったわけで、ほっとした。ブリスコーとローガン両刑事との間にも、きちんと信頼関係が築かれていることが、改めて感じ取れた。

後半パートでは、大陪審で警部補を厳しく尋問していた(もちろん、人間としては警部補を信頼していたと思うが)マッコイ検事が “felony murder” だと言い出す。

“felony murder” というのは、このシリーズでも初めて出てきた罪状だと思うが、何か重罪(felony)を犯している時に誰かが死亡すれば、殺意がなくても謀殺(murder)として訴追できるらしい。

重罪とは例えば強盗。銃を突きつけて「金を出せ」と脅した時に、たまたま銃が暴発して相手が、あるいは無関係の誰かが死亡したとする。犯人にしてみれば、強盗はしたが撃つつもりはなかったので事故であり、重くても故殺(manslaughter)だと言いたいところだろうが、この場合は謀殺になるとのこと。へ~。

さらに、犯人ではなく警官が撃った場合にも当てはまる場合がある。これは州によって違うらしいのだけど、警官が犯人に対して発砲し、それがたまたま無関係の人に当たって死なせてしまった場合、それも犯人の責任になることがある。今回ヴァン・ビューレンの撃った弾がジェイムズを死なせたのはこれに当てはまるだろう。だから、撃ったのはヴァン・ビューレンでも、ザックを起訴することが可能になる。うーん、警官の射撃の腕が悪いと安心して強盗もできないわけね(違)。

ただし、死亡したのが共犯者であれば別。ジェイムズが共犯者であればザックが責任を負う必要はない。だから、ジェイムズが「ザックとともに強盗しようとしたか/それが可能だったか」がすごく重要になるわけだ。

という事情を考えると、マッコイ検事がグウェンの供述を弁護側に開示しなかったのは、やはり疑問が残る。マッコイの主張としては、ジェイムズが共犯たり得ないことは、精神遅滞障害という理由ですでに証明済みなので、「無関係でミスリーディングしやすい供述」を証拠にする必要はないということなのだろうけれど、それについては「決めるのは私です」という判事の言葉が正しいように思う。

……などなど、ちょっと割り切れない描写はあったものの、ザックは無事に有罪を認め、最後の場面ではマッコイとヴァン・ビューレンがバーで仲良くグラスを傾ける。警部補と検事のツーショット自体珍しいし、この場面で描かれたマッコイ像には好感が持てた。

Yoko (yoko221b) 2010-04-15

lao/s05/094_competence.txt · Last modified: 2020-04-18 by Yoko