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csi:s06:118_bodies_in_motion

CSI - Season 6, Episode 1

#118 Bodies in Motion

  • 邦題:「CSIチーム再開」
  • 脚本:Naren Shankar
  • 原案:Carol Mendelsohn, Naren Shankar
  • 監督:Richard J. Lewis
  • 初回放映:2005-09-22

The thing that makes a fantasy great is the possibility that it might come true.

事件概要

トレーラー焼失事件

グリッソム、ニック、サラ、ブラス警部担当。トレイラーパークで火災が発生。被害者はトレイラーの持ち主セリナ・マーチとロバート・ダージー。ロバートは煙を吸い込んでおらず(火災発生前に死亡)、身体には自動車のタイヤのような痣が残されていた。

ロバートの妻アンバー・ダージーが所有する車は、その痣と一致するタイヤを使用する。事件の夜はロバートが仕事で遅くなると聞き、彼女も既婚の男性と浮気に興じていた。車は兄に貸し、今はニューメキシコにいるはずだという。

トレイラーの中には可燃物が大量にあり、ガスのメーターが外に転がっていた。トレイラーの外壁らしき部分にはタイヤ痕、ガス管には車の青い塗料が付着していた。つまり、まず車がトレイラーに激突し、爆発を起こした。その爆発でメーターが吹き飛び、それが「ミサイル」となってガス管を破壊し、連鎖的に爆発を起こしたのだ。だが車の青い塗料は、アンバーの車のものではなくブルーのポンティアック。

ブラスはブルーのポンティアックを所有するランディ・スワンシガーを発見。ランディは最初に「音を聞いた」と言った目撃証人だった。庭先には覆いをかけた青い車。現場のタイヤ痕と同じタイヤを装備し、前面がボロボロに破損していた。ランディは仕事から帰る途中、居眠り運転をして、気づかないままトレイラーに突っ込んで爆発を起こし、そのまま走り抜けたのだった。

ジョーイ・ザック&クララ・ジェイムズ殺害事件

グリッソム、サラ、グレッグ、ソフィア担当。マーチ&ダージーの事件(上述)で手配されたブルーのポンティアックを捜索中、同型・同色で腐敗臭をはなつ車が駐車場で発見された。トランクの中には、死後約1週間は経過した男女2名と思われる腐乱死体があり、トランクの下部から液体が漏れ出していた。証拠が失われないよう、グリッソムは車をラップでぐるぐる巻きにしてラボへ持ち帰る。

車は密売された物らしく、持ち主から被害者の身元をたどることはできなかった。車内には実に13人分の指紋があり、事件との関連はすぐには判断できない。車内にはペストリーとチーズバーガーの袋、トランクには遺体とともに銃弾の破片があった。同じ銃弾が、5日前(車の男女が殺害された約2日後)にメスキートで発生した未解決の銃撃事件でも使われていた。

被害者は二十代の白人男性と十代の黒人女性で、二人とも射殺されていた。行方不明者のリストから、少女は16歳のクララ・ジェイムズと判明。もう一人の被害者か犯人の歯形を探して、食べかけの菓子を調べると、歯で噛んだ部分はなく、全部手でちぎられており、しかも組み立てて見るとまったく食べられていなかった。無傷だった菓子を調べると、中にコカインの袋が隠されていた。犯行の手口から、男性の被害者はコカイン売買の前歴を持つジョーイ・ザックと思われた。さらに、車内で発見されたキャンディの材料、ジョーイの指紋が付着していたラジオの選局などから、ジョーイとクララはドライブインシアターで映画を見ていたことがわかる。

その劇場の売店では、ジョーイの顧客だったダリル・ブレイクニーが働いていたが先週で仕事を辞めていた。ダリルはジョーイを見かけて車に乗り込み、ペイストリーに隠されていたコカインを奪った。詳しい動機・犯行現場は不明だが、ダリルは二人を射殺してトランクに入れ、その車を発見現場に駐車。そしてベガスを離れ、2日後にメスキートで銃撃戦を起こし、いまだ逃亡中ということになる。

