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witb:s04:015_wounded_surgeon

Wire in the Blood - Series 4, Episode 4

#15 Wounded Surgeon

  • 邦題:「ナイトメア」(CS)
  • 脚本:Patrick Harbinson
  • 監督:Peter Hoar
  • 初回放映:2006-09-01 (AU)

事件概要

10年前にトレーシー・ブラッドショーを暴行した罪で収監されていた囚人ジェイソン・エグリーの保釈審査が行われ、当時プロファイリングを行ったトニーも出席する。エグリーはトニーが初めてプロファイリングで有罪にした被告人だった。トニーは、エグリーのいかにも反省しているという態度は見せかけだと主張するが、結局仮釈放が認められる。トレーシーは事件の後、ずっと昏睡状態のままだった。

3週間後、若い女性の全裸死体が森で発見される。リンダ・ウェストヘッドという女性で、ナイトクラブから連れ去られ、暴行されて殺害されていた。犯行の手口も被害者のタイプもエグリーの犯行と同一で、遺体に口紅で侮蔑的な言葉を書くという特徴も一致していた。アレックスはエグリーを連行するが、精神分析医のオジック医師が「その時刻は彼の部屋でセラピーを行っていた」とアリバイを裏付ける。その時エグリーとの対話を録音したテープもあった。

記者のジェシカ・パイパーがエグリーを取材し、トレーシー事件は冤罪ではないかという疑問を呈する記事を書く。トレーシー事件では目撃証言や監視カメラの操作などの証拠があったが、トニーがエグリーを自白させたためDNA検査は行われていなかった。アレックスは、改めてDNA検査をしたいとエグリーに持ちかけるが、エグリーは逆上して腕にナイフを突き刺す。

オジック医師は、エグリーの嗜虐的な妄想はすべてトニーに植え付けられたものだと考えていた。当時の尋問の様子も、エグリーの自白はトニーの言ったことを繰り返しているだけであるという印象を与えるものだった。さらに、エグリーの血液を使ったDNA鑑定でも、エグリーが無実という結果が出てしまう。

トニーは20年ぶりに同窓会へ出かけ、当時交際していたカレン・バーマンと再会する。カレンはトレーシー事件以来、トニーの担当した事件をすべて調べ、記事をファイリングしていた。気になったアレックスが調べてみると、トレーシーが誘拐された夜、カレンも同じクラブにいたことがわかる。カレンは夫の愛人を殺そうとした前科があり、その事件にもトレーシー事件と共通する要素があった。アレックスはカレンを署に呼んで事情を聞くが、成果を得られないまま釈放するしかなかった。

オジックのクリニックを訪れたジェシカは、殺害されたリンダもオジックの患者であることを知る。ジェシカはリンダのことをトニーに確認しようとするが、留守電にメッセージを入れている途中で何者かに襲われる。

トニーはカレンの気持ちを知りつつ彼女を拒絶していた。そのことをもっときちんと話し合おうとしてトニーはカレンの宿泊先を訪れるが、彼女は浴室で自殺を図っていた。エグリーの誤診とカレンの自殺にトニーは打ちのめされる。

帰宅したトニーはジェシカの留守電メッセージを聞き、その後頭痛に襲われる。髄膜腫の再発を心配したトニーは病院へ行き検査を受けようとするが、そこで雨音を聞き、エグリーとオジック医師のセッションを録音したテープの不審な点を思い出す。オジックが話している部分だけ水音が混じっていたのだ。それは医師のクリニックにあった噴水の音。そのテープはエグリーが自宅で作成し、医師の声を後から加えたものと思われた。エグリーは記憶を失う副作用のある薬でまんまと医師を眠らせてリンダを襲ったのだった。

アレックスはジェシカが失踪したことを知り、エグリーを緊急配備。途中でケヴィンがエグリーのバンを見つけて追跡、カーチェイスのすえに車が爆発炎上し、エグリーは死亡するが、ジェシカは救出された。

トニーは検査を受ける際にDNAの謎を解く。エグリーの外見は再生不良性貧血の兆候を示していた。彼が骨髄移植手術を受けていたとすれば、別人の骨髄が新しい血液を作るため、移植後はDNAが異なってしまう。エグリーの死によって確実なことはわからなくなってしまったが、自宅からはトニーの仮説を裏付ける免疫抑制剤などが発見された。

トニーの頭痛は再発ではなく偏頭痛と診断される。


感想

DNA不一致と聞いてCSIシーズン4の某エピソードを思い出した。まぁ、ちょっと違ったけれど同じくらい都合良く珍しい条件だったわけね。結局真相は、トニーの推論が正しいという可能性が高いものの、100パーセント確実とは言い切らないままだった。トニーの言うような周到な犯罪者であるなら、歯ブラシや何かも残してはいないんだろうな……。エグリーの従妹というのがいたから、近親者のDNAを比較すればわかるのかもしれないけど、提供してもらうのは無理か。

トニーの不安な夢で始まる今回のエピソード。両腕を広げて今にも屋上から飛び降りそうなトニーの姿や「腫瘍再発か?」という展開が、前シーズンの最終話「シンクロニシティ」を思わせる。今シリーズは、トニー本人にやきもきさせられることが多かった気がする。トニーが一緒にいたいと望むのが「キャロルであり君(アレックス)である」と気づいたことと、シリーズを締めくくるセリフがアレックスの “I need you.” だったのが良かったな。

それにしても、「9 P.M.」のパトリシアといい今回といい、なぜトニーはストーカー女性にばかりモテモテ?

TV.comによると、トニーが報道陣に取り囲まれるシーンで、原作者のヴァル・マクダーミドがちらっと映るのだそう。言われてみれば確かにっ! 顔がよく見えなかったけれど、白髪の人がそうだと思う。

Yoko (yoko221b) 2008-06-27

witb/s04/015_wounded_surgeon.txt · Last modified: 2020-04-30 by Yoko