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csi_miami:s05:121_born_to_kill

CSI: Miami - Season 5, Episode 24

#121 Born to Kill

  • 邦題:「Yのメッセージ」
  • 脚本:Ann Donahue, Sunil Nayar
  • 監督:Karen Gaviola
  • 初回放映:2007-05-14

事件概要

シェリー・シーヴァー&ジェニファー・ロイス

シェリー・シーヴァーが自宅で縛られ、レイプされたうえに刺殺される。胸にはナイフで「Y」の文字が刻まれていた。シェリーは前夜、ルームメイトのアレクシスとともにクラブへ繰り出したが、アレクシスはバイクに乗った男にナンパされてビーチへ行き、その気のなかったシェリーはタクシーで帰宅したはずだった。バイクの男はトラヴィス・ペックと判明するが、トラヴィスの所持していたナイフは傷口とは一致しない。

その後、同じように女性を拘束して殺害し、胸に「Y」の文字を刻むという犯行が、過去にボストンで連続して発生していたことがわかる。

シェリーの爪の下に残っていた皮膚組織のDNAは、ルーカス・ウェイドという男のものだった。ルーカスはシェリーと出会い自宅へ送ったことは認めるものの、殺害は否定。ルーカスのDNAを調べたヴァレーラは、性染色体に「Y」が一本多い遺伝子異常に気づく。かつて「XYY」の染色体を持つ男性は暴力的・犯罪傾向があるという俗説があったが、現在その根拠は否定されている。保釈金を持って現れた妹のリンジーは、ルーカスがかつて遺伝子異常の研究対象にされていたと言う。

だがその後、ジェニファー・ロイスという女性が同じように拘束されて殺され、胸に「Y」の文字を刻まれる事件が発生。事件当時、ルーカスは勾留中。だが今回は凶器が現場に残されており、息子のアーサーがそれを持っていた。

そのナイフは刃を取り替えることができ、根元に指紋が残されていた。指紋の主はルーカスの恋人リタ。リタは、ルーカスのためにナイフを準備したことを認めるが、釣りのためだと思っていたと主張。ナイフからはジェニファーとシェリーの血液が検出されたため、少なくともシェリーの殺害にはルーカスが関与している疑いが強まった。

担当刑事のジェイク・バークレーはルーカスを拘置所に護送するが、その護送車は途中で脱輪を起こして横転。ジェイクは負傷し、ルーカスは逃亡する。タイヤのナットがあらかじめ緩められていたのだ。その後、ルーカスの手錠が発見され、付近の足跡からバイク男のトラヴィスが手錠を切ったことがわかる。

トラヴィスはボストンでルーカスの隣の房に服役していたことがあり、出所してからもルーカスと組んでいた。アレクシスを誘ったのも、ルーカスがシェリーに目を付けたため、わざと連れのアレクシスを誘って2人を分断したのだった。

だがジェニファー殺しはトラヴィスの仕業ではなかった。傷口を精査した結果、ジェニファーの傷だけ左利きの人物によるものだとわかる。殺害したのは、ルーカスの妹のリンジーだった。ルーカスの勾留中に類似の事件を起こせば、兄が釈放されると思っての犯行であった。リンジーの自宅へ急行すると、リンジーは「兄が娘のホリーを連れて逃げた」と言う。

ルーカスは遺伝子異常により幼少から「犯罪傾向がある」という偏見の目に晒されていた。過去の新聞記事でも、8歳当時のルーカスが末の妹エマを突き落として死なせていたことが報道されていた。だが、その事件も実際に手を出したのはリンジーだった。リンジーは妹と遊んでいて、階段の上から強く押しすぎて突き落としてしまったが、思わずそれを兄のせいにしたのだった。「生まれついての犯罪者」と決め付けられたルーカスは、それに応えるかのように連続殺人者になり、リンジーはずっと罪の意識に苛まれ、兄を無実に見せかけるために、同じ凶器を使ってジェニファーを殺害したのだった。ルーカスはホリーを「リンジーから守るため」に連れ出したが、ホリーの靴に取り付けられた発信機と、かつてウルフが切った違反切符が手がかりになり、ホリーは無事に保護される。


感想

前シーズンの邦題は演歌調だったり妙にセンセーショナルだったりしたが、今シーズンは古典的推理小説を思い出させるものが印象に残る――『アッシャー家の没落』とか『黒革の手帖』とか『Yの悲劇』とか。『黒革』は古典というほど古くないか。

今回の事件では「XYY」の染色体異常のモチーフが登場したことにびっくり。というのも、Law & Order(シーズン4)で同じモチーフを使ったエピソードを見たばかりだったから。10年以上前の作品なのに、見た時期が偶然に重なってしまうなんて。

しかし事件自体はわりと普通。フィナーレだからと特に大掛かりなことをやらず、静かに幕を下ろそうとしたようなエピソードだった。傾向としては、シーズン2「CSIの汚名」に近い。リックも出てきたし。

だが、その地味な事件と最後のモンタージュがうまくかみ合っていない感じで、いささか不完全燃焼感の残るフィナーレになってしまった。シーズン2と重なるような形式にした(モルグで被害者の名札を付ける場面もあったよね)ことで、逆にあの頃からドラマの傾向が大きく隔たってしまったことがいやおうなく強調されてしまったという印象が否めない。モンタージュは前回の方がずっと良かったなぁ。

来シーズンに向けて気になる点はやはり、ライアン・ウルフの復職問題だろう。ギャンブル問題に加えて今回は横領疑惑? 今日中に説明しろと言われていたが、どうやら結果は来シーズンに持ち越しのようだ。そんなライアンの作業を手伝うナタリア。もしかして来シーズンはライアンとナタリアが? え~それはちょっと……。カリーとエリックとジェイクの三角関係は来シーズンも引っ張りそうだし、ホレイショの前にはイェリーナが再登場しているし、このうえライアンとナタリアまでは、いくら何でもお花畑を作りすぎだろう。

それはそうと、最近ホレイショは女の子に近寄らなくなった。以前のエピでも少女から話を聞いていたのはカリーだったし、今回もホレイショは男の子だけで、ホリーを抱き上げたのはエリックだった。どうしたんだ、最近のホレイショはショタ専門になったのか?

このフィナーレエピ、事前のスポイラーでは「ホレイショが犯人を乗せて護送中の飛行機が墜落し、生死不明のままクリフハンガー」とか言っていたはずなのだが、何だったんだろうあのスポイラーは。ラストは意味もなくヘリポートに佇むホレイショで、別にそこからヘリに乗ることもなく終了。ホレイショは、あそこでひとしきり睨みをきかせた後、普通にエレベーターで降りて帰って行ったのだろうか。いったい何のために。


使用楽曲

  • Something to Believe In by Aqualung (エンディング)

Yoko (yoko221b) 2009-02-15

csi_miami/s05/121_born_to_kill.txt · Last modified: 2024-02-21 by 127.0.0.1