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csi_miami:s05:120_kill_switch

CSI: Miami - Season 5, Episode 23

#120 Kill Switch

  • 邦題:「彷徨える狼」
  • 脚本:Marc Dube, Corey Miller
  • 監督:Scott Lautanen
  • 初回放映:2007-05-07

事件概要

ジェイソン・ビリングス

女子大生のシェリーが白昼の街中で襲われ、カージャックされるという事件が発生。その事件の一部始終は防犯カメラに撮影されており、TV局は「解説員」として元CSIのライアン・ウルフを招いて映像を検証する。画像を精査した結果、犯人の顔がTV画面に大きく映し出されるが、その直後、カージャック犯の遺体が海岸で発見される。全身に切り傷や打撲傷を負ったうえ、放尿された形跡があった。

問題の映像が放映された後、TV局には「犯人を殺してやる」という電話が何本もかけられており、そのうちの一人、デレク・ヒューイットが尿の主であることがわかる。ヒューイットは「街を守るためにやったことだ」と主張するが、ヒューイットが負わせた傷はすべて死後のものであり、足の傷はサメによるものであるとわかる。カージャック犯は海上で殺され、海に落ちてサメに咬まれた後、浜辺に流れ着いたのだった。

やがて、カージャック犯の身元はジェイソン・ビリングスとわかるが、裕福な家の息子でカージャックなどやりそうにない。ジェイソンの持っていたボートを調べてみると、麻薬を運んだ形跡が発見される。ジェイソンの兄ポールは、麻薬の運搬を指示しそうな人物として、トニー・デッカーの名を挙げる。

カリーとナタリアが海岸で麻薬を捜索している所へ、カメラマンとウルフが取材に現れる。ウルフは捜査を邪魔しないよう遠くから撮影しようとするが、カメラマンは地面に仕掛けてあった罠にかかり重傷を負う。罠の下には、バナナの葉に包んだ麻薬が埋められていた。

検出された上皮組織から、罠を製作して仕掛けたのは、ジェイソンのボートの清掃係をしている大学生コール・テルフォードと判明。ジェイソンはやはりトニー・デッカーの下でキューバから麻薬を運搬しており、コールにも手伝わせていた。ジェイソンは麻薬の一部をこっそり着服してデッカーに追われそうになり、警告のために罠を作らせたのだった。

一方ウルフは、カージャック犯の映像を公開したことでリンチ殺人を引き起こしたかもしれないということに責任を感じ、その後も映像を丹念に調べ、かすかに火花が見えることに気づく。何者かがカメラの死角からジェイソンに発砲していたのだ。その事実を突きつけられたシェリーは、ポールに頼まれて、ジェイソンをおびき出す役を演じたことを認める。つまりジェイソンはカージャックをしたのではなく、銃撃されたためシェリーを押しのけてその場から逃げ出したのだった。

ポールもまたデッカーの下で働いており、デッカーの命令でジェイソンを殺そうとしたのだ。だが顔を隠していたため、ジェイソンはまさか実の兄が自分を殺そうとしたとは思わず、「助けてほしい」と兄に泣きついていた。2人はボートで沖へ出て話し合うが、そのうちにジェイソンが銃撃犯の正体に気づき、争いになった。2人は海に落ち、ポールは何とかボートに這い上がるが、ジェイソンはそのまま浮かんでこなかったという。

だがジェイソンの死因は溺死ではなく、首を垂直に圧迫されたための環椎破裂骨折。ジェイソンが海に落ちた後、何者かが止めを刺して再び海に落とし可能性が考えられた。案の定、デッカーのボートからはジェイソンの血痕が発見され、デッカーの犯行が裏付けられる。

ウルフはTV局の仕事に馴染めず、CSIこそが自分の天職であると感じ、ホレイショに復職を願い出る。審査には長い時間がかかり、復職できる保証もないが、ホレイショは「君を見捨てない」と励ます。


感想

前回クビになってしまったライアン・ウルフが、TVの犯罪番組にコメンテイターとして登場。もはやCSIではないというのに、今回はまさに「ライアン・エピソード」だった! CSIとして現場をうろついているより存在感があるじゃないか、ライアン!

ライアンに対する元同僚たちの態度も、それぞれに個性があって面白い。カリーが厳しい態度を見せたのは、やはり彼のギャンブル癖を知っていて「もうやらない」と約束させたという経緯があったので、裏切られたという思いがあったのだろう。ナタリアは自分がかつてスパイをやっていたことがあるせいか、ライアンの立場に対して理解を示す。エリックが「よくやった、でも手柄はオレのもの」と冗談めかして言ったのは、以前ライアンに手柄を横取りされた仕返し? エリック自身、前シーズンではマリファナの件で調査を受けているので偉そうなことは言えないだろう。

フィナーレを前にして振り返ってみると、今シーズンは主人公たるホレイショの個人ドラマを控えめにして、ナタリア、エリック、ライアンといったレギュラー捜査官たちの個人ドラマを描いたシーズンだったと言える。シーズン3~4あたりは「Hドラマ」の要素が強く、それがかえってホレイショと他メンバーの間に距離を作っていた印象があったのだが、今シーズンは、特に後半でホレイショが一歩引くことによって「部下たちを見守る」印象を抱かせるようになってきたと思う。プレミアの「リオの決闘」を見た時にはどうなることかと思ったが、後半でようやく安心して見られるようになってきたという感じ。ソニヤのストーリーがあれっきりになってしまったのは中途半端な気もしたが、今となっては無理に続けなくて良かったと思う。

個人ドラマを通じていちばん大きく変わったのは、やはりナタリアのキャラかな。前シーズンの嫌な感じを払拭し、ここまで好感の持てるキャラに変貌させたのはすごいと思う。エリックも困難を経て落ち着いた大人の男に変わってきた。ライアンも今回はとても良かったと思う。このまま良いキャラに成長してほしい。

……いかん、すっかりまとめに入ってしまった。まだフィナーレじゃないよ! あと1話。


使用楽曲

  • “We Fly High” By Jim Jones (トニー・デッカー登場場面)
  • “Carry Me” by The Jealous Girlfriends (エンディング)

Yoko (yoko221b) 2009-02-15

csi_miami/s05/120_kill_switch.txt · Last modified: 2024-02-21 by 127.0.0.1