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csi:s09:196_miscarriage_of_justice

CSI - Season 9, Episode 14

#196 Miscarriage of Justice

  • 邦題:「チームワーク」
  • 脚本:Richard Catalani, Jacqueline Hoyt
  • 監督:Louis Shaw Milito
  • 初回放映:2009-02-19

事件概要

アンバー・ジョーンズ

グリフィン下院議員の愛人、アンバー・ジョーンズが射殺され、議員が殺人罪で起訴される。ラングストンは公判で証言を行うが、その最中に銃声が響く。法廷の外で、議員の首席補佐官のドミニク・ハンフリーズが自分の頭を打ち抜いて自殺したのだ。ハンフリーズは「議員からアンバーの遺体を発見したという連絡を受け、スキャンダルを恐れて遺体を遺棄した」と供述しており、検察側の最重要証人であった。議員は、遺体を発見しただけで殺してはいないと主張しており、ハンフリーズは「現場に銃はなかったから」という理由で議員の無実を信じていた。だが、ハンフリーズが手にしていた銃はアンバー殺害に使用された物と同種であり、鑑定の結果、凶器に間違いないと判断される。

凶器の銃からは濃い青の繊維が検出されるが、ハンフリーズが当日着ていたスーツの物ではない。つまり、アンバーを撃った時にはさまった物と考えられるので、警察は捜索令状を取ってハンフリーズとグリフィン議員の自宅から衣服を押収する。

ハンフリーズのポケットからは「自分がアンバーを殺した。申し訳ない」という遺書が見つかり、弁護側は起訴の取り下げを要求する。だが検事は事件の継続を決定し、ハンフリーズが生前に供述したビデオも証拠として認められる。ラングストンは再び証言台に立つが、「現在でも議員が唯一の有力容疑者だと思うか」と聞かれ、「いいえ」と答える他はなかった。

証言を終えたラングストンは、アンバーの娘マティと言葉を交わし、彼女の腕に妙な湿疹を見つけて病院へ連れて行く。

一方、街を出ていたアンバーの元恋人が姿を現し、彼の供述から犯行時刻が絞り込まれ、事件当時ハンフリーズにアリバイがあることがわかる。そこで状況は再び議員に不利となり、評決は有罪。議員は再度勾留される。

診察の結果、マティはホウ酸を長期間摂取していたことがわかり、アンバーの臓器を調べたところ、やはり同じようにホウ酸が検出される。何者かがアンバーを毒殺しようとし、マティはその巻き添えになったものと思われた。毒の摂取期間を詳しく調べるには毛髪の検査が必要なため、キャサリンはアンバーの遺体を掘り起こす令状を取る。

ラングストンはアンバーの遺体から毛髪を採取するが、その際に胸に靴跡があることに気づく。検視の時にこのような跡は見られなかったので、死後しばらく時間が経ってから現れたものと思われる。そうであれば、蹴られたのは死ぬ直前だったはず。つまり、犯人が蹴ったと考えるのが自然だ。

一方、ニック、ライリー、グレッグの3名はマティの自宅を捜索し、ホウ酸がドリンクミックスに混ぜられていたことを突き止める。薬局でそのドリンクミックスを購入したのはハンフリーズだった。ハンフリーズは議員に心酔しており、議員の政治生命を脅かしかねないアンバーを毒殺しようとしていた。そしてアンバーが射殺された時に、撃ったのは議員だと思って自ら罪をかぶって自殺する道を選んだものと思われる。

しかしアンバーの胸に残る靴跡は女性のもの。議員の拳銃を持ち出せた女性は、議員夫人しかいない。拳銃に挟まっていた濃い青の繊維は、夫人の手袋と一致する。

夫人は、アンバーを撃ったことを認める。以前から夫の浮気癖にさんざん泣かされてもう諦めていたが、クラミジアを移されたことはどうしても許せなかった。不妊治療のすえに40歳でようやく妊娠したのに、アンバーから議員へ、そして議員から夫人へと移されたクラミジアのせいで流産してしまったからだ。


感想

ラングストン教授の初めてシリーズ、今回は法廷?早いね!

