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csi_miami:s08:185_dishonor

CSI: Miami - Season 8, Episode 18

#185 Dishonor

  • 邦題:「アラブの娘」
  • 脚本:Marc Dube
  • 監督:Sam Hill
  • 初回放映:2010-03-15

事件概要

ラヒム・ファルーク

ホレイショは、軍に入隊してイラクに派遣されていたカイルと久しぶりに再会し、一緒に朝食を取る。そこへカイルの部隊仲間から連絡が入り「ブライアンと連絡が取れない」という。カイルはホレイショとともに、ブライアンの父が経営する自動車工場へ向かうが、そこにはタイヤに拘束されて火を付けられた人の姿が。カイルは火を消そうとするが既に手遅れ。タイヤで拘束するという手口は、90年代のギャングの処刑方法を思わせる。

親友のブライアンが死んだと思ってカイルはショックを受けるが、検死の結果、死亡したのはブライアンではなく、イランから移住してきたラヒム・ファルークであるとわかる。ブライアンは被害者から一転して容疑者になった。

カイルのもとへブライアンから連絡が入る。「誰にも言うな」と言われたものの、ホレイショに話さないわけにはいかず、ブライアンは同行したホレイショとジェシーに逮捕されてしまう。一緒にいた女性はラヒムの娘でブライアンの恋人、マヤだった。

ブライアンとマヤは犯行を否定し、逆に父親がマヤを殺そうとしたのだと言う。マヤには親が決めた婚約者がいたが、マヤはブライアンと恋に落ちた。故国の風習では、父親に逆らうことは許されず、不貞を働いた娘は父親により「名誉殺人」として焼き殺されることもあるのだという。しかし、2人はラヒムと争ってその場から逃げただけで、殺してはいないと主張する。

ラヒムのポケットには黒焦げになった書類があり、復元して解読した所、アハマド・サリブとの間の婚姻契約書であるとわかる。マヤの婚約者アハマドが契約違反を恨んで殺したのかとも思われたが、アハマドは「ここは自由の国だから、好きな相手と結婚すれば良い」と割り切った態度を見せる。

ジェシーとナタリアは現場の自動車工場へ向かい、ハイヒールで踏みしめたような足跡を発見する。マヤの靴を調べるが、形は一致しない。それはマヤの母、サルメのものだった。サルメは夫が娘を殺そうとしていることを知り、それを許すことができずに夫を殺害したのだった。


感想

邦題は「アラブの娘」だが、ラヒムの一家はイランからの移住者なのでアラブではなくペルシャ。

「巻き込まれ型ホレイショ」はけっこう久しぶりのような気がする。初期シーズンでは出かけた先で偶然事件が起きる展開が何度かあったと思うが……。

カイルが軍隊に入っていることは14話で明らかにされていたが、派遣先はイラクで、もう1年も行っているということがわかる。ということは、前シーズンでジュリアの発砲事件があった直後にモルグを辞めて入隊したということだろうか(それでも1年にちょっと足りないし、訓練期間はあったのだろうか)。

赴任地がイラクからアフガニスタンの危険な地域に変わると聞いて心配そうなホレイショ。イラクは地域によって差があるが、けっこう安全な地域もある。クルド人地域などはマイアミのモルグで働くよりよほど安全なのではないか。アレックスは何度も死にそうな目に遭っているし、彼女の後任は赴任当日に殉職しているのだから。

さて、事件はカイルの戦友、ブライアンの工場で起きた放火殺人であり、死亡していたのはブライアンの恋人の父親。行方不明だったブライアンからカイルへ連絡が入り「親父さんにも誰にも言うな」と言われるが、カイルはあっさりホレイショに話してしまう。

これは友達を裏切ったのではなく、両者を信じていればこそだろう。ブライアンは殺人などしていないと信じているし、ホレイショがいい加減な捜査をするはずがないとも思っている。それに隣人の行動からヘイトクライムが疑われたのだから、ブライアン自身の身の安全も心配だったはず。

調べていくうちに、事件の背後に「名誉殺人」の影があったことがわかり、犯人はマヤの母親だとわかる。「名誉殺人」とは、不義密通などで「家名を汚した」とされる女性を家族が殺害すること。イスラム教やヒンズー教の文化圏では現在も行われている地域があり、国際的にも批判を浴びている。それにしてもタイヤで拘束するギャング式の殺し方なんてよくご存知でしたわね、奥様。

結局、被害者以外は全員、ふられた婚約者も含めて「ここは自由の国なのだから、好きな人と一緒になって当然」と考えていて、ひとり取り残されていた(でも気持ちは家長の)被害者という構図だったようだ。それにしても、アメリカで「名誉殺人」なんてやらかしたら殺人罪で逮捕され、フロリダ州なら死刑もありうるって、わかっているはずだろうに。

捜査の方は、焼け跡の灰にそんなにくっきりヒール跡が残るものかしら、とか、現場検証するナタリアの服装がーとか、ツッコミどころはいつも通り。でもホレイショが白衣で腰に手を当てて紙を見つけていたので、それを見ただけですべて許せる気になってしまったわ。

ラストは戦地へ戻っていく息子を見送る父。カイルを抱きしめて“I love you.”と言っていた。ホレイショがこれを言うのはマリソル、レイに続いて3人目だろうか。その2人に対してもハグはしなかったので、何だかんだでカイルはいちばん愛されているかもしれないなぁと思った。この場面のBGMも良い(Snow Patrol の “Give Me Strength”)。

それはそうと、今回の被害者とその妻も、マヤの婚約者もブライアンも皆カミスタン人だったので笑ってしまった。マヤ以外は全員「24」のファイナルシーズンにご出演。アジア系の役者さんも「またこの人?」と思うことが少なくないが、中東系俳優も層が薄いのだろうか。


使用楽曲

  • Give Me Strength by Snow Patrol

Yoko (yoko221b) 2011-10-23, 改訂 2015-03-01

csi_miami/s08/185_dishonor.txt · Last modified: 2024-02-23 by 127.0.0.1