ブルック・ハリス殺害事件

キャサリン、ウォリック、ヴァルタン刑事担当。シャツの代わりにしたギフトショップのポリ袋、男物のブーツ、下着だけを身に着けた女性の遺体が路上で発見される。死因は頭部を強く殴られたことで、傷口には鉄の錆が付着していた。

ブーツは、事件当日近くで勤務についていた清掃作業員エディ・ヴォナーの物だった。エディは、裸足で走っていた被害者を助けてブーツを与え、発見現場の近くまでトラックに乗せたという。エディの供述から被害者の足取りをさかのぼり、監視カメラの映像から、彼女がリムジンバスから降りてきたことがわかる。

そのバスは「走るストリップバー」であり、中には被害者の身分証と携帯電話が残されていた。彼女ブルック・ハリスは中で雇い主の男と口論になり、下着姿でバスから降ろされたのだった。携帯電話に残されていた番号はジムのインストラクターだが、教えていたのはセクシーなダンス。ブルックはストリッパーではなく普通の主婦だったが、ストリッパーになりきって遊ぶために踊りを習っていた。彼女はファンタジーに飽き足らず「リアル」さを求め、インストラクターはブルックをリムジンへ送り込んだのだ。

バスを降ろされたブルックは、自分の車に乗ろうとしたが、車を出すためには10ドルが必要だった。駐車場から現場へ戻ったウォリックは、現場の “CRIME SCENE DO NOT CROSS” の黄色いテープを張った鉄の支柱に気づく。その柱は錆び、さらに血痕が付着していた。巡査が鉄柱を見つけた場所にはホームレスがおり、ブルックの写真を見て「この女は泥棒だ」と言った。ブルックは車を出すための10ドルをホームレスの帽子から盗み、彼はブルックを追いかけて殴り殺したのだった。

ウォルター・ゴードン事件(ニック・ストークス誘拐事件より継続)

シーズン5「CSI“12時間”の死闘」から継続してグリッソムが調査中。養樹園で発見された、焼けたカセットテープにはウォルター・ゴードンからニック(拉致したCSI)に宛てたメッセージが録音されていたが、最後の部分に「いいか?」「完璧」という会話が入っていた。これはメッセージの出来を確認する会話、つまりゴードンと共犯者の会話である可能性があった。だがテープの破損がひどく、謎の共犯者については性別さえわからなかった。

グリッソムは、テープの分析をアーチーに指示したが、他のメンバーには何も知らせなかった。


感想

“I want my guys back.” という主任の言葉で終わった前シーズン。その後どうなったのかと思ったら、無事に部下を返してもらえたらしい。6人勢ぞろいしてスローモーションで現場に現れるベガスのCSIたち。この前のマイアミほど時間はかけてないけど、こっちでもスローモーションか!とちょっと笑ってしまった。しかし全員揃って、というのはやはり良いものだなー。

シーズンオフの間に人事異動があったらしく、この回は事件よりもメンバーの近況の方が印象に残った。

まず、キャサリンがニック、ウォリックともどもスイングシフトからグレイヴヤードシフトへ戻って来たようなのだが、キャスは主任からヒラのCSIに降格されたということなんだろうか? 何となく、主任ではないがヒラよりは偉いという印象だった。

ニックは前シーズンファイナルのトラウマから完全に回復した、というわけにはまだいかないらしい。身体を這い登ってくる虫の感触に身体を強張らせる様子が痛々しい。あの事件の捜査も完了はしていないようだし(後述)、今シーズン中に、きっちりと「決着をつける」描写があるのかなと思う。

