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csi_miami:s10:232_habeas_corpse

CSI: Miami - Season 10, Episode 19

#232 Habeas Corpse

  • 邦題:「さようならマイアミ・ファミリー [後編]」
  • 脚本:Barry O'Brien, Marc Dube
  • 監督:Sam Hill
  • 初回放映:2012-04-08

事件概要

ジョシュ・エイブリー

州検事補のジョシュ・エイブリーが自宅アパートで殺害される。現場にいたのはライアン・ウルフ。ウルフは証拠すり替えの件を問い詰めようとジョシュの自宅を訪れて口論になり、殴り倒されて気を失い、目を覚ますとジョシュが死んでいたという。死因は、自宅にあったワインボトルで殴られたことだった。

現場の血痕を分析した結果、ウルフが倒れた後にジョシュが殺されたことがわかり、ウルフの容疑は晴れる。ジョシュの部屋には盗聴器が仕掛けられており、ヴォーゲルがジョシュを監視していたのかと思われたが、調べてみると盗聴器はデイド署のもので、仕掛けたのはサマンサだった。ホレイショはサマンサに、捜査から外れるよう言い渡す。録音された会話からジョシュがヴォーゲルのために動いていたことがわかるが、令状もなく違法に録音された会話なのでもちろん証拠能力はない。

サマンサの話から、ジョシュが船を所有していたことがわかり、トリップとナタリアが港へ向かう。だが「荷物を置きに来ていた」先客があり、いきなり発砲。応戦したナタリアが相手を射殺する。その船からは、大量の薬物が発見される。

薬物の成分を調べてみると、やはりヴォーゲルの依頼人だったエディ・コスターが扱ったものとわかる。コスターも無罪になっていたが、製造工場の爆発で重傷を負ったため、もう麻薬製造は止めていると主張する。

コスターが逮捕された時に押収された薬物はまだ証拠保管室に残っていたが、ウルフは袋の中に虫が湧いていることに気づく。同じ重量の小麦粉にすり替えられていたのだ。だがジョシュ・エイブリーが証拠品に接した記録はない。証拠を扱ったのはサマンサだったのだ。

その頃サマンサはコスターにナイフを突きつけられ、ハイウェイを暴走中。自分の薬物が使われたことに怒ったコスターが、ヴォーゲルとともに彼女を拉致したのだった。その後車は高架から転落し、コスターは死亡。サマンサとヴォーゲルは救急車で搬送される。ウルフは足を骨折したサマンサの靴をぬがせ、底にガラス片が刺さっていることに気づく。それはジョシュを殺害したボトルの欠片――殺害した犯人はサマンサだったのだ。


感想

シリーズフィナーレ、前後編の後編。10年続いたシリーズの、これが最終回のエピソードになる。

CSI:マイアミの世界を堪能しつくした!満足した!ありがとうマイアミ! と、手放しでほめるわけにいかないのが残念。やはりこれがフィナーレではちょっと、中途半端すぎるでしょー。

この前後編が撮影された時点では、まだマイアミの打ち切りは決まっていなかったはず。前年のフィナーレは堂々たるクリフハンガーだったし、今シーズンではエピソード数が減らされているといっても、それは放送枠が日曜に移ったためという説明がなされていた。放送枠が移ったのは前年からだが、スポーツ中継の影響で放送時間が遅れたり放送そのものが延期されたりという混乱があったように記憶している。なので、その反省を踏まえての話数調節かと思っていた。もちろん、エピ数が減るのは番組継続に関して良いサインではないし、シーズン後半で局からクリフハンガー禁止令が出たらしいので、その時点で覚悟しておくべきなのだろうが。

これは想像だが、マイアミのプロデューサーはここで終わるとは思っていなかったのだろう。終わるならNYの方だと思っていたのではないか。だから、指示通りクリフハンガーは止めて、フィナーレらしいラストシーン(皆でお酒を飲みながら歓談)にはしたものの、loose end は残しておいた。そして次のシーズンで、ナバロ一家との最終決着をつけるつもりだったのではないかと思う。ああ、見たかったなぁその話。最終回としてきれいにまとめたNYの方を終了させて、マイアミにはもう1年続けさせてほしかった。できれば終わるまでに、アレックスとイェリーナとカイルには再登場してほしかった。

ま、しかしマイアミは終わってしまったのだし、これも運命と受け入れるしかない。

さて、で、肝心のストーリーの方はどうだったかというと……これも残念ながら、あまり評価できない。不正をしていたのが検事で、ラボの中に裏切者がいて、それにCSIとの恋愛三角関係が絡んで……という人間関係が、シーズン4フィナーレでのウェスト検事とそのスパイだったナタリア、エリオット捜査官、カリーの図式に重なって、焼き直し感が拭えなかった。使い古されたネタでも、見せ方しだいで面白くなるはずなのに、今回はそうではなかったのだ。

で、その時に検事局のスパイをしていたナタリアがサマンサに厳しいうえ「男の趣味が悪すぎる」なんて、いったい何の冗談かと思った。ナタリアの前夫はDVで服役し、出所した後もストーキング行為を繰り返していたではないの。それに、男の趣味でサマンサを責めるのであれば、ウルフだって女の趣味が悪いということに……まぁ、悪いかもしれないけど。

で、そのサマンサ。ジョシュの部屋に盗聴器を仕掛けたり、カッとなって思わず殴り殺してしまったというのは、「利用されていた」という怒りからであって、不正には関わっていなかったという解釈も可能だが、麻薬をすり替えたのはどちらだったのだろう。ジョシュとサマンサがそれぞれ別々に不正をしていたのか、共犯だったのか、それともジョシュが麻薬をすり替えてサマンサの犯行に見せかけたのか。すべてヴォーゲルの差し金だったのか。船上から銃撃してきた男は何者で、何をしに来ていたのか。細かい所がきっちり解明されないまま終わってしまった。

しかし、これはシリーズが打ち切られてしまって続きがないと思うからであって、通常のシーズンフィナーレであれば悪くなかったかもしれない。ホレイショの怒り爆発な珍しいシーンもあったし。サマンサの盗聴を知って捜査から外れるよう言い渡したかと思うと、器具をガシャーンですよ。あの時サマンサが何か分析中だったのか、片付けは誰がやるのか気になるが、ラボの人は何も気にせず完全無視だった。

ここで終わるのは本当に残念だけど、「マイアミ・ファミリー」の和気あいあいとした場面で締めくくることができたのは良かった。「ファミリー」でもある同僚に支えられて、カリーはオースティンとパティを無事に養子にできるようだ。

いま日付を確認してみると、第1話「マイアミ上空 17秒間の惨劇」のエピガイを書いたのが2005年の12月だった。それから8年あまり、途中でちょっと離れかけた時期もあったけれど、過去のエピソードなど思い返してみると感慨深い。エピガイの作成自体はまだ完了していないので(簡易エピガイで済ませていたシーズン7と8を補完することにしたので)完全お別れというわけではないけれど、エピソードとしてはここでおしまい。名残惜しくてなかなか書き終われないが、そろそろお終いにしよう。

10年間お疲れさま、そしてありがとう! マイアミ・ファミリーの皆、元気でね!


使用楽曲

  • “Headphones” (Remix) by björk (冒頭)

Yoko (yoko221b) 2014-05-06

csi_miami/s10/232_habeas_corpse.txt · Last modified: 2024-02-25 by 127.0.0.1