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csi:s10:209_working_stiffs

CSI - Season 10, Episode 3

#209 Working Stiffs

  • 邦題:「大脱走」
  • 脚本:Naren Shankar
  • 監督:Naren Shankar
  • 初回放映:2009-10-08

事件概要

ジェイソン・デヴェロー

山の中で若い男性の遺体が発見される。被害者は激しく何度も殴られており、加害者に強い怒りがあったことがわかる。

手首に埋め込んだ無線ICタグから、被害者の氏名はジェイソン・デヴェローと判明。ジェイソンの自宅を調べようとすると、そこはすでに窃盗罪で警官が来ていた。ジェイソンのラップトップPCは、同じアパートの住人が「ドアが開けっ放しだったから」盗んだことがわかる。ジェイソンのPCを調べたところ、彼は勤務先の社員のメールやファイルに自由にアクセスし、大量の個人情報を手に入れていた。

ジェイソンが勤務するのはカジノの管理下請け会社で、ジェイソンはIT業務の担当。ブラス警部が事情聴取に現れたことで、同僚たちは「不正アクセスでもしたのだろう」と噂し合うが、実は同僚のポーリー・クリルこそ、ジェイソンを殴り殺した犯人だった。

ブラス警部らはジェイソンの同僚たちからひとりずつ事情を聞く。ポーリーは隙を見てジェイソンのフラッシュメモリーを盗み、データをコピーしてカードキーを作成。その後、ジェイソンと親しかった上司のベリンダと言葉を交わすが、ベリンダとジェイソンが男女の中でもあったことを知り、そのフラッシュメモリーをベリンダのバッグに忍ばせて彼女に疑いが向くようにする。

一方、ジェイソンの殺害現場では、爆破の痕跡のある金属が発見されていた。ジェイソンは伯父が鉱山業に従事しており、幼い頃から爆薬に親しんでいたという。さらに、ベリンダと2人でメキシコへ行く予定だったことがわかり、金庫を爆破して金を盗み、高飛びするつもりだったのではないかという疑いが生じる。カジノ業では、街中に置かれているスロットルマシンやゲーム機の売り上げがバカにならない。すべての機械から現金を回収する頃にはもう銀行が閉まっているので、その金は翌日まで金庫に保管されるのだ。

その点に絞ってデータを検索してみると、ジェイソンとポーリーが金庫破りを計画していたことがわかる。現場にあった金属片や水は、金庫の爆破実験を行った痕跡だったのだ。ポーリーは、ひそかに金庫破りを空想していたが、それをジェイソンに知られて、はからずも計画が具体化してしまった。ポーリーは最後の瞬間に怖気づいて「自分にはできない」と言ったが、それをジェイソンに罵られ、馬鹿にされたため思わず彼を殺害。そして単独で計画を実行していた。ニックとラングストンは金庫室へ向かうが、そこではすでにポーリーが金庫を爆破して札束を手に入れていた。そしてポーリーは予定どおりダクトから脱出した――と思いきや、それはポーリーの妄想。現実のポーリーは、吹き飛ばされた金庫の扉に腹部を直撃され、身動きが取れなくなっていたのだった。


感想

ちょっと変わった語り口のエピソード。普段なら証拠から「何があったか」をさかのぼって調べていき、視聴者の視点もCSIの捜査と同期しているが、今回は犯人の姿が最初から見えている。そして犯人と被害者がどういう関係で何をやってきたかということも、捜査場面の間にはさまれる回想シーンで先にタネ明かしされている。つまり「劇中でCSIが見ている世界」と「視聴者が見ている世界」がちょっとズレてるわけね。で、そのズレが効果的に使われていたかというと、あまりそうとは思えなかったわけで……。これも一種の倒叙方式なのだろうけど、倒叙には倒叙の語り方があるような気がする。今回のこの話は、最後まで何だか「入り込めない」印象に終始した。

今回のポーリーの行動を大ざっぱにまとめると、「誰にも注目されず目立たない生き方をして来た男が、心の中で腹いせの方法を考えていたら、それを本物の悪人に知られて利用される羽目になり、最後の最後で理性が戻ったと思ったらなりゆきで相手を殺してしまい、そこで変な自信が付いて当初の計画を決行し、うまくいったと思ったけどやっぱりダメでした」ということでいいのかな。最後、扉が飛んでくる方向にいなければ成功したのかな? と思ったけど、教授とニックがすぐそばまで来ていたし、やっぱりすぐ捕まってしまったかもしれないなぁ。ポーリー役の役者さんは良い味を出していたと思う。最初からずっとこの人視点で通した方が面白かったかも。

キャサリンが「父のカジノで…」とサム・ブローンの思い出を語る場面があったけど、今回のこれを聞いただけだと、キャサリンはごく普通に「カジノ王の娘」として育ってきたような印象。サムとはずっと親しかったとはいえ、実の親子だということはシーズン3のフィナーレまで知らなかったはずなんだけど。

その他気になった点としては、ラングストンが父親のDNA(だと思う。前回ピンから採取した血液だよね)を調べて、暴力性につながる遺伝子のことをウェンディから指摘される所かな。これも「ジキル」の話と並行して今シーズン引っ張るのだろうか。


使用楽曲

  • “Under Pressure” by Queen and David Bowie

Yoko (yoko221b) 2012-04-17

csi/s10/209_working_stiffs.txt · Last modified: 2024-02-19 by 127.0.0.1