そのニックの事件で人生のはかなさを痛感したウォリックは、恋人ティナと電撃結婚。えー!何でまた?とびっくり。そして心中おだやかでないキャサリン……シーズン5「凶暴な躾け」ではチッス寸前までいってたものなぁ(だから、そこでもう一押ししておけば良かったのに!)。この二人はどうも、お互いに対してどこまで本気なのか、いまいち明確でないというか共感しづらい部分がある。二人でいる場面では、呼吸は合っているしお似合いな感じもするのだが、それぞれ別のお相手がいたりするものだから。

さて、上記の「6人勢ぞろい」でソフィアは入っていないんだなと思ったら、なんと「カーティス刑事」ですと!? これまたびっくり。というか正直「その手があったか!」と思った。前シーズンで登場したソフィア、キャラはけっこう面白いし好感も持てるのだが、どうもいまひとつ「いるべき場所を得ていない」感があった。そう思ったのは、CSIの人数が多すぎること(それも5で急に増えすぎ)もあるが、ソフィア自身のキャラがあまりベガス的でないせいでもあったと思う。シーズン5「裏切り者に蛇の祈りを」のソフィアは、むしろマイアミのホレイショを連想させた。そしてHがCSIからだんだん刑事の位置にシフトしてきたことを考えると、ソフィアにはむしろ刑事の方が向いているのかもしれない。ベガスにはS2以降女性刑事がいないことでもあるし、これはもしかしたら適役かも?てか最初から刑事にしとけばいいじゃん!

ソフィアならばグリッソムの隣にいるだけの「きれいどころ」ではなく、ちゃんと刑事として活躍してくれるだろう。今後が楽しみだ。

事件は、ベガス版「3つの偶然」といったところ? 腐乱死体や「空飛ぶ車」の映像はすごかったが、いささかこけおどかしのような感じが、なきにしもあらず。ミステリとしてストーリーはいまいちな気もしたが、まぁオープニングはどうしてもメンバーの近況紹介がメインになるから、しょうがないか。でもグロはね、やはりグロがないとシーズンが始まりませんな!

最近出版された “Investigating Csi: An Unauthorized Look Inside the Crime Labs of Las Vegas, Miami and New York”(下記参照)には、この回の「車ぐるぐる巻き」シーンについて触れた記述があった。たしか本職のCSIで番組のアドバイザーもしている人の記事だったと思うが、あんな風に車を巻いてしまうと、車体の表面の指紋や何かが消えてしまうじゃないか! と驚いたそうだ。脚本家たちもそれは十分承知のうえでなお、「車をぐるぐる巻きにする」という映像の効果を優先させたとのこと。

しかし、ベガスにはできるだけリアリティ追求路線を守ってほしいなと思う。主任が現場で何かの破片を素手で触っていたのも、グレッグがマスクひとつ着けずに腐乱死体を触っていた(あれは衛生的にも証拠保全的にも許されないと思うが)のも気になってしまった。

さて、上記の3事件では主任よりもむしろ部下たちがメインで捜査を担当していたが、主任には事件がもうひとつ。ニックの監禁場所で発見されたテープに録音されていた謎のメッセージ。ウォルター・ゴードンは爆死したが、何と彼には共犯者がいたかもしれないというのだ。

……うーん、確かに「CSI“12時間”の死闘」には「こんな大掛かりなことを単独犯で?」と思う部分があった。だがその謎が持ち越されるとは思っていなかったなぁ。タランティーノ監督、劇場での先行公開(結局されなかったけど)という話題性に気を取られて、これは「特別篇」というかこれだけで完結した話のように思っていたのだ。だがこれもちゃんとシーズンの重要な一部で、しかも後出しクリフハンガーだったのか。この謎も今シーズン、おそらくsweeps期間のどこかで解明されるのではないかと思う。


単語帳

  • G-string:ふんどし、バタフライ(ストリッパーが身に着ける蝶形の下布)
  • Son of Sam:1976年にニューヨークで連続殺人を犯したDavid Berkowitzが名乗った名。

Yoko (yoko221b) 2006-12-05

csi/s06/118_bodies_in_motion.txt · Last modified: 2024-02-18 by 127.0.0.1