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csi_ny:s05:097_the_cost_of_living

CSI: NY - Season 5, Episode 5

#97 The Cost of Living

  • 邦題:「人生の対価」
  • 脚本:John Dove
  • 監督:Rob Bailey
  • 初回放映:2008-10-29

事件概要

ジェームズ・サットン(ミッチ・ベンソン)、ウォルフォード・ベッシー

考古学者のジェームズ・サットンが路地で射殺される。サットンはインディ・ジョーンズのように装い、クラブで会った客たちに冒険譚を披露していた。発見者で同じく考古学者であるローラ・ローマンによると、お宝を発見したと自慢していたという。

被害者の銃創からは青いプラスチックの欠片がいくつも発見される。火薬輪から至近距離で撃たれたものと思われたが、銃弾に旋条痕はなく傷は浅かった。

ステラとダニーはネズミの体毛を発見し、路地でネズミを釣っているホームレス、ウォルフォード・ベッシーに会いに行く。ベッシーは事件を目撃し、サットンが持っていたアクセサリーと時計を奪ったことを認める。ベッシーによると、後から誰かがサットンの遺体に近づいていたという。

その後、サットンのアパートに向かったステラは、何者かに襲われ「ネズミ釣り男から何をもらった」とギリシャ語で聞かれる。ステラが反撃したため男は逃亡。その時ベッシーはすでに殺害されていた。おそらく、ステラを襲った男はサットン殺害犯ではなく、後からサットンの遺体に近づいて何かを奪おうとしたが見つからず、その何かを奪うためにベッシーを殺害し、さらに彼が持っていた名刺からステラの存在を知って襲ったものと思われた。

殺害現場にあった土に混ざっていた陶片から、サットンがルーズベルト大統領が利用していた大統領専用列車のホームに出入りしていたことがわかる。そこは地下ホームで現在では使用されていない。現地に行ってみると、そこにはローラの姿があった。ローラはサットンと恋人関係だったことを認めるが、サットンの遺志を継いでジョセフ・クレイター(1930年に行方不明になった判事)の遺品を探していただけだと主張する。

シドはようやくサットンの死因を特定する。記録にはないが、1~2年前にも銃撃を受け、その時にきちんと処置をしていなかったために動脈瘤が生じていた。そこへ今回の銃撃を受けたことで、健康体なら致命傷にならないような傷で命を落としてしまったのだ。

だが、サットンの医療記録にはその他にも符合しない点があった。脾臓の摘出手術を受けたはずなのに、その痕跡がなく脾臓もちゃんと残っていたのだ。アダムは検索で本物のサットンを発見し、彼が自分の人生を他人に売り渡したことを知る。本物のサットンは今も健在でロングアイランドの博物館に勤務しており、3年前ミッチ・ベンソンという男に自分の人生を50万ドルで売ったことを認める。2度の銃撃を受けたのはベンソンがサットンになり変わった後であり、古い弾傷は、2年前にキプロスでローラが誤って撃ってしまったものであるとわかる。

ホークスは青いプラスチック片を復元し、ペンを改造した銃が凶器であることを突き止める。そのため旋条痕がなく、弾の勢いも弱かったのだ。そして改造に使われたペンは、本物のサットンが勤務する博物館のショップで売られているものだった。

本物のサットンは、自分の経歴で偽物が脚光を浴びていることを許せず、「敬意を払うべきだ」となじり、ベンソンを撃ってしまったのだった。

ステラは、サットンことベンソンが持っていたアクセサリーから、コインのようなものを発見する。紀元前の古代ギリシャで鋳造された金貨ではないかと思われた。ステラを襲った男の狙いはこの金貨だった可能性がある。

ステラはギリシャ大使館へ出向くが、そこで古美術の専門家セバスチャン・ディアコスと面会し、そのディアコスこそ自分を襲った男であると気づく。そこで「私としたことが金貨の写真を忘れて来て…」と言い訳してその場を去る。


感想

インディ・ジョーンズのような考古学者が被害者となるエピソード。松明で明かりを作り、つばの広い帽子をかぶるといういでたちで、どう考えても地下道向きではない(懐中電灯とヘルメットの方が現実的)が演出効果はばっちり。カメラマンが横にくっついていても驚かない。

と思ったら、考古学者というのは経歴詐称で、別人の人生を買ったという。「人生を買う」というのは具体的にどういうことだろう。財産と経歴と業績。調査結果に加えて考古学者として売り出す(箔をつける)ための学位や業績などを全部自分のものとして吹聴できる権利、ということなのだろう。本物のサットンは博物館勤務だというが、学芸員なのだろうか。将来のキャリアをあきらめて自分のすべてを売りに出す。とはいっても、過去をすべて断ち切られ、経済的にも失敗し、研究しても自分の名で発表できないという生活は思ったより辛く、そこへベンソンの活躍が追い打ちをかけた……ということだろうか。

それにしても自分の職場に直接つながる物で凶器を作るとは、ちょっと間が抜けすぎではないか。

事件と直接関係はなかったようだが、この偽インディは古代ギリシャのコインをアクセサリーとして身に着けており、そのコインを追っている謎の男が「古美術の専門家」ディアコスとしてギリシャ大使館にいた、と驚くような展開があった。この話も次回以降に続くストーリーアークになっている。前回のフラッシュドライブもそうだが、今シーズンはストーリーアークが多いようだ。

このコインはギリシャの国家的財産のような価値があるものかもしれないが、被害者がそのコインを身に着けていることや、被害者の死後にネズミ釣りおじさんが釣り上げたことをディアコスがなぜ知っていたのか。そしてステラを襲った時になぜギリシャ語で話しかけたのか。ステラは確かにギリシャ系とイタリア系の混血だけど、名前はどう見てもイタリア系だし、ギリシャ語が通じるとは普通思わないのではないか。何らかの事情でステラの素性を知っていた可能性がある。

それから、これも事件と直接関係はなかったが、偽サットンが調べていた「ジョセフ・クレイター」は、1930年の8月に失踪したNY郡高位裁判所(Law & Orderでおなじみの)の判事。

Yoko (yoko221b) 2014-10-05

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