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csi_miami:s04:074_blood_in_the_water

CSI: Miami - Season 4, Episode 2

#74 Blood in the Water

  • 邦題:「海に散った家族」
  • 脚本:Sunil Nayar, Dean Widenmann
  • 監督:Duane Clark
  • 初回放映:2005-09-26

We have a sinking crime scene.

事件概要

デイモン・ラフリン殺害&金塊窃盗事件

停泊中のボートで火災が発生。中には一家4人が乗船していた。父ケン・ギャノンは船を動かそうとするが、砂堆(海底に堆積した砂など)に邪魔されてプロペラが作動しない。娘ジュリーは救命胴衣を身に着けて飛び込もうとする。ジュリーの兄ルークと母ローラはサメがいることに気づいて止めようとするが、ジュリーは海に飛び込み、水面下に引きずり込まれてしまう。ルークは助けに飛び込むが、やがて血で赤く染まった海面上に救命胴衣だけが浮かびあがる――。

デルコは潜水して海底を調べるが、ルークは見つからない。沖合へ向かう強い潮の流れにさらわれたものと思われた。近くにはグリーンの標識があるので、砂堆があるのはおかしい。標識は鎖をつなぎ変え、故意に動かされていたのだ。カリーとウルフは船室に入り、火元が船室内であることを知る。割れたガラスと、発火性の液体がこぼれたような跡があった。だが捜査中に船が傾き沈み始めたため、二人は現場から退避、ウルフはシャッターを切りながら外へ出る。

火災発生当時、ボートの近くには「Helen B.」という青い船が停泊していた。ケンは、救助船に助けを求めると法外な料金を請求されるからという理由で助けを求めなかった。ホレイショは、その船の船長が救助費用を目当てに事故を仕組んだのではないかと疑う。だが、船室の燃料の痕跡は、火炎瓶が「投げ込まれた」のではなく垂直方向に落下したことを示していた。

デルコはAVラボの技術者ダン・クーパーの協力を得て、ルークが流されているはずの予測位置へ向かい、若い男性の遺体を発見する。それはルークではなかったが、身体には火傷のあとがあり、ボートに乗っていたことは確実だった。若者は胸を銃で撃たれ、火災発生時にはすでに死亡していた。指紋から、被害者はノルウェーからの留学生でジュリーの恋人、デイモン・ラフリンと判明。

デイモンはエライアスという家で、留守番のバイトをしていた。エライアスはギャノン一家と同じヨットクラブの会員で、週末を船で過ごしていたのだ。エライアス邸に行ってみると、玄関には大量の血の跡。デイモンはそこで撃たれて船へ運ばれたと思われた。家を調べると、エライアスが自宅に保管していた金の延べ棒(1000万ドル相当)と娘ティナのラップトップパソコンがなくなっていた。

金の延べ棒は Helen B. 号の船長が持っていた。さらにそこには、行方不明のルーク・ギャノンの姿があった。ルークはジュリーを助けるために海に飛び込み、Helen B. の船長に助けられ、船長は見返りに金を回収したのだ。ルークは金を積んでいたことを知らなかったと主張するが、ホレイショはルークと船長が結託して座礁「事故」を仕組んだのではないかと疑う。

火元付近にあったガラスの破片からは、マリファナの原料が検出されていた。そのガラスはルークが持っていたマリファナ用の水パイプで、中身が液体燃料にすり替えられていたため火事になった。指紋から、中に燃料を入れたのはルークと交際していたティア・エライアスとわかる。ティアは、ルークが妹のジュリーとベッドで愛し合っているところを目撃し、怒ってパイプの中身をすり替えたのだった。

ギャノン一家全員の身元を調べると、母親以外は全員前科があり、しかも親子でも兄妹でもない他人同士だったことがわかる。ローラは3年前に事故で夫を亡くし、同じように家族を亡くした人々の自助グループでケンに出会った。だが、その事故は仕組まれたものだった。エライアスの金塊を狙う詐欺師3人組は、エライアスに近づくため、同じヨットクラブに所属するローラの夫を殺して彼女の「家族」となり一連の犯行に及んだのだった。ローラの夫が乗っていた車の細工の跡からケンの指紋、エライアス家で発見した薬きょうからルークの皮膚が検出され、彼らの犯行が明らかになった。


感想

3年越しの計画――何か、えらい気の長い話だなぁ。そんな手の込んだことをするより、ルークが学生になりすまして留守番に入り込むとか、もっと簡単な方法があったんじゃないのかと思わないでもないけど。しかし、冒頭の「悲劇に見舞われた平凡な一家」と見えたシーンから話が二転三転して彼らの真の姿が見えてくる、というストーリーの運びは面白かったと思う。一度見た後、再び冒頭シーンを見て、この時すでにデイモンの遺体がどこかにあったんだなぁ、とか、ケンとルークは内心どう考えてあのような行動を取っていたのか、など色々考えてみると、最初の印象とは全然違うシーンに見えてくる。

loose endがいくつかあるのが(船長は共謀していたのか、座礁を仕組んだのは誰か、サメは本物だったのか、ティアのラップトップには何が入っていたのか、など)気になるといえば気になるが、マイアミはミステリではない(断言)ので、深く考えないことにする。

今回はあまりホレイショが活躍せず、部下たちや新人ラボメンバー紹介の巻、という感じだった。デルコはお得意の潜水。カリーはいつものように現場で目ざとく薬きょうを見つけているが、現在はFirearm課ではなくTrace課にいるらしい。原因はやはりヘイゲンのことのようだが、新しい銃器担当とはソリが合わなさそう……。ウルフはアレックスに「成長したわね」と言われていたが、その理由は「肺にススが入っていない=火災発生時はすでに死んでいた」という、わりと当たり前の結論を言ったことだった。アレックス、ウルフで遊んでるの? 新人といえば、AVラボにも新人ダン・クーパーが入っていた。タイラーの姿は見えなかったが、それは説明なしか……。

「誰だって家族はほしい」そう言ったホレイショの視線の先にはラボの部下たちの姿があった。弟の一家がブラジルに身を潜めている今、ホレイショの「家族」はラボでともに働く彼らなのか。彼らを見つめるホレイショの表情はとても優しくて愛情に満ちていた。それはいいんだけど、難病を患っている姪御さんはどうなさいましたか。


単語帳

  • bull shark:オオメジロザメ
  • rip current:離岸流(浜から沖合へ向かう強い潮流)
  • Gulf Stream:メキシコ湾流(メキシコからヨーロッパへ向けて北東に流れる暖流)
  • Molotov cocktail:火炎瓶

Yoko (yoko221b) 2006-12-06

csi_miami/s04/074_blood_in_the_water.txt · Last modified: 2020-03-28 by 127.0.0.1