グレッグはシーズン5の後半で初めて予備審問で法廷に立ち、公判での証言はシーズン7でやっと経験していたが、ラングストン教授はいきなり公判で証言に立っているらしい。凶器も目撃証言もなく検察側から見て鉄板とはいい難い事件で、しかも被告人は有力者。普通なら新人に任せるはずはないと思うが、教授は医者(病理学者)なので、これまでにも証言した経験があったのかもしれない。本も出版していて名の知れたラングストンだから、陪審員に信用されやすいと判断したのだろうか。

しかしアンバーが「殺されてから8週間」と言っていたので……これは時系列で言うといつ頃の話になるのだろう。放送日でいうと「レベル1」から1ヶ月くらいしか経っていないが、ドラマの中では2ヶ月以上経っていることになるのか。といっても、アンバー事件当時ラングストンがまだ本当に初心者だったことは確かだと思うので、ドクターとはいえ、よく任せる気になったものだと思う。結局のところ、後半でマティと毒の件を明るみに出すために「医者が法廷に立つ」ことが必要だった、ということなのだろう。

それはともかく、事件は被告人の補佐官が自殺したことで様相は一変。犯行を告白する遺書を残し、事件に使った銃で自殺したのだから、よく審理無効にしなかったものだと思う。まぁ、結局その補佐官もアリバイがあることがわかって議員が有罪になったので、強引に公判を維持した甲斐があったということか。

しかしそれと前後して、アンバーが毒を盛られていたことがわかり、いろいろあって結局のところアンバーを撃ったのは議員ではなく議員の奥さんだったことがわかって事件解決。

奥さんも、議員の浮気癖は以前から知っていて諦めていたものの、アンバーから夫を介して移されたクラミジアのせいで流産したことで、一気に怒りが爆発してしまったようだ。長年の不妊治療でようやく授かった子を亡くし、年齢的にもう次は望めない。夫の浮気癖のせいで、よけい子どもがほしかったのかもしれない。だから浮気は許せてもクラミジアは許せなかったのだろう。さらに、殺されそうになったアンバーが「殺さないで!私には娘が」と、知らぬこととは言いながら逆効果になるようなことを言ったのがダメ押しになったのか。

それを聞いたキャサリンは「私なら浮気相手じゃなく夫を殺したわ」と一言。そりゃ、奥さんを直接裏切ったのは議員だし、キャサリン姐さんならそう言うだろうしそれは正しいよ。でもキャサリン自身、同じように元夫のエディにさんざん浮気されたうえ、シーズン3ではそのエディが殺されて結局未解決だった(容疑者2人のうちどちらかに絞り込めず)ことを思うと、その台詞はどうなんだろう? キャサリンにはリンゼイがいる、という違いはあるにしても、キャサリンにとって「夫を殺す/夫が殺される」ことがどの程度深刻な現実だったのかと、少々疑問に思ってしまった。

ていうか、夫を殺すなんて実際できないよね。だって議員が殺されたとなると大事件になるし、補佐官も議員が犯人だと思ったから隠蔽もしたけど、議員を殺してしまったらもう奥さんの味方はしないだろうから、孤立無援になる。ひどい言い方だけど、議員よりもストリッパーの方が殺しやすいし、逃げ切れる可能性も高い。浮気相手を殺して夫のせいにできれば一石二鳥。そういう計算は、やはりあったのじゃないかな(だから私は「故意に凶器を置いてきた」派)。

で、総合して誰がいちばん気の毒だったか? と考えると、やはりハンフリーズ(補佐官)の奥さんかな。「妻を愛している」と言いながら議員の方が大切だったわけだし、あんなウソっぱちの遺書にそんなこと書かれてもね。

全体としてはラングストン中心のエピソードだったが、ライリーがちょっとピリピリしていたのが今後の伏線になるのかどうか。大型新人の陰で存在感が希薄になっていたライリーだけど、この後「暗い過去ぶちまけ大会エピ」があったりする? 誰でも彼でも暗い過去を持ってる設定なのはもうしょうがないと思っているけど、それが原因でキャサリンと口論して停職になって、自宅に訪ねて来たラングストンに身の上話を語る、なんていう展開は止めてね。

さて、今回は見覚えのある役者さんが多かった。弁護人は懐かしい「ツイン・ピークス」の検死官、検事は“Murder One”でやはり検事だった人、マティを診察したドクターは、これも“Murder One”のバスケ選手で、アンバーの元ストーカーは「24」Day8のケヴィンだった。

Yoko (yoko221b) 2011-06-15

csi/s09/196_miscarriage_of_justice.txt · Last modified: 2020-04-09 by Yoko