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csi:s10:210_coup_de_grace

CSI - Season 10, Episode 4

#210 Coup de Grace

  • 邦題:「ラストファイト」
  • 脚本:David Rambo
  • 原案:David Rambo, Richard Catalani
  • 監督:Paris Barclay
  • 初回放映:2009-10-15

事件概要

スコット・ジョンソン

パトロール警官のフィンは、駐車場で発砲している男を見かけ、その男を射殺。そこは黒人の住人が多い地区で、フィンは白人。目撃者たちは「あの警官は倒れた男を撃った! 殺人だ!」と叫ぶ。

付近は暗く、フィンは男の顔を見ていなかったというが、撃たれた男は実は警官。しかもフィンの教え子だったスコット・ジョンソン巡査部長で、フィンはジョンソンを指導した時に「人種差別的発言があった」と苦情を申し立てられていた。フィンのパートナーのグレイソンが応援を要請した時の録音を確認しようとしたところ、フィンのマイクがオンになったままだったことがわかり、その録音から、フィンが “Black son of a bitch” と言っていたことがわかる。

現場に近いハンバーガーショップに勤めるデニースは「あの警官は倒れた人の背中を撃った」と主張する。背中から撃たれた弾が致命傷になったことはわかるが、それをどのように撃ったか――立っている時か倒れた後かはわからなかった。だが体脂肪の色が白かったことから、ジョンソンがベジタリアンであることがわかる。ジョンソンは店でハンバーガーを買っていたので、誰か連れがいたのではないかという可能性が浮かぶ。

アンソニー

サラ、モレノ刑事担当。廃校になった学校でヒスパニックの少年が射殺されているのが発見される。喉を撃たれていることと指が1本ないことから、タレこみ屋への制裁と考えられた。また、現場から外へ向かう滴下血痕があり、犯人が怪我をしていることがわかる。

少年は身元不明だったが、やがて駐車場で射殺されたジョンソン巡査部長が、その日バーガーショップで待ち合わせていた「アンソニー」とその少年が同一人物であることがわかる。

*   *   *   *   *

現場に落ちていた薬莢の位置から、当初はフィンがジョンソンに近づいて「とどめの一発」を撃ったと思われたが、やがてデニースの息子が薬莢を拾い、投げ捨てていたことがわかる。本来の位置を確認したところ、フィンは本人の供述どおり、パトカーの扉の陰から撃っていたことがわかる。「倒れてから撃った」というのはデニースの思い違いだったのだ。

こうしてフィンの疑いは晴れるが、フィンは実況検分などで人種差別的な言動を繰り返し、休職処分は解けないままだった。ブラスは「この機会に引退してはどうか」と勧めるが、フィンはその直後、拳銃自殺を遂げる。

ジョンソンの父親は、ラングストンに息子のことを話す。アンソニーはギャングへの入会儀式として宝石を盗んだが、ジョンソンはアンソニーの将来を思ってその件を不問にしてくれるよう店主に頼み、アンソニーを更正させようと尽力してきたのだった。

新しいデータベースで調べたところ、アンソニーを撃ったのは「Dストリートキラーズ」というギャングらしいとわかり、靴とDNAを調べるためメンバーが署に集められる。DNA採取中に、尻に怪我をしたマルティネスという男が犯人と判明。マルティネスはアンソニーが警官と通じていることを知り、タレこみ屋として殺そうとした。その時ジョンソンに尻を撃たれたが、その後ジョンソン自身がフィンに射殺されたため、マルティネスはアンソニーを追い詰めて殺害したのだった。

フィン巡査の脚が痣だらけであることに気づいたラングストンは眼球を調べ、フィンが網膜色素変性症を患っていたことを知る。これは視野が異常に狭くなる病気。夜で周囲は暗く、街灯やパトカーのヘッドライトも当たっていなかったため、フィンにジョンソンの顔が見えたはずはない。だが皮肉にも、視野が狭まったため銃の照準は合わせやすくなっていたのだった。


感想

Without a Trace にダニー・テイラー役でレギュラー出演していたエンリケ・ムルシアーノがモレノ刑事役でゲスト出演。WaTといえば、マーティンことエリック・クロースが「クリミナル・マインド」に出演したのを見たばかり。どちらも刑事の役だったので、どうしても「そうか~、WaTが終わって2人とも警察に移ったのね」とか思ってしまう。頭の中でクロスオーバーさせたりして、ちょっと嬉しくなってしまった。サラと2人で別の事件を担当――と思ったら、途中からメインの事件とつながった。

さて、冒頭でフィン巡査が射殺した「容疑者」は実は警官だったとわかり、大問題になる。しかもフィンとの間にトラブルを抱えていた相手だったので、わざと撃ったのではないかという疑惑も浮上する。フィンのパートナーはまだ新人で、事情聴取でも動揺を隠せない様子。事件が事件なので、いつもより張り詰めた空気感があったが、キャサリンの……というかウィロウズ主任の「ミスを嘆くのは明日になさい」というぴしっとした物言いが素晴らしい。聞いているこちらも気が引き締まる感じだ。

結局、フィンが相手の正体に気づいていなかったことが証拠から裏付けられ、疑惑は晴れたもののフィンは拳銃で自殺。射殺されたジョンソンが命がけで助けようとしていた少年は、サラ担当の事件の被害者だとわかる。3人とも死ななくていいのに死んでしまったという、救われない結末だった。

誰が悪いのかという話になったが(ギャングのマルティネスはまぁ当然として)、フィンは自分が現場に出られる状態じゃないことを自覚して内勤に移るべきだったと思うな。フィンが病気を申告しなかった理由は、警官としてのプライドだけ? 仮にジョンソンが苦情を申し立てなければ、フィンは管理職に昇進して現場から離れることができたのに、それができなかったから無理して現場に留まっていたのだろうか? ジョンソンには自分が警官だと名乗る余裕もなかったのか?

悪条件が重なる時というのはあるものだけど、やはり何だかもやもやした消化不良感が残ってしまった。


使用楽曲

  • “You and I” by Rick James (冒頭)
  • “Neeve” by Woolfy vs Projections (ホッジス分析画面)
  • “Inner Island” by El Perro Del Mar (フィン巡査の解剖場面)

Yoko (yoko221b) 2012-04-20

csi/s10/210_coup_de_grace.txt · Last modified: 2024-02-19 by 127.0.0.1