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csi_ny:s05:115_greater_good

CSI: NY - Season 5, Episode 23

#115 Greater Good

  • 邦題:「大いなる善」
  • 脚本:Pam Veasey
  • 監督:Alex Zakrzewski
  • 初回放映:2009-05-06

事件概要

マリス・ドノヴァン(再捜査)

交通事故で少女を死なせたタルマッジ・ネヴィルが、1年半の刑期を終えて出所する。ネヴィルを出迎えたマックは「君は無実なのに誰かをかばって刑務所に行ったのではないか」とたずねる。

当時、ネヴィルはその場で罪を認めたため、詳しい捜査は行われていなかった。だがマックは、自分があやうく事故を起こしかけた時に左肩を痛め、その時ネヴィルが「右肩」をかばっていたことを思い出したのだ。運転していたのが他の誰かで、その人物が罪を逃れているのであれば、そのままにしてはおけない。

ネヴィルは「運転していたのは自分だ。罪は償った」と主張する。しかしマックは保管されていたネヴィルの車を再度詳しく調べ、ネヴィルが座っていたのは助手席だったと結論付ける。ネヴィルは携帯電話でメールをしており、そのために罪が重くなったのだが、助手席にいたのであれば問題はない。

その頃、モンタナから戻ったリンジーは破水して病院へ。病院へリンジーの様子を見に来たマックは、院内で「カリータ・ネヴィル医師」を呼び出すアナウンスを聞き、タルマッジの娘が医師として勤務していることを知る。そしてカリータの姿を見たマックは、彼女が事故現場にいたことを思い出す。運転していたのはカリータではなかったか。救急車が到着するまでの間、誰かがマリスに心肺蘇生を試みた形跡があった。それをしたのがカリータであったかもしれない。カリータは8年前に飲酒運転で逮捕されたことがあった。2度目となると形は重くなり、カリータの外科医としての将来は閉ざされてしまう。タルマッジはそれをさせないために自分が罪をかぶったのではないかと思われた。

そこへ、殺し屋と名乗る男が署に出頭する。タルマッジ・ネヴィルを殺すよう依頼されたが、直前になってターゲットをカリータに変更しろと言われたという。女性と子どもは殺さない主義だが、「依頼人は思いつめた様子だったので、自分が手を引いても他の誰かが殺すのではないか」と言う。

依頼人は「40代後半の女性」ということで、マリスの母キャサリンではないかと思われた。マックは、運転していたのがタルマッジではなくカリータの方ではないかという疑惑を彼女に話していたのだ。マックは自分も妻を亡くしたことを話してキャサリンを説得し、思いとどまらせる。

カリータは最初「自分は車には乗っていなかった」と主張していたが、その後警察に出頭し、自分が運転していたと認める。その夜はレジデントを終えたお祝いで、グラス1杯だけだがワインを飲んでいた。飲酒運転の前歴もあることから、父の言うままに現場を離れたのだ。しかし近くに留まり、通りかかったふりをしてマリスの心肺蘇生を試みたのだった。

リンジーは無事に女の子を出産し、マックに「代父(ゴッドファーザー)になってほしい」と頼む。


感想

メインの事件はNY版「コールドケース」といった所か。事故当時は現場にいたネヴィルが「自分が轢いた」と認め、状況は明らかに思われたので厳密に検証なかったが、その後になってマックが疑い始め――こういう場合、大抵マックが正しい。そして刑務所に行ってまで誰かをかばうとしたらそれは家族だろう、と思ったらそのとおりだった(ベガスの初期にも似たような話があったしね)。しかし轢き殺された少女の母親は、事情を知らないままヒットマンを雇ってしまい、依頼をした後でマックから事情を知らされて動揺する。

このヒットマン氏がなかなか良い味出していて面白かった。依頼を受けて仕事を完了したら、その印に白いバラを贈るんだそうですよ! 依頼人が強面のオヤジでもやっぱりバラ贈るんですか!?(花屋さんは絶対何か誤解すると思う)

事情を知ったママンはヒットマンにターゲット変更を指示するが、ヒットマン氏は「女と子どもは手にかけない」という主義の下に堂々とタレこみ。「依頼した後に気が変わると高くつくぜ」と言っていたのは、そういうことだったのか。

そんなこんなで、証拠も確かに調べてはいたけれど、それよりも記憶と証言で解決したような印象が残った。

さて、このエピではもうひとつ、ストーリーアークとして少しずつ進められてきたダニーとリンジーの話にも、ひとつの区切りがつけられる――つまりリンジーの出産だ。前回停職になったダニーがモンタナへ行って出産に立ち会うのかと思ったら、いつの間にかNYに戻って来ていた。実家で産んだ方が何かと都合が良さそうだけど。

CSI:NYのこのシーズンと並行して「クリミナル・マインド」のシーズン4を視聴しているのだが、そこでもJJの妊娠、出産ストーリーがある。この2つ、本国放送も同じ年だったはずだけど、いろいろ似てる点があるなーと思った。

女優さんのリアル妊娠をドラマに取り込んだという点がまず共通だが、リンジーとJJも――田舎育ちで、規律に厳しいボスがいて、仕事で知り合った男性と恋人関係になって妊娠し、妊娠後に彼氏からプロポーズ、と似たような経緯をたどっている。産んだ後、チームの仲間にゴッドファーザーになってほしいと頼む場面でエピソードを締めくくるところも同じ。ついでに吹き替え版だと声も同じ(園崎未恵さん)だったりする。

にも関わらず、一連の妊娠アークに対する好感度がJJ>>>リンジーだったのは(あくまでも「私にとって」だけど)、クリマイではウィル(JJの彼氏)がレギュラーキャストでなかったからだろうか。レギュラーキャスト同士をカップルにするという展開は、やはりどうしても好きになれない。マイアミでもベガスでもそうだったけど、どうもCSIでの「恋愛ストーリー」の描き方というか、「恋する○○」の描き方が好みじゃないんだなぁ、どれを取っても。ダニーとリンジーも、シーズン2までの頃の方がキャラとしてずっと好きだったし。

ところで「ゴッドファーザー」は「名付け親」と訳されているけれど、これはキリスト教でいう「代父」のことで、子どもの名前を考えてあげる人のことではない。

Yoko (yoko221b) 2011-03-27, 改訂 2015-01-25

csi_ny/s05/115_greater_good.txt · Last modified: 2020-04-10 by Yoko