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csi:s06:119_room_service

CSI - Season 6, Episode 2

#119 Room Service

  • 邦題:「夢の途中」
  • 脚本:Dustin Abraham, Henry Alonso Myers
  • 監督:Kenneth Fink
  • 初回放映:2005-09-29

- Sounds like your double's becoming a triple.
- Unless you got any more in your drawers.

事件概要

サマイ・タオ、ノイ・ヴィプラクシ、タクシー運転手(氏名不詳)殺害

グリッソム、サラ、キャサリン、ブラス警部担当。

バス停に激突したタクシーの運転席で、運転手が死亡していた。グリッソムとサラが現場に到着し、首と車体に銃弾があることから、どこか他の場所で狙撃され、逃げる途中で死亡したものと思われた。最後に客を降ろした場所へ行ってみると、そこはキャサリンの担当する犯罪現場だった。キャサリンは、胸に6発の銃弾を受けて死亡したサマイ・タオの事件を担当していた。

現場付近のアパートを調べると、金網に新しい傷跡があった。住人のひとりケオ・ヴィプラクシの部屋に踏み込むと、彼はショットガンで「泥棒を撃った」と叫ぶ。ショットガンの銃弾は9発。6発がサマイを殺し、2発がその背後に停まっていたタクシーの車体に命中、残る1発が運転手の首に当たったのだった。

サマイの眼球には、小さな金属片のような物が刺さっていた。また、その日モルグに運ばれたラオス人は2人目だという。最初の遺体は交通事故で死亡したノイ・ヴィプラクシ――ケオの弟で、事故があったのはサマイがタクシーを拾った場所の近くだった。ノイの事故車を調べてみると、遺体の位置と血痕が一致せず、死後に遺体が動かされていることがわかる。

サマイの目に刺さっていた金属片は、ノイの車にあったコンパクトディスクの欠片だった。また、サマイとノイ、ケオの兄弟は3人とも、Palmsホテル&カジノのランドリーで働いていた。彼らの雇い主で元ヴェトナム帰還兵のジョー・カヴァナによると、兄弟とサマイはそれぞれに敵対する地域の出身で、仲が悪かったという。

車の状況から、サマイがノイを殺害し、車の事故に見せかけたことは明らかと思われた。ケオは相変わらず「泥棒を撃った」と主張するが、サマイは何のためにケオのアパートへ行ったのか。

ケオはラオスから家族を呼び寄せるために金を貯めていたが、ノイはDVDや服やギャンブルに金を浪費するので、ケオはサマイにノイを殺すよう頼み、生命保険金を受け取ろうとした。サマイはノイを殺害し、報酬を得るためにケオの家へ行ったところで射殺されたのだった。

ジュリアン・ハーパー(変死)

ニック、ウォリック、ソフィア担当。ホテルのスイートで、映画スターのジュリアン・ハーパーが死亡していた。死因は窒息だが、首を絞めたり、鼻や口を何かで塞いだような形跡は見つからなかった。バスルームではケイト・ヴィラという若い女性が倒れており、病院に収容される。ケイトはジュリアンのパーティーでドラッグを飲まされ、アシスタントのブリンキーに連れ込まれていた。

ジュリアンの部屋の窓ガラスには唾液の跡が残っていた。そこにいたのは詐欺の前歴のあるウィリーという男で、エレベーターのカメラにも映っていた。ウィリーはカードキーを密かに複製し、部屋へ忍び込んで盗みをはたらき、ジュリアンが若い女性とともに戻って来た時にカーテンの陰に隠れた。ウィリーは「相手は赤いドレスの女で、彼女が帰る時ジュリアンは動いていなかった」と言う。

カメラの映像から、赤いドレスを着ていたのはタリーという女性であったと判明。タリーはずっとジュリアンのファンで、パーティでジュリアンに誘われて有頂天になった。だが彼女はジュリアンと元妻(現マネージャー)のイヴから売春婦のように扱われてショックを受けていた。

ジュリアンの部屋にあったパンストはタリーの物だった。タリーの上皮細胞とジュリアンの顎に付着していた黒い繊維片から、ジュリアンが靴下を首に巻き、その上からストッキングで首を絞めていたことがわかる。ジュリアンはオートエロティック(自分の首を絞め、酸欠状態でオーガズムを得ること)を好んでいたが、俳優なので間に靴下をはさんで、首に跡が残らないようにしていた。そしてその最中に窒息死したのだった。パンストは部屋のランプに結ばれており、そこにはブリンキーの指紋が残っていた。ブリンキーは、ジュリアンの評判に傷がつくことを恐れてパンストを取り、下着を着けさせたのだった。


感想

う~~~ん。いまいち印象が弱いかな。エピソードの焦点がぴしっと合っていないような印象。

手法自体は悪くないと思う。かたや「虚飾の街」ベガスでお金を振りまき、自分のファンの女性たちをモノのように無造作に扱った挙句、文字通り自分で自分の首を絞めて死んでしまうジュリアン。かたや、その「虚飾」のかげで必死に働き、ジュリアンなら無造作に投げ捨てるようなお金のために弟を殺してしまった貧しい労働者。その両者を対比させるように分割画面で見せたり、地下のランドリーからカメラの視点がすーっと上っていき、上の階の厨房を過ぎてカジノに到達したりする見せ方は効果的だったと思う。そして事件解決後、ジュリアンとノイが一緒に並べられ、死が平等に訪れる――という終わり方も良かった。TV.comのレビューによると、このエピで話されていたラオ語は正確とのこと。このように細部をきっちり詰めている点にも好感が持てる(日本ネタはいい加減だったのにぃ)。

ただ肝心の事件とその捜査が平坦なままで終わってしまったというか、今ひとつドラマチックな盛り上がりに欠けたところは否めないかな。

ひとつよくわからなかったのは、サマイの目にCDが刺さったのはいつかというところ。冒頭でのサマイは目に何かが刺さったようにはとても見えなかった。だがあのCDの欠片は、サマイとノイの車を関連付ける証拠なので、刺さるのは「事故」の時ぐらいしかないと思う。壊れたCDの破片が服かどこかに貼りついていて、撃たれたひょうしに刺さったのか?

もうひとつ気になったのはホッジスの彼女。ディナーを作ってもらう予定らしいが、どうなるの?

でも、このエピでいちばん気に入ったのはやはり、最初と最後に流れていた音楽かな~。Gary Jules の “Trading Snakeoil for Wolftickets”(上)に入っている “Mad World” という曲。Tears for Fears の曲のカバーで、オリジナルが入っているのが下の “Hurting”。聞きくらべてみると全然違う雰囲気の曲に仕上がっていて面白い。

Yoko (yoko221b) 2006-12-10

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