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witb:s03:011_synchronicity

Wire in the Blood - Series 3, Episode 4

#11 Synchronicity

  • 邦題:「シンクロニシティ」
  • 脚本:Niall Leonard
  • 監督:Terry McDonough
  • 初回放映:2005-03-14 (UK)

事件概要

ブラッドフィールドで連続狙撃事件が発生する。最初は、IT企業の駐車場で女性社員が狙撃され死亡。離れた場所からライフルで一撃されたのだ。その場にはトランプのハートのクイーンのカードが落ちていた。

その後、ガソリンスタンドでインド系の若者が狙撃されて死亡。使用された弾丸の口径も手口も同じだった。犯人は1発目をわざと外し、苦しませた上でとどめを刺したものと思われた。現場には、ダイヤのジャックのカードがあった。無差別殺人かと、街は恐怖に陥る。

3人目の被害者は学校の教師。昼休み中に校庭で狙撃され、現場にはクラブの7のカードがあった。

トニーは別件の家宅捜索中に被疑者に頭を殴られ検査を受けるが、その時に受けた検査で脳腫瘍が発見されていた。その腫瘍は成長が速く悪性の可能性が高いため、手術を受けることにする。だがその直前、キャロルのもとに犯人と思しき人物から電話がかかるが、彼は要求を言わず「ローラダイ」という謎のメッセージを残したため、トニーは手術をすっぽかして捜査に協力、「ローラダイ」は「ロール・ア・ダイス」つまりダイスを転がす=勝負する、の意味だと気づく。

キャロルのもとに2度目の電話がかかり、7万ポンドをゴミ袋に入れてゴミ捨て場に置けと要求される。トニーは要求額が少ないことを不審に思う。だが犯人が現れず、連絡ミスでゴミ収集車が来てしまい、受け渡しは失敗。

トランプを10組買って行った不審な男の通報があり、監視カメラに映る野球帽の男の写真が新聞に公表される、スーパーのレジ係がよく似た男性の姿に気づくが、その客を追って店の外へ出たところで狙撃される。今回のカードはハートの10だった。

その後、燃やされた車が発見され「野球帽をかぶった自転車の男」が目撃される。被害者とつながる証拠を消そうとしたという仮定のもとでもう一度被害者の周辺を調べた結果、2番目の被害者と車の事故でもめたビル・デントンの存在が浮上する。デントンの自宅には、ライフルなど大量の銃器類と自転車。デントンの仕事はITコンサルタントで、最初の現場となった会社とは支払いでもめたことがあった。借金の額は6~7万ポンドで、カードが使えなかったためスーパーのレジ係に罵倒されたこともあった。

事件は解決したかに思われたが、その後、教会を訪れたトニーが神父と話している最中に、神父が狙撃され死亡。それまでの犯行と同じ銃弾が使用されていた。デントンは釈放される。

トニーは、犯人は「栄光を得る」ために元いた場所へ戻ると思いつき、最初の犯行現場であるKCIT社へ向かう。そこでは、目出し帽をかぶった男が銃を片手に乗り込み、警備員や社員を次々に殺害していた。トニーは静かに犯人に対峙する。トニーは「これじゃスリルがない、リスクはどうした」と相手を挑発、リボルバーを出させてロシアンルーレットに持ち込む。犯人とトニーが一度ずつ引き金を引いたところで警官隊が到着し、犯人を射殺。1ヶ月前に解雇された製図技師だった。

トニーはその場で意識を失う。腫瘍から出血があったためそのまま手術を受け、腫瘍は無事に摘出された。


感想

被害者をランダムに選んで狙撃。被害者の属性もプロファイリングの重要な要素であるが、この犯人は本当にランダムに決めていたようだ(銃口があれこれ狙っている様子が描写されているので)。犯人は、カードを切って被害者を決めていたのだろうか。クイーンのカードが出たら女性、ジャックなら若い男というように。犯人が射殺されてしまったこともあって、結局よくわからないままだったな。6万ポンド要求したのは、この犯人なのか、あるいは便乗犯だったのか。この犯人は盆栽を育てていたのか否か。

最初の現場はランダムでなく意図的に選んだというのは、何となくわかるような気がする。あの会社、オフィス街にあるわけじゃなく、周囲は空き地のようだったし、そこを狙うためにわざわざ出向いて行かないと狙撃できないと思う。だが、「元いた場所へ戻る」というトニーの結論はやや唐突に感じたし、トニーが向かったちょうどその時に、犯人が皆殺しを決行中だったというのは、うーん、やはり少々やり過ぎの感があるなぁ。ロシアンルーレットの場面はとても迫力があって(次シーズンがあるとわかっていても)ドキドキさせられたけれど。

このエピソードは、事件よりもトニーの内面の不安や苦悩を描くことが重要だったように思う。被害者と同じポーズで倒れるトニー(この時の被害者もトニーも「先生」だ)と、それを見下ろすもうひとりのトニーの姿が強い印象を残す。

他にも、ペニー・バージェス(1話に出てきたイヤな記者)が再登場したり、ケヴィンが勤務中に飲酒していたりと、なんだか心配になることの多いエピソードだった。でもキャロルの登場は今回が最後なのね……。トニーとキャロルのコンビ(単体よりこの組み合わせが良いんだよなぁ~)、もう少し見ていたかったのだが、残念だ。

最後に警官の一団が突入する際に “Armed police!” (武装警察)と叫んでいたけど、ということは通常の警官は非武装なのだろうか。そういえば、このシリーズの刑事さんたち、銃を携帯しているのを見たことがない。以前のエピソードで、キャロルの自宅に侵入者が? というシーンでも、キャロルが持っていたのは野球のバットだった(その時の不審者の正体は猫だったけど)。アメリカドラマとはやはり違うなぁ。

Yoko (yoko221b) 2008-02-27

witb/s03/011_synchronicity.txt · Last modified: 2020-04-30 by Yoko