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csi_ny:s05:103_forbidden_fruit

CSI: NY - Season 5, Episode 11

#103 Forbidden Fruit

  • 邦題:「禁断の果実」
  • 脚本:Jill Abbinanti, Peter M. Lenkov
  • 監督:John Behring
  • 初回放映:2008-12-17

事件概要

イザベル・ヴォーン

パトロール警官が、女性の死体を捨てようとしてる男性を発見。男は逃走するが、金網を乗り越えたところで金属製の杭の上に転落して死亡する。

女性はバッグデザイナーのイザベル・ヴォーン、男性は百貨店でバイヤーを務めるトニー・クラークと判明。シドが検死した所、2人とも胃の中にはおよそ食事とは呼べないような物――果物の皮やタンポポ、鴨の血などが入っていた。イザベルの方は、さらに大量の水酸化ナトリウム溶液を飲んており、そのせいで臓器が液状化して緑色に泡立っていた。イザベルの死因はこの溶液と思われたが、無理に飲まされたような形跡はない。かといって、自殺であればトニーが遺体を遺棄する必要もない。

その他、トニーの車のマットでは赤いしみ、イザベルの爪の下からは象の糞が発見される。

赤いシミは、ミラクルフルーツと呼ばれる果物の果汁と判明。この果物を食べると、その後数時間ほど味覚が変わり、変な味の物でも甘く感じられる。イザベルはそのせいで、気づかずに水酸化ナトリウム溶液を飲んでしまったと思われる。トニーは自宅でミラクルフルーツとともにゲテモノ料理を食べるというパーティを開いており、イザベルも参加していた。トニーの恋人のクインシーの話によると、トニーはイザベルの死には無関係だったが、自分の評判に傷がつかないよう遺体を捨てようとしたのだった。

マックのオフィスを、以前の事件で知り合ったエラが訪ね、カードを手渡す。彼女は人々の秘密を募集してそれを飾るというアートを制作しており、そこにイザベルを暗示するデザインに「彼女が死ねばいい」と書かれたカードが送られてきたというのだ。

カードに使われたコラージュの素材から、イザベルのビジネスパートナーでバッグの製造を手掛けるマリーナ・メルトンの存在が浮上。彼女はイザベルと契約をめぐるトラブルを抱えており、動機はある。マックはマリーナのDNAサンプルを採取するが、ホークスが分析しようとした所、DNAが検出されないという不思議な現象にぶつかる。

イザベルの爪から検出された象の糞は、マンハッタン動物園のもの。象の糞はリサイクルペーパーの原料であり、製紙工場を経営するコルビー・フィッシャーが買い取っていたとわかる。コルビーはイザベルのバッグに付ける紙タグを製造しており、個人的にも付き合いがあったが、紙タグの契約は最近打ち切られたという。

マックはエラが持って来たカードを調べるが、痕跡はエラ自身につながる物しか発見されない。さらに、カードの絵の描き方とエラの筆跡を比べた結果、カードはエラの自作自演とわかる。エラは話し相手が欲しくてカードの話をでっち上げたことを認め、マックは彼女を厳しく叱責する。

イザベルが摂取した水酸化ナトリウムは、コルビーの工場にあった漂白用の薬剤と成分が一致するが、そこにキンマの葉の成分も検出される。キンマは軽い興奮作用のある植物で、東南アジアで主に使用されている。マリーナ・メルトンはタイ出身。キンマには唾液のDNAを分離する作用があるため、分析器が反応しなかったのだ。マリーナは契約をめぐるトラブルでイザベルを恨み、コルビーを誘惑して水酸化ナトリウムを手に入れ、彼女に飲ませて殺害したのだった。

事件解決後、エラは泣きながらマックに電話をかけ謝罪。「すべて終わらせたくなる」という言葉を聞いて驚いたマックがエラの自宅に急行すると、彼女は台所で手首を切っていた。マックは急いで止血してエラを病院に運ぶが、壁には「彼をモノにしてみせる」というエラ自身のカードが掲示されていた――。

デクラン・ルーニー

ステラ、エンジェル刑事担当。質屋でデクラン・ルーニーという男性が殺害される。首を折って殺害するという手口は、以前にギリシャコインをめぐる事件でネズミ釣り男が殺害された時と同一。ステラはディアコスの犯行を疑う。質屋のカウンターには、やはりギリシャのコインが置かれていた形跡があった。

ステラは偽造の前歴のある男性に偽物の金貨を作るよう頼み、ディアコスを罠にかけようとする。しかしディアコスの事件はすでに彼らの手を離れている。ステラが独断で動いていることを知ってマックは叱責するが、ステラは作戦を続行。エンジェル刑事が金貨をエサにギリシャ大使館のコロヴォスと接触する。


感想

人気のバッグデザイナーが殺害され、遺体を遺棄しようとした男が逃げる途中で事故死した事件と、質屋が殺害された事件の2本立て。どちらも、今シーズンで既に放送されたエピの「後日談」的要素があり、どちらも完結に至っていない。

死亡したデザイナーと死体遺棄男の胃の中からは、およそ食べ物とは言えないようなものばかりが次々に発見され、さらには腹部から緑色の泡がブクブク。この場面では「毒ガスか?」とシド先生の身を心配してしまった。この前被曝したばかりなのにまた……NYでもモルグはやはり危険な場所なのだ。

結局、その変な食べ物の正体は「口に入れた物を甘く感じさせる神経作用」を持つミラクルフルーツの効果と判明し、リンジーが例によって実演。初期シーズンでも、嗅覚に作用する薬品でマックを実験台に使っていたことを思い出す。でもマックが「妊婦は変な物を食べたがるんだな」と冗談を言った時は「妊娠してなくても虫を食べたでしょ」とツッコミたくなったが。

この事件で、マックは「地下室の死体」に登場した被害者の娘(であり、加害者の娘でもある)エラと再会。事件をほのめかすよなカードが送られてきた、というがこれは、マックの気を引くためのエラの自作自演。その少し前にスーパーで偶然マックと鉢合わせしていたが、これもどうやらエラが仕組んだくさい。自作自演を見抜かれたエラは自殺未遂騒ぎを起こし、マックがあわてて駆けつけるが、どう見てもこれは狂言。壁のカードには「彼をモノにしてみせる」という言葉が……ひー怖いよー。そうか筆跡鑑定のシーンで「V」と「O」の文字を使ったのは、LOVEの筆跡を見せるためだったのか!

一方、ステラは質屋の事件を担当するが、こちらでも以前のエピソードで登場したギリシャコインが関わっているとわかる。マックの制止も聞かずエンジェルに囮捜査をやらせていた。いいのか? こちらもまだまだ解決しそうにない。

Yoko (yoko221b) 2010-12-04, 改訂 2014-12-30

csi_ny/s05/103_forbidden_fruit.txt · Last modified: 2020-04-10 by Yoko