User Tools

Site Tools


wire:s05:054_transitions

Table of Contents

The Wire - Season 5, Episode 4

#54 Transitions

  • 邦題:「移行」
  • 脚本:Ed Burns
  • 原案:David Simon, Ed Burns
  • 監督:Dan Attias
  • 初回放映:2008-01-27

“Buyer's market out there.” – Templeton

概要

プロポジション・ジョーはブッチーの葬儀に花を贈る。ジョーはブッチーのことをマーロに知らせたのはチーズではないかと疑っていたが、確実な情報を得るまでは様子を見ることにする。

マーロは「きれいな」紙幣を持って再びヴォンダスに会うが、ヴォンダスは「ストリートの人間と直接の取引はしない」と再び拒絶。だがギリシャ人は「保険は必要だから」と、将来的に取引をするかもしれないと仄めかしてマーロを引き上げさせる。

シドナーはクレイ・デイヴィスが個人口座から8万ドルを引き出した事実に注目し、これがダーティな取引であるとにらむが、実は義母に不動産ローンの金を返済しただけと判明。だが、フリーマンは「これだ!」と喜ぶ。フリーマンは、デイヴィスと義母の間の金銭のやり取りが連邦法違反であることを指摘する。連邦法では長期の実刑が課される可能性があるが、その場合事件は州検事の手を離れてしまう。ボンド検事はあくまで州の権限でデイヴィスを追及することに固執する。

ダニエルズは、サン紙に載ったコメントは大嘘だとバレルに釈明するが、その一方でカルケッティは着々とバレル更迭の根回しを進める。ロールズを半年間総監代行に置き、その間に準備を整えてダニエルズを総監に昇格させようという計画であった。バレルはダニエルズの調査ファイルをキャンベルに渡すが、キャンベルはその場では興味を示さずバレルに引導を渡す。キャンベルはその後ファイルに目を通し、更迭後のバレルを厚遇するよう市長に進言。

バンクは、空家22名殺人の証拠物件の分析を申請するが、ランズマンは却下。ラボの人員が足りないというのだ。

デイヴィス議員は大陪審に召喚されるが、自己負罪拒否特権を行使して質問は打ち切られる。法廷を出たデイヴィスはレポーターの大群に迎えられる。大陪審の審理は秘密なので、情報は検察からメディアにリークされているはずだが、サン紙ではこの件を誰も把握していない。警察担当のベテランであるトウィッグ記者は今回のリストラ対象、そして前回のリストラで州の法廷担当がいなくなったのだ。現在の法廷担当は連邦法廷だけで手一杯だという。

フリーマンはマクノルティとともに、かつてのパートナーだった警官を訪ね、「死亡直後のホームレスの遺体を見つけたら知らせてくれ」と秘密裏に頼み込む。その後、マクノルティはホームレスのダンボールハウスが並ぶ界隈へ行き、「本物の事件」らしく見せかけるための聞き込み捜査を行う。

ジョーはマーロを弁護士のリヴィに紹介し、本格的にビジネスの指導をする。マーロはリヴィの事務所で、調査員のハークと鉢合わせ。

その後、マクノルティとフリーマンは「完璧な遺体」を手に入れ、防御創や歯形模型を使った噛み跡などを工作する。

オマーは街へ戻り、ブッチーがマーロに殺されたことを知る。ジョーはオマーが戻ったことを知り、しばらく姿を隠そうとするが、その矢先にマーロが現れる。甥のチーズがジョーを裏切り、マーロに売り渡したのだ。クリスはジョーを射殺する。


感想

あああプロップ・ジョーが~。しかもこんな死に方(甥っ子と弟子に裏切られる)なんて。こ、この恩知らず~~!! ジョーはエイヴォンやストリンガーと同世代の「オールド・スクール」の人で、マーロの動きは読めなかったということなのだろうか。

そしてボルティモア・サン紙の危うい状況も、いろいろ明らかになっていく。警察担当だったベテランのトウィッグ記者がリストラされるが、若手のアルマはまだ新人で、内部には殆ど食い込めていない様子。バレル更迭に関しての情報が取れないため、トウィッグが「最後の置き土産」としてコメントを取っていたが、この時に「スタン」と呼びかけていた相手はスタン・ヴァルチェック副総監(管理部門)だよね。こんな幹部に直接コンタクトできるベテランがいなくなってしまうのか……。法廷担当は連邦の方しかカバーしておらず(アメリカは州と連邦で法廷が2種類あるのね)、しかもそれを管理者が気づいていないというお粗末さ。記者たちがTVのニュースを見て「あれっ」と思うなんて。

ディーラー界は武力闘争によってジョーからマーロへと世代交代。警察では政治闘争によってバレルが更迭され、ロールズが総監、ダニエルズが副総監に。こんな地位を望んだわけではないと言いながら(実際望んでいないし)も、副総監のオフィスに腰を落ち着けたダニエルズは思わずにっこり。こんな表情も珍しい。そしてサン紙では経済的な事情からベテランがリストラされて、まだ頼りないアルマやインチキ記者のテンプルトンが主戦力になっていく。そんな三者三様の世代交代が描かれたエピソード。

ストーリー上の要所々々にキャラが配置されていく様子が見て取れて、今シーズンももう中盤に来たんだなぁと実感。今季は10話だけだもんね。早い。

Yoko (yoko221b) 2008-11-13

wire/s05/054_transitions.txt · Last modified: 2020-08-15 by 127.0.0.1